ちょっとうさんくささ漂う(!?)この方の名は前野健太、シンガーソングライター。4年半ぶりのオリジナルアルバム『サクラ』は、大人の男の色香エキスたっぷりのロマンティックなアルバムだ。この夏、女子をメロメロにしそうな名曲が並ぶ。

心にたまったものを書かないと具合が悪くなるんです。

前野健太

「前作を出してから、かなり自堕落な生活をしていたところ、映画に出ることになったり、舞台をやらせていただいたり、音楽以外の活動が続いたんです。そしてふと、あれ、オレは歌の人だよね、そろそろ作らないとね、ってメラメラと歌作りに燃えてきました。やるからには誰も聴いたことのない“ニュー歌謡曲”を作ろうと思っていました」

アルバムは出していなくても、肌身離さず持っているノートには、心に浮かんだ言葉や、フレーズを書きためている。ノートをのぞかせてもらうと〈ふたりは臆病だったのかもしれない……〉など、グッとくる言葉がびっしりと。

「書き留めた言葉が歌詞になったり、小説になったり。心の中にたまったものを書かないと具合が悪くなるんです(笑)。歌詞とメロディができたら、今回は新しい試みというか、最新の音楽をやっているクリエイターの方に、プロデュースをお願いし、僕の声がどうサウンドに響いていくかを大事にしながら作っていきました」

1曲目の「山に囲まれても」はceroの荒内佑さんがプロデュース。センチメンタルで切ない心情を、前野さんに歌わせている。

「できあがってみて驚いたのは、プロデューサー陣が、歌詞の生まれた景色を見事にサウンドで表現していること。山でカエルを見たのはオレなのに、なんでオレよりこの風景を知ってんの! って、僕より深く歌詞を読み取るすごさに驚きました」

13の収録曲は昔から馴染んだ曲にも思えるし、初めて聴く音楽にも聞こえてくる。それに何といっても前野さんの声がいい。良すぎる!

「まぁ相変わらず酒を飲んでは失敗し、気づいたら昔の家の前で寝てた、なんてことをしでかしてますが、その後ろめたさとかだらしなさも、歌に味を出すんですよ(笑)。割と重要ですね、そう信じています」

前野健太

まえの・けんた 2007年、自己のレ-ベルより『ロマンスカー』でデビュー。一昨年みうらじゅん原作、安斎肇監督の『変態だ』に主演し、俳優としても注目の存在に。5/20のShibuya WWW Xを皮切りに5都市をツアー。

6th Album『サクラ』¥2,500 アルバムのキャッチコピーは“平成よ、ありがとう。愛があって、歌があった”。「嵐~星での暮らし~」など、平成最後の年を飾る新しい歌謡曲が13曲。(felicity)

※『anan』2018年5月16日号より。写真・内田紘倫(The VOIVE) 文・北條尚子

(by anan編集部)


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