実は略語でした! 「合コン」、もともとの名は何でしょう?

文:田代わこ — 2022.12.16
ふだん何気なく使っている言葉のなかに、実は略語がけっこうあります。これって略語だったの!? と驚く略語をご紹介。今回は、「合コン」です!

【実は略語】vol. 9

「合コン」って、何の略?

学生時代だけでなく、社会人になってからも参加する機会のある「合コン」。友だちと一緒に出かけたり、あるいは自分で企画したりするのが好きな人もいると思います。

昭和世代はもちろん、平成生まれの人たちにもなじみのある「合コン」も、実は略語。というか、見るからに略語ですが、ではいったい何の略でしょう?

合コン、もともとは…?

合コン、もともとは「合同コンパ」の略でした!

『広辞苑』(岩波書店)によると、合コンとは「付き合う相手を探すために、男女それぞれのグループが合同で開くコンパ」のこと。

似たような言葉で「街コン」がありますが、こちらは自治体や商店街が主導して行うもので、「街を盛り上げる合コン」の略。おもな目的は地域活性化で、若い人だけでなく地域の人たち同士の出会いの場にもなっています。

そもそもコンパって…?

では、コンパはどんな意味か、わかりますか? 

コンパはコンパニーの略。英語のcompany(意味:人の集まり、親交、仲間、会社など)からきたものです。

この「コンパ」という言葉はかなり昔から使われており、1915年に出版された『日本外来語辞典』にも「Kompa(コンパ)」という見出し語が記載。意味は、「学生同士でお金を出し合って茶菓などを会食すること」と載っていました。最初は、飲み会に限らずお茶するときにも使っていたようですね。

合コンの歴史は…?

さらに、合コンの歴史を調べていくと、「合ハイ」にたどり着きます。

合ハイとは、「合同ハイキング」の略。1950年代後半以降、おもに大学生の間で流行したイベントで、男女が出会いを求めて一緒にハイキングすることです。昭和時代の大学生、ちょっと爽やかな出会いでいいですね。

合ハイのあと、そのまま夜はコンパという流れになり、いつのまにかハイキングが省かれ、昭和後期あたりから「合コン」だけが残ったようです。

もはや「合ハイ」は死語になっていますが、団塊世代の人たちの昔話を聞いていると、割と出てくる言葉でもあります。

合コンは略語でした!

合コンは「合同コンパ」の略でした。コンパはcompany由来で、関連語の「合ハイ」も男女の出会いを求めるイベントだとわかりました。今のようにネットで手軽に出会えるのもいいですが、明るい太陽の下でハイキングしながら恋人探しをするのも楽しそうですね。

意外な略語はまだまだあります。次回もお楽しみに!

参考資料
『知恵蔵』(朝日新聞出版)
『日本国語大辞典』(小学館)
『日本外来語辞典』(三省堂)
武内 清『キャンパスライフの今』(玉川大学出版部)