実は略語でした! 「バス」、もともとの名はなんでしょう?
【実は略語】vol. 13
「バス」って、なんの略?
多くの町で定期的に走っている「バス」。通勤や通学で毎日のように使っている人も多いと思います。
ふだん使いするバスのほかに、観光バスや高速バス、飛行機のファーストクラス並みの豪華な個室型バスなども登場し、バスもどんどん進化しています。
そんなおなじみの「バス」も、実は略語。さて、いったいなんの略でしょう?
バス、もともとは…?
バスは、「オムニバス」の略でした!
「オムニバス」とは、昔の乗合馬車のこと。「オムニ」はもともとラテン語で「万人の、すべての」を意味する接頭語です。
オムニバスは英語で書くとomnibusとなりますが、英語圏でも日本と同じようにbusと省略して使われています。
ちなみに、「オムニバス」という言葉から、映画や演劇作品をイメージする人もいると思います。
映画などで使う「オムニバス」は、いくつかの独立した短編を集めて、ひとつの作品にしたものを指します。もちろん、このオムニバスも乗合馬車が語源です。
最初はベンツのバスだった…!?
ここからは、バスの歴史をざっくりご紹介。
まだ馬車が使われていた時代、フランスやイギリスなどヨーロッパで定期輸送の乗合馬車の運行がはじまり、やがて馬ではなく蒸気自動車が使われるようになりました。
最初にガソリンエンジン付きのバスを作ったのは、カール・フリードリヒ・ベンツ。ご存じ高級ドイツ車メルセデスベンツの基礎を築いた人です。ベンツのバスは、1895年にドイツ中西部の都市で使われました。
日本初のバスは…
いっぽう、日本で最初にバスが運行したのは、1903(明治36)年9月20日。蒸気自動車を改造した車両が京都市内を走りました。当時の写真には、屋根も幌もない馬車風の小さな蒸気自動車に、7~8人の男性が乗っている様子が写っています。
日本バス協会は、この9月20日を「バスの日」に定めています。
バスは略語でした!
バスは「オムニバス」の略でした。乗合馬車からガソリン車に変わる歴史も少し見てみましたが、昔のような馬を使ったエコフレンドリーなバスも悪くなさそうです。
意外な略語はほかにもあります。次回もお楽しみに!
参考資料
・『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)
・『世界大百科事典』(平凡社)
・バスの歴史 – NBA 公益社団法人 日本バス協会 https://www.bus.or.jp/business/history/