
ミニアルバム『気づいたら始まっていた』をリリースした関取花さんにインタビュー。
今となっては本当に愛おしい、いい思い出です
ミニアルバム『気づいたら始まっていた』をリリースした関取花さん。昨年、自主レーベルを設立して独立し、今年3月に結婚を発表したりと、公私ともに環境の変化があった。それ以上に「自分のことを心から好きと言えるようになった」ことが音楽に大きな影響をもたらした。
「30歳を越えた頃から、同世代でバリバリ働いている友達を見ては『カッコいいな、それに比べて自分は何もできないな』ってずっと自信が持てなかったんです。でもメジャーレーベルと事務所から離れて独立して、できないことだらけのポンコツな自分に向き合ってみたら、わからないことは『わかりません、ごめんなさい』って素直に人に言える自分に気付けた。それに新しいことを学ぶ楽しさにも気付けて『私って結構いいやつじゃん』って、ようやく自分のことを好きになれたんです」
そんな今作は〈太陽よ あの子を照らしておくれ〉と、かつての自分を抱きしめるようなメッセージが温かい「わたしのねがい」や、生きていることを朗らかに肯定するポップナンバー「趣味です」など、気持ちが楽になれるような一枚。ファンに結婚報告する際にライブで披露した「ご報告」も聴きどころ。
「婚姻届に証人として両親にサインしてもらった日のことを歌った曲です。65歳を過ぎた父がペンを持つ手を震わせていて(笑)。更に『ここは実印だ!』って大きなハンコを出してきて、上下逆さまに、朱肉ベッチャベチャで押しちゃって。緊張しすぎて住所も書き間違えたりと大変でしたが、今となっては本当に愛おしい、いい思い出です」
かつては「自分のことを好きになるために音楽を始めた」という彼女だったけれど、今は「生きているだけで曲が書けるな」と実感している日々なのだとか。
「自分のことを好きだと思えたら、もう歌うことがなくなっちゃうのかな? と思っていたんですけど。そんな時に結婚という実験に踏みきったのも、何か変わるのかなという想いがあったから。実際に夫という他者と暮らしてみたら、発見ばかりで面白いです! 例えば『トイレットペーパーを替えてくれたのは嬉しいけれど、その芯が床に立てて置いてあるのはなぜなのか?』とか。『納豆の3個パックの外側のフィルムだけが冷蔵庫に残っているのはなぜなのか?』とか(笑)。そういう些細なイライラや驚きが、新しい曲作りのエネルギー源になって、私の新しい音楽が始まっています」
Profile
関取 花
せきとり・はな 1990年生まれ、神奈川県出身のシンガーソングライター。2019年にメジャーデビューし、赤裸々な歌詞と伸びやかな歌声で人気に。CMや映画への楽曲提供、ラジオやTV出演など幅広く活躍中。

ミニアルバム『気づいたら始まっていた』
西松屋TVCM曲「わたしの手のひらで」、映画『ライフセーバー!』主題歌「わたしのねがい」含む全7曲。 ¥2,200(NOKOTTA RECORDS)
anan 2514号(2026年10月7日発売)より
































