血行が悪いと冷えたり凝ったりするし、“血管年齢”にも気をつけたほうがいいんでしょ? …そんな認識はうっすらとあるものの、普段はつい忘れがちなのが血管や血液の存在。けれどこの2つは、いわば体のライフライン。私たちが思う以上に臓器や身体機能と密接に関係し、日々の体調を絶えずコントロールしているのです。
例えば肌の細胞ひとつひとつに栄養と酸素を届けて美肌を作るのはもちろん、老廃物や不要な脂肪を回収して、代謝システムを担うのも血液。血中の免疫細胞が必要なところでちゃんと働くためにも、スムーズな血流が欠かせません。
なかなか取れない疲れや重い生理痛、気になるくすみや目もとのしわ。そんな不調も、ひょっとすると血管の老化や血液の状態が悪いことが原因かもしれません! なんだかいつも体調がイマイチ、と思っているなら、この機会に血管&血液をとことん見直してみましょう。対策のポイントは血管の壁を丈夫にすること、血液の質をよくすること、滞りをなくすこと。いずれも日々のちょっとした工夫で始められることばかり。続けることで、全身のコンディションがぐっと上向いてくるはずです!
意外に知らない血管&血液の新常識を、循環器内科の杉岡充爾(じゅうじ)先生、総合内科医の赤澤純代(すみよ)先生に聞きました。
セルライトに、シミ、肥満。血流の悪さが多くの美容トラブルに。
「血流が滞ると老廃物が回収されず、それが肌に溜まってシミの原因に。また、体温が届かないために冷え、脂肪も付きやすくなってしまいます」と、赤澤先生。その状態が長く続くと、「炎症が起きて脂肪細胞のまわりに“ひきつれ”が起き、ぼこぼことしたセルライト状に。こうなるとマッサージでは解消できません」。取り返しがつかなくなる前に、早めの血流ケアを!
ストレスと砂糖の摂りすぎが、アラサー女子の血管を痛めつけている!
「若い世代の血管に悪影響を及ぼす最大の要因は、ストレス。心の緊張は血管の緊張に直結します。30代で心筋梗塞で倒れたケースも」。また、タンパク質と結合して血管に炎症を起こす砂糖の摂りすぎにも注意を、と杉岡先生。「仕事を頑張る女性が増えている一方で、ストレスが多い、甘いものをつい食べてしまう、という声も多数。心当たりのある人は要注意です」
実は30 代からじわりと血管は劣化中。ケアは早めに始めて損はなし。
ストレスや食生活の偏りで、血液や血管の状態が悪化している若い世代が増えているけれど、「不調があっても血管のせいだとは気付きにくく、スルーされがち。けれどこうした不調はじわじわと被害を広げ、やがて大きな病気に発展することもあります。血管トラブルは中高年だけのものと思わずに、体のサインに気付いたら早めのケアを」(杉岡先生)