文・椎原茜
紫外線を浴びたら保湿は必須! でもケア方法が間違っているかも!?
近頃は強い日差しの日が多いですね。日焼け止めやUV機能のあるコスメの使用は欠かせませんが、うっかり塗り忘れてしまったり、汗やこすれで取れてしまったりして紫外線をたっぷり浴びてしまうこともあるでしょう。肌に強いダメージを受けた気がして、あわててケアをしている人も多いのではないでしょうか。
でも、ケア方法を誤ってしまうと、より肌にダメージが加わってしまうことも。化粧水などの保湿剤を使った正しいケア方法を知っておきたいものです。
今回は、日本ゼトックの『へパトリート』という敏感肌でも毎日使える保湿剤(医薬部外品)の開発担当者である佐藤さんに、紫外線を浴びた後のスキンケアにおけるNG行動をうかがいました。
紫外線を浴びた後の「NGスキンケア5つ」
NG1. アルコール入りの化粧水を使う
佐藤さん 日差しを浴びた後は肌がほてるため、スッと冷たくなるアルコールが入った化粧水を使いたくなりますが、避けましょう。冷やすのはよいのですが、肌に刺激を与えるのが非常によくないのです。アルコールが入っていない肌にやさしい化粧水を使いましょう。どうしても冷やしたい場合は化粧水を少し冷蔵庫で冷やしてから使うとよいでしょう。
NG2. 念入りなパッティングをする
佐藤さん 水分を入れたいあまりに念入りなパッティングをしがちですが、肌にとってよくありません。紫外線を浴びた後の肌はとても敏感になっているので、通常であれば問題ない刺激も、敏感に反応してしまいます。
できるだけ刺激を与えないように、化粧水は手で直接、やさしくもむように浸透させましょう。もともと敏感肌のかたはコットンパッドですら刺激になることもありますので、できるだけ手でやさしく馴染ませます。乳液やクリーム、美容液も同様におこなうのをおすすめします。
NG3. 化粧水だけでスキンケアを終わらせる
佐藤さん 紫外線を浴びた後は、化粧水だけをつけて終わらせてしまいがち。けれど、それだけでは不十分なのです。乾燥を防ぎ保湿する目的で使う化粧水の後は、油分が入っている乳液やクリームなどでしっかり覆って保護してあげることが重要です。
ただし、あまりに肌がヒリヒリするなどの場合は、それ以上塗る必要はありません。肌の状態をよく見て判断しましょう。自信がない場合は皮膚科で診てもらうのが一番です。
NG4. クリームなどを少量、肌にのばして使う
佐藤さん のばすという行為も肌にとって負担になります。また少量だとクッション性が低くなり、摩擦が起きやすくなります。クリームはたっぷりの量を使って、手でやさしくのばし、肌への負担をできるだけ減らしましょう。
NG5. シートパックを使う(肌の状態や肌タイプによる)
佐藤さん 紫外線を浴びた後は、特別なケアをしようと考え、シートパックを使うかたもいるでしょう。ただ、シートの繊維が刺激になるかたもいますし、敏感肌だと長時間、成分を与え続けることが刺激になってしまうこともあります。シートパックで少しでも炎症を起こしたことがあるかたは使うのは控えましょう。
紫外線を多く浴びた日の正しいスキンケア
ーーもし紫外線を多く浴びてしまったと感じたらどうすればいいのでしょうか。正しいスキンケアを教えていただきましょう。
佐藤さん まずは肌を冷やして、炎症によるほてりをとってあげることが大事です。急激な刺激ではなく、水分を入れる前に保冷剤のようなものか、冷水で濡らして固く絞ったタオルを使ってやさしく冷やしてあげるといいですね。
その後に化粧水で保湿して、油分の入った乳液やクリームでしっかりと水分を閉じ込め、飛んでいかないようにしてあげることが重要です。化粧水の後に乳液を塗ると、化粧水が乳液に取り込まれて保湿力がアップすることもあります。
おすすめのスキンケアの順番
ーー化粧水や乳液、美容液はどんな順番で使用するのがよいのでしょうか?
佐藤さん 健康な肌状態であれば、自分にあった順番でよいと思います。一般的な順番としては「化粧水→乳液・クリーム」または「化粧水→美容液→乳液・クリーム」がよいとされています。
ーー紫外線を浴びてしまっても、あきらめずにしっかりとケアしておけば、肌へのダメージは最小限にとどめられそうです。NGなスキンケアは避けて、肌を大切にするケアを心がけましょう。
Information
<教えてくれた人>
佐藤(さとう)さん
日本ゼトック研究本部ディレクター。製薬会社や研究機関での医薬研究の経験を化粧品開発に活かしたいと入社。長年のヘパリン類似物質研究の成果として、ヘパトリートを開発。
<筆者情報>
椎原茜
ライター。記事を通して、読者の方々に役立つ情報を知ってもらい、ハッピーかつ快適な生活を送っていただきたいという思いで執筆中。
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