宇仁田ゆみさんのマンガ『パラパラデイズ』は、アニメの制作現場を描いた作品。
パラパラデイズ

自身の作品がアニメ化されたこともあり、その制作現場に興味を持つようになったという宇仁田ゆみさん。

「みなさんすごく強くて聡明な方々で、心惹かれるものがあったんです。この人たちが働く世界として物語を構築していくなら、自分にももしかしたら描けるかもと思いました」

『パラパラデイズ』の主人公は、10年少々キャリアがあり、作画監督を任された八嶋くん。いわゆるお仕事マンガは、新人が成長していく過程をメインにしたものが多いだけに、中堅の奮闘ぶりは、ある意味新鮮だ。

「会社などで働いていると、自分は新人のつもりでもあっという間に下の人が入ってきますよね。ある程度仕事を続けているとどんな職業でもすぐにそういう立場になるし、そこからが仕事の本番のような気がするので、いろんな方の心に届くように描けたらいいなと思って、中間管理職的な主人公にしました」

人に教えることが苦手だと思っている八嶋くんの言動や考え方に、思わず共感してしまう人も多いはず。

「目の前にある仕事を自分でやってしまうのが一番早いのはわかっているけど、職場と自分の未来のために少し回り道をしなきゃいけないこともありますよね。かといって本当に時間がなくて自分で『おりゃー!』とやっつけてしまわないと、絶対に終わらないときも。そういうせめぎ合いや選択も描いていきたいです」

パラパラデイズ

キツいイメージのあるアニメの現場だが、登場人物たちの姿を通して働くことの意味を考えさせられる。

「一日中好きなことと向き合って、収入や評価を得られる楽しさもありますが、好きなことによって心や体がむしばまれる可能性も。楽しさとつらさのバランスのとり方を、各キャラクターで匂わせられたらいいですね。アニメーターさんは基本的に作品ごとに職場や周りのメンバーが変わっていくので、その辺りも楽しみにしていただけたら嬉しいです」

『パラパラデイズ』 作画監督を任された八嶋くんの前に気になる絵を描く後輩が現れたり、尊敬する先輩が出戻ってきたり。夢を追うことの楽しさとつらさを丁寧に描いた奮闘記。小学館 552円(C)宇仁田ゆみ/小学館

うにた・ゆみ マンガ家。アニメ化もされた『うさぎドロップ』、大家族ストーリー『よっけ家族』、子育てエッセイ『ソダテコ』、眠りがテーマのコメディ『ねむりめ姫』などがある。

※『anan』2017年7月19日号より。写真・水野昭子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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