花粉症にまつわる「なんとなく知っているけど、これって本当?」という気になるウワサ。気になる真相を、専門医の飯野晃さんにお伺いしました!
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Q1. 同じ薬をずっと飲んでいると効かなくなる?

A. 薬が効かないのではなく、他の原因が考えられます。
薬の効果に体が慣れると耐性ができ、効かなくなるから違う薬を試すほうがいい、なんて話も聞くけれど…。「基本的な抗アレルギー薬で、効かなくなることはありません。可能性としては、以前より症状が強くなっているのかもしれません。また、その年によって花粉の飛散量は変わりますし、体調・ストレス・睡眠など、あなた自身の変化も影響している可能性があります。つまり、同じ薬なのに効かないように感じるのは、薬のせいではなく、その年の症状や環境の影響が大きいと考えられます」
Q2. 花粉に地域差はある?

A. 花粉の種類や飛散量など、地域により違いがあります。
日本の花粉症には、原因となる植物の種類と飛散量に明確な地域差が。戦後のスギを中心とした植林政策や気候、地形などが関係している。「様々な木々の花粉が舞う日本。都心部はスギ花粉の影響がほとんど。都市化で花粉が滞留しやすく、排気ガスなどが合わさった影響も考えられます。スギ花粉症発症者がほとんどいないのが、北海道と沖縄。北海道はシラカンバやハンノキの花粉症が多く、沖縄はイネ科や雑草の花粉症が中心です。九州は黄砂との複合影響があるのでは、と研究が進んでいます」
Q3. 乳酸菌で花粉症は軽減する?

A. 乳酸菌摂取に限らず、腸活に軽減効果はあるかも。
最近、花粉症対策に腸活が有効と注目され、なかでも乳酸菌サプリを取り入れる人が増えてきた。「腸には、体内の免疫細胞の約7割が集まっています。ですので腸を整えれば、免疫の過剰反応である花粉症を抑えられる、と考えるのも間違いではありません。腸内環境を整える乳酸菌に、特異的なデータはまだ出ていませんが、間接的に症状を緩和する可能性はあるでしょう。ただ、免疫は睡眠の質や疲労、ストレスなど、いろいろなものが影響しています。腸活以外にも目を向け、対策を講じてください」
Q4. 何歳になっても花粉症になる可能性はある?

A. 40代、50代になっても、発症する可能性はあり。
花粉症は、長年の花粉の蓄積が閾値を超えた時に発症する。「環境や、その人自身の免疫バランスの変化、生活習慣などが影響するので、40代、50代で発症する人もいます。今、症状が全くなくてもいつ発症するかはわかりません。春スキーに行って大量の花粉を曝露し、発症してしまったケースもありました。症状がなくても、無防備に花粉を浴びることは避け、生活習慣を整え、予防をしておくことが大事でしょう。ただ、70代以降になると免疫反応自体が弱まるので、症状が軽くなってくる人が多いです」
Q5. 花粉症のシーズンはトマトを食べちゃだめ?

A. 口が痒くなる人はいますが、反応が出ない人がほとんど。
花粉症の人はトマトを食べてはいけない、と聞いたことがある。「花粉のタンパク質に似た構造を持つ食品を食べると、免疫が“同じ敵”と誤認して反応する、交差反応を起こすことが知られています。スギやヒノキの花粉と似ているのがトマト。ハンノキはリンゴや桃など。ブタクサはメロンやスイカです。食後、口の中が痒くなったり、喉がイガイガするなどの口腔アレルギー症候群(OAS)の症状が出ます。でも、反応が出ない人がほとんどです。トマトは加熱すると症状が出にくくなります」
Q6. 花粉症は気合で治る!?

A. 気合で血管が収縮し、症状が軽減するのは一瞬。
昔は、花粉症になるのは気の緩みが原因、なんてこともいわれていた。「興奮などのストレスを感じた際に分泌されるホルモン、アドレナリンが出ると、交感神経を活性化し、血管が収縮します。気合を入れることで興奮し、アドレナリンが出て血管が収縮すれば、花粉症の症状は多少緩和するかもしれません。昔、喘息発作に冷たい水を浴びる、などの荒療治もありました。とはいえ、症状の緩和は一瞬のことで、すぐ元に戻ります。症状改善には、根本的な治療や対策をするほうがずっと効果的です」
教えてくれた方
Profile
飯野 晃
医師。日本アレルギー学会専門医、指導医。日本小児科学会専門医、日本小児臨床アレルギー学会理事など。「青山アレルギークリニック」「なすのがはらクリニック」院長。
anan 2488号(2026年3月18日発売)より



















