衣装を諦めざるを得なかった『トカン』の真相。
ゆっきゅん(以下、ゆ):田中さんとは、とあるZINEの撮影でtanakadaisukeの洋服を着させてもらってからの縁。アトリエに伺ったから直接会えて。
田中大資(以下、田):そのあとゆっきゅんのライブに行かせてもらったんだよね。
ゆ:それからはMVの撮影で衣装を借りたりしています。
田:ゆっきゅんはリースの衣装以外にも、楽曲に合わせてオリジナルで衣装を作ってもいるよね。
ゆ:そうなんです。仲の良いコスチュームデザイナーのYUHEIさんにお願いしています。
田:この前、知り合いを交えて初めてお会いしました。
ゆ:なんか嬉しい、二人が会ってくれて。「DIVA ME」を出したあと「いつか衣装を作らせてください」と言ってくれて、「いつかとかじゃないな」と思ったからすぐにお願いして。その時「大体のお仕事はここまでやるとやりすぎみたいなのがあるけど、ゆっきゅんはないからヤバい、嬉しい」と言われました。YUHEI さんはすぐに現場でラインストーンとか足しちゃって、基本、デザイン画より派手になる(笑)。私の寸法を把握した上でいいものを仕上げてくれるので、もうほかに頼めなくて。
田:相思相愛だと思います。マッチしすぎてる。
ゆ:田中さんも個人向けに衣装を作られることがありますよね。去年の東京国際映画祭の橋本愛さんの衣装とか。
田:あそこはもう「うちらの場」って感じです。かましにいく場。ある程度好みも知っているので、彼女らしく表現できることを考え、ポジションや年齢なども考慮しながら毎年仕上げています。
ゆ:おまかせなんですか?
田:お題なしなんです。ただ、知ってる仲だとそれで大丈夫だけど、初見の方だと難しいですね。あと、メンズだと好みがわからない。
ゆ:それはそうですよね。
田:この前、SEVENTEENの「消費期限」の衣装を担当したんです。13名1人ずつイメージした衣装の絵を描いて持っていったんですけど、自分もやりすぎちゃうところがあるので加減が大変でした。
ゆ:私「プライベート・スーパースター」を出す時に、絶対に田中さんの服を着たいと思ってリースに行ったんです。でもその時、トカントカンってなってて。
田:トカントカン……?
ゆ:韓国に持っていくって。気になるアイテムは結構「渡韓」するから、諦めるしかなかった。今まで出合ったことない言葉すぎて衝撃的でした。恐るべし「渡韓」。
PROFILE プロフィール

田中大資
たなか・だいすけ 1992年、大阪府生まれ。2015年、大阪文化服装学院ファッション・クリエイター学科ニットコースを卒業。’21年に『tanakadaisuke』をスタート。緻密で繊細な刺繍をベースとした、幻想的な美しさが宿るコレクション展開を行う。
PROFILE プロフィール

ゆっきゅん
1995年、岡山県生まれ。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。セカンドフルアルバム『生まれ変わらないあなたを』とそのリミックスEP『生まれ変わらない私を!?』が配信中。インスタ、Xは@guility_kyun
anan 2430号(2025年1月15日発売)より