不動産会社の女性経営者が教える! 間取り図の表記でわかる「選んではいけないNG物件」

文・市岡彩香 — 2024.1.27 — Page 1/2
初めてのひとり暮らしは、わからないことが多くて不安ですよね。今回は、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに、間取り図にある「㎡」や「帖」など、広さに関して知っておくべき"間取り図の見方"について教えてもらいました。プロのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください。

不動産会社の女性経営者が教える! 今さら聞けない「賃貸物件の”間取り図の見方”」基本のき

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.41

――初めてひとり暮らしをするかたにとっては「㎡」や「帖」などの表記が分からない方もいると思います。まずは「㎡」とはどの部分をさしているのか教えてください!

平出さん 物件情報に記載されている全体の広さのことを「㎡」と表示しています。「㎡」の広さは、部屋の住民のみが利用する”専有面積”を表示しているため、部屋の中の面積を指していることが一般的です。専有面積ではないバルコニー、玄関前の共用廊下部分、ロフト、床下収納、メーターボックス、配管収納は「㎡」の広さには含まれません。

――「帖」についても教えてください!

平出さん 物件を探す際は、部屋の間取り図を見ることになりますよね。部屋ごとの広さについては「帖」という単位で記載されています。1帖は1.62㎡なので、目安としては、”6帖の部屋は約10㎡”と思っておけばイメージしやすいです。ちなみに「1帖」と「1畳」は同じ意味で使われており、明確な定義はありません。

――何㎡以下だと、ひとり暮らしはしづらいなどありますか?

平出さん 一人ひとり、生活スタイルや荷物の量が異なるため一概には言えませんが、女性のひとり暮らしの場合は20㎡以上を希望される方が多いです。ですが、先ほどお話ししたようにロフトやバルコニーは専有面積にカウントされないため、20㎡以下でも快適に暮らせる物件はあります。専有面積の大きさは家賃に直結するため、自分の生活スタイルにあった物件を選ぶことを大切にしてください。

――「1K」「1R」などの間取り表記についてもお伺いします。ひとり暮らしの場合はどちらの間取りがおすすめですか?

平出さん 料理を頻繁にする人のひとり暮らしの場合は、キッチンの匂いなども考えると「1K」がオススメです。料理を全くしないというのであれば「1R」を選ぶのもいいと思います。1Rは、廊下などの居室以外のスペースを最小限に抑えることができる間取りなので、専有面積のわりに部屋全体が広く見えるメリットもありますよ。

【1R】キッチン部分と居室が仕切られておらず、玄関から居室までが一体になっている間取りです。
【1K】玄関やキッチンと居室スペースがドアで仕切られている間取りです。キッチンが同じ空間にある1Rに対して、1Kは居室が独立しています。

――部屋の広さに関して「選ばない方がいいNGな間取りの特徴」を教えてください!

NG1. 「収納が少ない間取り」

平出さん 収納が少ないと収納用の家具を買う必要があり、居住スペースに収納家具を置くことになってしまい部屋が狭く感じてしまいます。そのため物が極端に少ないという人以外は、収納が少ない間取りはできれば選ばない方がいいです。

NG2. 「部屋のカタチがいびつな間取り」

平出さん 部屋のカタチは、長方形や正方形の間取りの方が、家具が配置しやすく、効率よく部屋を使うことができます。部屋のカタチがいびつですとデッドスペースが生まれやすく、専有面積の割に狭く感じてしまうこともあるので要注意。

NG3. 「柱や梁がある間取り」

平出さん これもデッドスペースが生まれてしまうため、専有面積の割に部屋が狭く感じてしまいます。ベッドなど、今使っている家具を引越し先でも使う場合には、その家具が入るかどうかを実際に確認することも大事。入るだろうと思っていざ引っ越しをしてみたら、柱にぶつかってしまい入らなかった…、というケースも。

――そのほかに「間取り図」を見るときに、注意すべきことや気をつけることはありますか?

平出さん 「㎡」だけを見て、広いかどうかを判断するのはやめておいた方がいいです。㎡が広いと思っても、物件によっては狭く感じてしまうこともあります。また、”1R6帖”と”1K6帖”ですと部屋の広さが異なるので気をつけてください。

――平出さんなら、ひとり暮らしをするなら「何㎡」の間取りを選びたいですか?

平出さん  私は㎡にカウントされないロフトがある物件を選ぶことで、居住空間の割に家賃が安い物件を選びたいです。見えるところにあまり家具や荷物を置かず、部屋をスッキリ見せたいので、部屋が多少狭くても収納スペースの多い部屋を選択します。広ければいいというわけでもなく、広すぎても落ち着かなかったり、電気代や掃除の手間などのコストがかかったりもします。”自分には必要なかった…”と住んだ後に、前よりも狭いお部屋へ引っ越した人もいました。自分の生活には何が必要なのか、必要ではないかをじっくり考えて、コスパのいい物件を見つけてもらえたら嬉しいです。


楽しいひとり暮らしを始めるために知っておこう

いかがでしたか。初めての物件探しは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している方は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。


東京女性不動産HP


文・市岡彩香
anan web、anan Beauty+を中心に活動するフリーライター。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。週7で自炊をするグルメ女子。


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