スマホを安く買う方法【1】

石野純也(いしの・じゅんや)さん IT・スマホジャーナリスト。出版社勤務を経て、ケータイジャーナリスト、ライターとして独立。幅広い媒体でスマホやネットワーク、コンテンツに関する連載を持つ。著書に『ケータイチルドレン』(SBクリエイティブ)など多数。
散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 5年交際中の彼と同棲中。貯めたい意思はありつつも、推し活とちょこちょこ散財癖あり。スマホは1台持ちで、もっぱら動画視聴に利用。ギガ数が命。
スマホ高騰、その理由は多機能化と円安にあり。
好美:今のスマホを使い始めて5年経つので、昨秋、iPhoneを最新機種に買い替えようとしたら、最上位機種は約19万円! Androidユーザーに聞いたら、Galaxyは約30万円もする機種もあるとかで…。なぜ、こんなに高くなっているんですか?
石野:大きな理由としては2つあります。まず1つ目は、高性能かつ多機能化。動画の処理能力やカメラのセンサーなどは、ひと昔前に比べたら著しく進化しています。
好美:確かにデジカメを持っている人自体、少ないかも。動画編集もすぐにできるし、もうスマホ1台あればオールOKな時代ですね。
石野:動画は編集だけでなく視聴する際も、ダウンロードは早いし、画像も滑らかで長時間視聴にも堪えられるほどですからね。
好美:推しの動画を常にスマホで観賞できるようになったのは、素直に嬉しいですけど…。スマホ高騰の理由、2つ目は何ですか?
石野:円安です。通信やデータ処理を行うために搭載されているチップなどは、ドルで取引されていることもあり、コスト自体が上がっているため、販売価格も上がっているんです。
好美:円安はスマホにも影響あるんだぁ…。もう最新機種は高嶺の花、なんですね。
石野:価格に限って言えばそうかもしれませんが、“新しいスマホ”という点では、以前より選択肢は増えているんですよ。
好美:どういう意味ですか?
目的や優先度をクリアにしてから選ぼう。
石野:iPhoneは前モデル、前々モデルが継続して販売されていますし、AndroidならシャープのAQUOSなど、“高スペック良コスパ”の端末もあります。つまり、中古ではないけれど、最新モデルや高機能モデルではない、“新しいスマホ”という選択肢であれば、コストは抑えられるということなんです。
好美:なるほど! 確かに最新機種は優れているかもしれないけれど、用途によっては高スペックは不要、かもしれませんね。
石野:その通りです。まずは自分はスマホに何を求めるのか、その優先度を明確にしてみましょう。その上で、どうしても最新機種が欲しいという場合は、下で紹介したちょっとしたハックなどを駆使してみることをおすすめします。
好美:1円でも安く買いたいから、絶対に知っておきたいです! ちなみに中古スマホはどうですか?
石野:実は中古スマホ市場はここ数年で拡大を続けているんです。次回、詳しくお話ししましょう。
新しいスマホを安く買う方法をチェック!
・型落ちモデルや良コスパ機種を選ぶ
iPhone SE(256GB)なら8万4800円から、iPhone14(128GB)なら9万5800円からApple Storeで購入可能。また、AndroidはシャープのAQUOS R9 SIMフリーモデルで9万円台もある。
・キャリアの端末購入プログラムを使う
SoftBankなら48回払いで最新機種のiPhone16(128GB)を購入し、13か月目または25 か月目以降に端末を返却すると、以降の支払いが免除。実質負担は新規契約などで2万円程度に。
【Apple Storeで購入するなら…】
・Paidyあと払いプランで買う
キャリアがdocomo、au、SoftBankであれば、あと払いの利用に割引がつく。正規ストアで購入できる上に8800円引きに。ただし、事務手数料はかかるので、実質は5000円引きとなる。
・Appleギフトカードを活用する
不定期で10%程度の電子マネー、ポイント還元セールを行っているコンビニなどで、Apple ギフトカードをこまめに購入しておく。スマホ購入時に活用すれば、かなりお得に購入できる。
イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝
anan 2434号(2025年2月12日発売)より