あなたの頭痛のタイプは? 「たかが頭痛」と思っていると手遅れになるケースも!?

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2024.04.06
多くの人が抱える頭痛の悩み。でも、病院で診てもらったことのある人は意外と少ないのでは。片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛…自分がどのタイプで、どんな対処法が適しているのか知るため、頭痛外来の医師に頼ってみませんか? 編集部が受診を体験、レポートします。
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実は今、日本人の3人に1人が何らかの慢性頭痛に悩まされているという統計があり、国民病ともいえる頭痛。ただ、よほどの痛みでない限り「すぐに受診」とまでは至らないのが頭痛持ちの不思議なメンタル。痛み止めで何とかやり過ごしているという人も少なくないのでは?

その一人、ライターSが人生で初めて頭痛外来の診察を体験。同じく頭痛持ちで受診経験もある漫画家のまずりんさん、編集Kと一緒に、都内にある「東京頭痛クリニック」を取材に訪れた。頭痛治療のエキスパートである丹羽潔先生によると、一口に「頭痛」と言っても、わかっているだけで367種類あるのだそう。

「その中には、くも膜下出血や脳腫瘍など、放置しておくと極めて危険な病気の前兆や症状として現れるものもあります。『たかが頭痛』『若いから大丈夫』と思っていると手遅れになるケースもあるので注意してください」(丹羽先生)

あらゆる病気の可能性を検証するため、「東京頭痛クリニック」では初診時でも予約すれば脳のMRI検査を受けることができる。

「一般的な脳ドックとの違いは撮影方法。患者さんの状態に合わせ、頭痛の診断に特化した方法で撮影するので、小さな異変も見逃しません」 

初MRIに緊張するライターSだったが、ほぼ寝ているだけで検査終了。さらに問診と続く。

「367種類ある頭痛の90%以上を占めるのが、“3大頭痛”と呼ばれる片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛です。頭痛の治療は、自分の頭痛タイプと原因を正確に知ることが最初の一歩。そのうえで、薬の処方といった対応をしていきます。痛みの症状によっては、漢方薬を処方したり、保険診療外ですが片頭痛に効果が認められるボトックス治療を行うことも可能です」

ライターSは片頭痛と緊張型頭痛を併発しているとの診断。後者の原因の一つは、“首コリ”。

「レントゲン写真を見ると、首の骨がまっすぐになっています。ストレートネック、いわゆる“スマホ首”ですね。首まわりの筋肉が凝りやすく、血管が圧迫されて血流が滞ることで頭痛が起こりやすいんです。鎮痛薬を使って痛みを軽減することも可能ですが、姿勢に気を付けること、マッサージを習慣にすることも大切です」

片頭痛と緊張型頭痛では起きるメカニズムも対処法も大きく異なるため、「自分は今どちらの頭痛なのか」を見極めることも重要という。

「動くとラクになるのが緊張型頭痛、動くと痛いのが片頭痛の特徴の一つ。片頭痛は立っていられないほど激烈な痛みに吐き気を併発するパターンも多く、生活への支障度が高いのですが、引き起こす要因は光や音、寝不足やストレス、遺伝など多岐にわたります。何が引き金かを患者さんとの対話を通して突き止めていきます」

自分のタイプがわからない人は、まず下のチェックリストで自己診断してみよう。ただし、「自分は片頭痛持ち」と思っていたが実は群発頭痛だった編集Kのようなケースもある。痛みの強さや症状の現れ方は人それぞれなので、やはり医師の診断を受けるのが安心だ。

薬の処方だけでなく、日常生活での対処法などもアドバイス(頭痛をやわらげる食べ物もあるそう!)しながら、頭痛の頻度や持続時間を徐々に減らしていくことが頭痛治療の目指すところ。長く付き合っていく症状だからこそ、信頼できるドクター選びがとても大切! 「我慢できる」「市販薬でなんとかなる」と受診をためらわず、一度診断を受けてみてほしい。

緊張型頭痛 Check list

  • 薬を服用しないと頭全体が重く、圧迫されて憂鬱だ(2点)
  • 長いと1週間痛みが続くが、いつの間にか消えている(3点)
  • じっとしているより動いたほうがラクになる(3点)
  • お風呂に入ったりお酒を飲んだりするとラクになる(3点)
  • 痛くても仕事や家事はできる(2点)
  • 自分でも姿勢が悪いと思う(2点)
  • 運動はほとんどせず、休日もダラダラしている(1点)
  • パソコン仕事が大半である(1点)
  • 毎シーズン録画して見るドラマが2~3本ある(1点)
  • 頭痛以外に吐き気などの症状はない(2点)

当てはまる項目の合計点が5点以上の人は緊張型頭痛です。

片頭痛 Check list

  • 薬を服用しないと4時間~3日間痛みが続く(1点)
  • 家族に頭痛持ちがいる(2点)
  • 頭痛のときは静かにしていたい、寝込むほど痛い(3点)
  • 吐き気や嘔吐を伴うことがある(2点)
  • 頭痛の約1時間前に、視界にジグザグが現れて徐々に広がる(5点)
  • 頭を下にしていたり、階段の上り下り、歩くだけでも痛みが悪化する(4点)
  • コーヒーを飲むと少し落ち着く(1点)
  • アルコール(特に赤ワイン)を飲むと必ず痛くなる(2点)
  • 雨や台風がくるのが予測できる(2点)
  • おなかがすくと痛くなる(1点)

当てはまる項目の合計点が5点以上の人は片頭痛です。

※『日本初の頭痛専門クリニックが教える 最新[頭痛の直し方]大全』より引用

まずりんさん 漫画家、イラストレーター。『独身OLのすべて』(講談社)単行本全10巻が発売中。NHK『ダーウィンが来た!』内ミニアニメ『マヌ~ルのゆうべ』が放送中。かなりの片頭痛持ちで、過去に頭痛外来受診の経験あり。

ライターS 本誌ライター。10代の頃より月に1~2度の頭痛に悩まされるも、病院の受診経験はなし。常に痛み止めが手放せない。

丹羽 潔先生 東京頭痛クリニック 専門医のみによる日本初の頭痛専門外来として2015年に開院。東京都渋谷区千駄ヶ谷4‐23‐5‐1F TEL:03・3475・1120  http://www.tokyoheadache.jp/

※『anan』2024年4月10日号より。漫画・まずりん 取材、文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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