素敵な女性の先輩を招き、お話を伺う「乙女談義」。7月のゲストは、名曲『シルエット・ロマンス』などでおなじみ、シンガーの大橋純子さん。第1回目をお届けします。
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キャバレーから漏れ聞こえるラテン音楽にドキドキ…。

私は北海道の夕張市出身で、両親は食堂を、親戚も町内で飲食店を営んでいる、そんな環境で育ちました。小さい頃から音楽が大好き。食堂のラジオから流れる演歌や浪曲に始まり、叔父の喫茶店では叔母がかけるラテンのレコードを聴き…。そうそう、地方の商店街ならではの環境ですが、叔父の喫茶店の隣がキャバレーで、喫茶店の2階で寝ていると、壁越しにキャバレーでかかっている音楽が聞こえてくるんです。しかもメロディというよりは、ベースのリズムがブンブン響く(笑)。それを子守唄にして寝ていた記憶があります。ちなみにラテンの音楽って、メロディもリズムもちょっと怪しくて、大人の世界を覗いているようなドキドキ感があるんですよね。

そして高校生になった私は、ブラジルのラテンバンド、セルジオ・メンデス&ブラジル’66に運命の出合いをするわけですが、今思うと幼少時代の“壁越しのラテンリズム体験”が布石だったのかもしれません。

部室のドアを開けたら、バンドが待っていた?!

私が高校生のときは、いわゆるグループサウンズ絶頂期。学校にもいくつかバンドがあり文化祭で演奏をしたりもするんですが、当時は女の子がバンドをやるような時代ではなく、私は「どうして女のボーカルがいないんだ…」と、男子を羨ましく見ていたものです。

進学で札幌に出て、ぜひ音楽をやりたいと思ったものの、私の短大にはそういったサークルがなく、思い切って北海道大学を一人で訪ね、軽音楽サークルと書かれた扉をノックしたんです。中では大学生たちがバンド演奏をしていて、「見学? 音楽好きなの? 歌える?」といきなり勧誘されまして(笑)。バンドで歌う経験をしたのはそれが初めて。なんて楽しい、なんて気持ちいい! 結局その日、バンドに加入してしまいました。

あの日に部室で、マイクを使って歌を歌う醍醐味を初めて味わい、快感に夢中になり、そこから私はずっと、それこそ今日までやみつきです。ドアをノックして本当によかった。

おおはし・じゅんこ 1950年生まれ、北海道出身。『たそがれマイ・ラブ』や『シルエット・ロマンス』などのヒットを飛ばす。7/15、松崎しげるさんや渡辺真知子さんらと「江戸川音楽祭2022」に出演予定。

※『anan』2022年7月6日号より。

(by anan編集部)

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