切れたらどうする?若さの賞味期限。

2015.12.26 — Page 1/2
結婚するわけでもなく、お給料も据え置きで、気分はいつまでも“若手”。そんなオキラク人生に突然つきつけられる現実って? 仕事も恋愛も、若さを売りにできる期間は意外に短い。立ち位置だけはしっかり見極めておかなくちゃ。

anan_bana 仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。


結婚するわけでもなく、お給料も据え置きで、気分はいつまでも“若手”。そんなオキラク人生に突然つきつけられる現実って? 仕事も恋愛も、若さを売りにできる期間は意外に短い。立ち位置だけはしっかり見極めておかなくちゃ。


【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.21

アラサー世代と仕事の話になると、決まって出てくるセリフがある。

「私、まだまだ24歳くらいだと思ってた〜(涙)」

うう、書いていて辛い。

30前後になると、転職経験にもよるけれど、だいたいが“若手”から“中堅”へ立ち位置の変化を求められる。だけどひと昔前とは違い、今は世知辛い平成の世。私たちは新卒から大した立場の変化もライフイベントもこなしておらず、ヘタすると年収だってそんなに変わっていないのだ。ぼーっと日々の仕事をこなして年を取っていたら突然襲いかかる「中堅へ変身よ!」という使命に、気持ちがまったく追いつかない。

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中堅への変身は恋愛でも求められる

この中堅への変身命令は、なにも仕事に限った話だけじゃない。たとえば恋愛対象の男性から「お姉さんみたい」的な落ち着きや楽さを、気づけば求められるようになってはいないだろうか。はたまた女同士の付き合いの中で、突然「アネゴ!」と呼ばれ、勝手に一段上に据え置かれたことはないだろうか。

私はある。

それは少し前の合コンのときであった。どういう流れでそうなったかは忘れたが、話の途中「本当に頼れるよね、アネゴって感じ!」と初球は女子から投げられたことだけは覚えている。今となっては軽いマウンティングだったのかもしれないが、そのアネゴ認定がなされてからは、男性からも「そうだよね、アネゴだアネゴ!」的に言われ、なんだか居心地の悪い気持ちになった。

そのアネゴの意味する女性が、きれいなお姉さんの代表格、篠原涼子女史を指しているのならまだいいのだ。しかしどうも聞いていると、私に求められるアネゴ像はマツコ・デラックスなのである。

「性別越えてますけど…」と悲しくなりながら、恋愛市場での中堅昇格を受け止めたことは、甘塩っぱい思い出だ。

このように、私たちの中堅への入り口は、じつはすぐそばにある。

気付かぬうちに勝手にくぐり抜けていて、しかも気付くのはそこからだいぶ歩いてから。そんな恐ろしい道なら、中堅のトビラをくぐったことなんて、ずっと気づかないで生きられたほうが幸せじゃないかと思うでしょ。私も思ってた。でもそっちはそっちで、無知という痛さの扉をくぐるってことにも、最近気付かされたのである。