文・三谷真美
マスク着用時の化粧くずれの実態を調査!
花王株式会社メイクアップ研究所が、マスク無し、マスクありで過ごしたそれぞれの顔画像を解析し、化粧の崩れ方の程度や分布の違いを調べました。
マスク内の蒸れやこすれ、マスクからのぼる呼気などによる影響の分析結果をご紹介します。
マスク着用による化粧崩れの意識調査
2020年5月に「外出時にマスクをすると気になること」についてアンケートを実施。その結果、多くの女性が「暑くて汗をかく」、「肌がこすれたり蒸れたりする」、「マスクにメイクがつく」、「ファンデーションがくずれる」といった、化粧崩れに関連する現象を気にしていることがわかりました。
マスク着用時の化粧崩れの実態をAI技術で可視化
花王株式会社メイクアップ研究所が独自に開発した肌解析AI技術を用いて、マスク無しで過ごした顔と、マスクをして過ごした顔の画像を解析し、化粧の崩れ方の違いを可視化しました。
その結果、マスクを着用していると、マスクに覆われている鼻周りだけでなくマスクに覆われていない顔の上半分まで、広範囲に化粧崩れが起きていることがわかりました。これは、マスク内が蒸れたり、マスクでこすれたりすることに加え、マスクからもれ出た呼気が顔上部にのぼってくるためと考えられます。
つまり、マスク着用時には、化粧崩れをしっかりと防ぐメイクアップが必要であることがわかります。
<調査条件>
マスク非着用群:2018年4月~7月撮影、試験協力者12名、化粧塗布6時間後。
マスク着用群:2020年8月~2021年2月撮影、試験協力者17名、化粧塗布5~8時間後。
使用アイテムは、日やけ止め、化粧下地、ファンデーション(リキッド or パウダー)、フェースパウダー、化粧直しミストなど。協力者によって異なる。
使用アイテムの工夫による化粧もち効果
マスク着用による化粧崩れは、いろいろな方法で防ぐことが可能と仮定し、調査をしました。
その結果、「皮脂を抑えて化粧もちを良くする効果のある化粧下地を使う」、「化粧崩れを引き起こす皮脂を吸着するフェイスパウダーを塗る」は、AIによる解析でもマスク着用による化粧崩れを抑える効果があることを確認できます。
<調査条件>
化粧持続設計の下地:2021年3月に撮影。顔の片側にだけ化粧持続設計の下地を塗布し、全体にファンデーションを塗布。塗布しマスク着用6時間後に撮影。試験協力者3名。
フェイスパウダー:2020年8月に撮影。ファンデーションを塗布した後に、顔の片側だけフェイスパウダー塗布。塗布しマスク着用5時間後に撮影。試験協力者7名。
メイクアップアーティストによる「化粧崩れを防ぐテクニック」
花王株式会社 ビューティリサーチ&クリエーションセンター シニアメイクアップアーティストの山田由理香さんがおすすめする、化粧崩れを防ぐメイクテクをご紹介します。
ベースメイク
化粧崩れに強い化粧下地、ファンデーションまたはフェイスパウダーを使うと効果的です。化粧下地は、化粧崩れしやすい額や眉間、頬は特に丁寧にのばし、全体に広げます。小鼻やその周辺などの細かい部位は塗り残しがないよう、指の腹で押さえるように塗るといいでしょう。
下地の上にファンデーションやフェイスパウダーを重ねる場合は、上記の方法で下地を塗ったあと、余計な油分やベタつきをティッシュオフしてからつけると、より化粧もちがよくなります。
下地と同様、額や眉間、頬には丁寧にのばし、小鼻やその周辺などの細かい部分までしっかり塗ります。その後、額や眉間、頬を、スポンジやパフで押さえるようにすると、密着感が高まります。
フェイスパウダーは、皮脂や化粧品の過剰な油を吸収するので、ファンデーションの上に重ね使いをすると、より持続効果がアップします。また、サラサラに仕上がるので、マスクにファンデーションの色がつくのも防いでくれます。
アイメイク
眉を描く前に適量のフェイスパウダーをブラシかパフにとり、眉の根元に(地肌にのせるように)塗布しておくと、眉メイクが崩れにくくなります。
アイラインやマスカラは、ウォータープループタイプやフィルムタイプを使うと滲みにくくなります。最近では、カールしたまつ毛をクセづける機能があるマスカラもあるので、呼気でまつ毛が下がってしまうことが気になる場合は試してみてください。
化粧崩れ防止テクで、マスクメイクを快適にしましょう。
『花王』の「肌評価AI」による調査で、マスク着用時にはメイク崩れしやすいことがわかりました。マスクメイクの崩れが気になる人は、メイクのプロがおすすめする化粧崩れ防止テクを試してみましょう!
【参考】
花王独自の「肌評価AI」によりマスク着用時は顔全体で化粧くずれが起きやすくなることが明らかに‐PR TIMES
(C)peakSTOCK/Getty Images