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3つのキーワードを軸に、食べて免疫力アップ。
「食での免疫ケアには、五大栄養素である糖質と脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルをしっかり摂ることが前提。その上で、カラダの免疫機能に関わる栄養素を増やしましょう」と、管理栄養士の河村玲子さん。その際に意識すべきキーワードは以下の3つという。
「まずは免疫細胞の大部分が集まる腸を元気にする、腸活。食物繊維と発酵食品がカギですが、なかでも食物繊維は腸内で発酵するタイプが重要で、もち麦や海藻などに多く含まれます。さらに、免疫システム自体を活性化し、抗酸化力を高めることも大事。前者は鮭などに多いビタミンDと貝類や肉に多く含まれる亜鉛、後者は緑黄色野菜などに多いビタミンA、C、Eが重要な役割を担っています」
多様な栄養素を少しずつ取り入れるのにおすすめなのが、作り置きや持ち歩きができるおにぎり。
「必要なタイミングに応じた食事は、体内時計をキープして免疫機能を正常に働かせるのに有効です。また、冷ましたご飯に多く含まれるレジスタントスターチという食物繊維も、腸活の一助に」
冷えなど免疫力に関係するお悩みにも対応したおにぎりとそれらに合う副菜を考案してくれたのは、料理家の田村つぼみさん。
「ご飯は、もち麦や雑穀などで食物繊維を増やすのが得策。多めに炊いて冷凍しておくと便利です」
【免疫力キープ】腸活
免疫を司る腸を食物繊維と発酵食品で元気に。
免疫細胞の6~7割が集まっている腸。その健康を左右するのが発酵性食物繊維と、発酵食品に含まれる、乳酸菌などの善玉菌。
「発酵性食物繊維は腸内に棲息する善玉菌のエサとなって発酵し、腸内環境を整える働きがあります。もち麦や雑穀、オートミールや、海藻やごぼうなどの根菜、豆類に豊富です」(河村さん)
発酵食品の代表例は、たくあんなどの漬け物や納豆、みそなど。
「おにぎりに合うものも多数。ぜひ有効活用して」
とろろ昆布をまとわせて、不溶性食物繊維もふんだんに。これでお腹もすっきり。

もち麦入り五目炊き込みにぎり
腸活には、腸を刺激して蠕動を促す不溶性食物繊維も大事な栄養素。豊富に含むにんじんやごぼうを発酵食品である塩麹とともに炊き込み、発酵性食物繊維が多いとろろ昆布をふんわりと。便秘気味の時にぜひ。
【材料(作りやすい分量)】
にんじん…2/3本、ごぼう…100g、鶏もも肉…100g、蒸し大豆…60g、米…2合、もち麦…50g、A[酒、しょうゆ、塩麹…各大さじ2、水…460ml]、とろろ昆布…適量
【作り方】
(1)にんじんは小さめのいちょう切り、ごぼうは洗って3mm厚さの小口切り、鶏もも肉は1cm角に切る。
(2)炊飯器の釜にといだ米ともち麦、Aを入れてざっくりと混ぜ、(1)と蒸し大豆をのせて混ぜずに炊飯する。
(3)炊き上がったら適量をラップ等で包んでしっかりと握り、粗熱が取れたらとろろ昆布をふんわりとまぶす。

おにぎりにプラスワン! アボカドのキムチのっけ
食物繊維が多いアボカドに発酵食品のキムチをオン。さらに細胞の炎症を抑えるオメガ3脂肪酸が多く、これも優秀な免疫ケア食材であるアマニオイルを。
【材料(1人分)】
アボカド…1/2個、キムチ…30g、アマニオイル…適量
【作り方】
アボカドの種を除き、くぼみにキムチを盛って、アマニオイルをたらす。
腸をきれいにする食物繊維に、スーパー食材・鮭をプラス。花粉症に悩む人にもおすすめ。

もち麦ご飯で鮭と大葉とごまのおにぎり
もち麦入りご飯と発酵食品のたくあんに、炎症を抑えアレルギー症状の緩和に良いとされるオメガ3が豊富な鮭の組み合わせ。刻んで混ぜた大葉もアレルギー症状を和らげる働きあり。腸+花粉症ケアはこれを。
【材料(2個分)】
もち麦ご飯(※下記参照)…150g、甘塩鮭…60g、たくあん…20g、大葉…4枚、白ごま…小さじ1
※米の炊き方・もち麦ご飯…米2合をといで普通に水加減し、もち麦100g(約2/3合)と水200mlを加えて炊く。または、パッケージの表示通りに炊く。
【作り方】
(1)鮭は2等分に切って焼く。
(2)大葉は細切り、たくあんは粗いみじん切りにして、ごまとともにもち麦ご飯に加えて混ぜる。
(3)(1)の鮭をラップにひと切れずつ置き、(2)のご飯を半量ずつのせて包み、しっかりと握って、白ごま(分量外)をふる。

おにぎりにプラスワン! バナナヨーグルト
整腸作用のあるバナナとヨーグルトに、免疫の働きを助ける亜鉛が含まれるココアパウダーと、アマニオイルと同じくオメガ3が豊富なエゴマオイルをかけて。
【材料(1人分)】
バナナ…1/2本、ヨーグルト…100g、エゴマオイル、ココアパウダー…各適量
【作り方】
器にヨーグルトとエゴマオイルを入れて混ぜ、ぶつ切りにしたバナナをのせる。ココアパウダーをかけて混ぜながら食べる。
PROFILE プロフィール
河村玲子さん
管理栄養士、メンタル&フィジカルスーパーバイザー。トレーニングと栄養学、双方の観点からヘルスケアやボディメイク指導を行い、本誌のほか『Tarzan』『クロワッサン』などでも活躍。レシピ開発も手がける。
田村つぼみさん
料理家。栄養士の資格を生かし、心身にやさしい料理を書籍や女性誌で提案。自身が運営する東京・駒込の『fudangohancafe』では、ふだんの生活で不足しがちな野菜や豆、果物をふんだんに取り入れたメニューを提供。
anan2439号(2025年3月19日発売)より