レストランジャーナリスト・犬養裕美子さんによる『anan』連載の「今日、どこで何、食べる?」。今回は『L'ottocento(ロットチェント)』のシチリア料理を紹介してくれました。
業界っぽく言うと“「サローネ」グループ、初のアラカルト店を日本橋小網町に出店!”となるのだが、で、それって何がどうスゴイの? と思うでしょう。説明します。「サローネ」グループは、2007年にコースのみの高級店を横浜でスタートさせ、現在5店舗展開。洗練された料理、グラスワインとのペアリングなど、独自のスタイルを作り上げた。横浜の店は「食べログ」のイタリア料理部門2016年で全国1位!
そんな頂点を極めたグループが、初めて「オステリア」(食堂)に挑戦。しかも、日本橋小網町という東京イーストエリアも新鮮だ。実際に行ってみると、床、壁、ユニフォーム…。みんなデニムブルーで統一された粋な店内。料理はシチリア地方に絞っている。人気のたこジャガは、じゃがいもの溶け方とタコの柔らかさを理想の仕上がりにするために別々に一皿ずつパックをして用意。ちなみにそのパックの中にコルクを発見。イタリアではコルクを入れるとタコが柔らかくなるという言い伝えがあるけど。合理的な厨房で微笑ましいひと手間。
注目は『浅草開化楼』の不死鳥カラス氏と共同で開発した生パスタ。コシのある歯ごたえは讃岐うどんも太刀打ちできない。ここではランチも夜も生パスタ使用。まず、そこから行きますか。
いぬかい・ゆみこ レストランジャーナリスト。東京を中心に、国内外の食文化、レストラン事情をレポート。