場所取りはどうすべき? 【お花見マナー】桜を楽しむための必須ルール

文・能美黎子 — 2024.3.23 — Page 1/2
春といえば「お花見」。桜のシーズンとなり、週末に桜を見に行かれる方も多いかと思います。桜を見ながら飲むお酒は格別な美味しさを感じますよね。しかし、気分良くお酒を飲みすぎて酔っ払ってしまい、粗相をしてしまった…という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。せっかくのお花見を楽しむためにも、最低限のマナーを守ることが大切です。そこで今回は、お花見マナーについて、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが説明します。

お花見マナー

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【元社長秘書のマナー講座】vol. 29


各地で桜の開花が始まり、桜便りが届くと同時にお花見シーズンの到来です。満開の桜は、四季折々の自然が見られる日本の春の風物詩であり、お花見に出かける予定があるというかた、職場でお花見会の予定があるというかたも多いのではないでしょうか。お花見にまつわるマナーについてニュースでよく目にすることも多いかと思います。大人数で桜の下に集まり他愛のない話をするのは、この時期にしか味わうことのできない楽しみですが、公共の場であり節度あるマナーが大切です。

今回は、お花見を存分に楽しむためにも知っておきたい、最低限の守るべきマナーとおすすめの楽しみ方についてご紹介します。みなさんにとって素敵なお花見時間となるよう、ぜひチェックしてみてくださいね。


お花見をする際の守るべきマナー5つ

1. 主役は「桜」 

お花見の主役は花であり、桜の樹であるということを忘れてはいけません。実は「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という言葉があるほど、桜はとてもデリケートな樹なんです。小さな傷口ひとつで樹全体が枯れてしまう可能性もあるため、枝を折ったり花を傷つけることは絶対にNGです。また、樹に登ったり、周辺の土を荒らすのもやめましょう。

2. 場所取りはスマートに譲り合いの心で 

お花見を楽しむためには、誰だって少しでもいい場所を確保したくなりますよね。しかし、必要以上に広いスペースを占拠したり、他の人の場所を横取りすることがないようスマートな譲り合いの心がとても大切です。また、場所取りの際にロープやテープを枝に引っ掛けたり、根に直接座るなど桜の木を傷つける行為も絶対にNGです。必ず開催場所のルールを確認してから場所取りをするようにしましょう。

3. 敷物への配慮 

桜の樹は、浅いところに太い根が這うため、そこを踏んでしまうと根を傷めてしまう可能性があります。シートを敷いてお花見をする場合には、木の根から少し離れた場所を選び、人数に対して必要なスペースだけを確保するようにしましょう。シートではなく「花ござ」を使えば、風情を楽しめるだけでなく通気性も良く桜の樹にも優しく、環境への配慮ができますよ。

4. 節度を守った行動を 

騒音問題を引き起こす原因の一つが「お酒」です。気分良くお酒を飲みすぎて酔っ払ってしまい、大騒ぎをしているお花見客の団体を見かけることがありますよね。楽しくなり浮かれて騒ぎたくなってしまう気持ちもわかりますが、周辺に住んでいるかたや他のお花見客の迷惑になってしまうような大騒ぎや、節度を失った行動は慎むべきです。お酒は嗜む程度に、常に周囲への気配りを忘れない気持ちをもちましょう。

5. 自分のゴミは持ち帰ろう 

自分たちが出したゴミは自分たちで持ち帰るのが基本マナーです。桜の樹の下辺りにゴミが散乱している光景を見ることがありますが、持参したゴミは自己責任として、基本的には持ち帰るようにしましょう。ただし、お花見会場によってはゴミの持ち帰りを非推奨としている場合もありますので、事前にお花見会場のルールを確認しましょう。


お花見の宴会をする際の押さえておきたいポイント

1. 防寒対策をしっかりする 

春とはいえ、お花見の季節は陽気が定まらず気候も不安定。その頃の冷え込む寒さを花冷えといいます。じっと座っていると寒さを感じてしまうため、羽織るものやブランケットなど、寒さ対策のグッズを用意しておくと安心です。

2. 場所取りするおすすめの場所 

トイレに近い場所が便利だと思うかもしれませんが、遠すぎず近すぎずの場所がおすすめです。衛生面や雰囲気、利便性から総合的に考えた場所を取りましょう。

3. 夜までの宴会の場合は照明の下に 

昼から夜にかけて宴会をする場合には、外灯や照明の下を選びましょう。また、後から合流するかたのことも考えて、近くに目印となるものがあると良いでしょう。


おわりに

久しぶりにお花見で宴会をするというかたもいらっしゃるかと思います。もう一度マナーや楽しみ方のポイントをおさらいし、大人のマナーあるお花見で素敵な時間を過ごしてみてくださいね。お花見に出かける際には、最低限のルールとマナーを意識して楽しむようにしましょう。


<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。


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