「ハッシュタグ」と「シャープ」の記号、何が違う?
ハッシュタグとシャープの違いは?
ハッシュタグとは、ハッシュマーク「#」のあとに言葉やフレーズをつけた文字列のこと。英語ではhashtagと書きます。
英和辞典によると、hashの意味は「ハヤシ肉料理」。あのハッシュドビーフのことで、ほかに「(肉などを)細かく切り刻む」という意味もあります。
いっぽう、シャープは音楽の授業で習ったとおり、音を半音上げるときに使われるもので、記号の形は「♯」。ハッシュマークとよく似ていますが、シャープ記号のほうは横の二本線が少し右に上がっています。
ハッシュマークなのにシャープと呼ばれている!?
実は、ハッシュマークにはいくつか名前があります。
・ナンバーサイン
・番号記号
・井桁(いげた)
「井桁」などは、あまりなじみのない言葉ですよね。
例えば、電話機の右下についているボタン「#」もハッシュマークなのですが、自動音声案内などで「番号を入力後シャープを押してください」とアナウンスされることがあります。
本来はナンバーサインやハッシュマークなどと読むのが正しいはずなのですが、それでは伝わらない可能性があるため、便宜上「シャープ」と呼ばれているようです。
ハッシュマーク「#」の由来は…
日本ではハッシュマークをシャープと呼ぶときもあるので混乱しますが、英語圏でも電話機についている「#」にはhash、またはsquare(正方形)という呼び名があり、さらに調べるとnumber sign(番号記号)やpound sign(ポンド記号)など、さまざまな名前がありました。
ブリタニカ国際大百科事典によると、記号「#」の由来はラテン語の「libra pondo(リブラポンド)」。「libra」とは古代ローマの重量単位で、「libra pondo」はやがて「lb」と略して書かれるようになり、その筆記体が「#」に変化していったそうです(諸説あります)。
その後、1960年代にアメリカで押しボタン式電話機が開発されたとき、ハッシュマーク「#」が「*(アスタリスク)」とともに導入され、さらに2007年、Twitter(現X)ユーザーがツイートをグループ化する方法として「#」を入れることを提案しました。
「ハッシュタグ」と「シャープ」の違いは横線!
記号「#」と「♯」の違いは、横線の角度にありました。日本だけでなく、英語圏でも「#」にはさまざまな呼び名があることもわかりました。
ちなみに、パソコンやスマホで「ナンバーサイン」や「井桁」と入力すると、きちんと「#」が出てきます。お試しください。
参考資料
・『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
・『デジタル大辞泉』(小学館)
・https://www.britannica.com/topic/number-sign