不動産会社の女性経営者が教える! マンション設備でわかる「選んではいけないNG物件」

文・市岡彩香 — 2023.12.30 — Page 1/2
初めてのひとり暮らし、部屋選びはわからないことばかりですよね。今回は、働く女性がひとり暮らしを始めるときに知っておくべき「共用設備」について、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、ぜひ物件選びのヒントにしてください!

不動産会社の女性経営者が教える! 今さら聞けない「賃貸物件」基本のき ~共用設備編~

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.38
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――まずは初めてひとり暮らしをする人に向けて、”共用設備”について教えてください。

平出さん 共用設備とは、マンションの住人全員が共同で使用できる設備のことです。マンション内のスペースは共用設備と専有設備に分けられており、契約した部屋など契約者だけが自由に使うことのできるスペースのことは専有設備と呼ばれています。

――共用設備には、どのような設備があるのでしょうか?

平出さん 一般的には、マンションのロビー、駐車場、駐輪場、宅配ボックス、ゴミ置き場、エレベーターなどが共用設備です。バルコニーは専有設備と思われがちですが、火災時などの非常時に避難通路として使用されるため、バルコニーも共用設備となります。

大規模なマンションやタワーマンションの場合には、敷地内に公園やコンビニがあったり、フィットネスルーム、プール、ゲストルーム、シアタールーム、キッズルームがあるなど共用設備が充実しているため住むメリットは大きいです。コンシェルジュ付きのマンションでは、来客対応や荷物の発送手続きなどを代行してもらえるサービスもありますし、物件によっては駐車場があるだけでなくレンタカーや電動自転車シェアサービスが備わっている物件も。ですが、一般的なひとり暮らし用の物件には、非常に珍しい設備だと思ってもらっていいと思います。

――どんな共用設備があるかを知りたいとき、どのようにすればいいでしょうか?

平出さん スーモやアットホームなどの物件検索ポータルサイトでは、必要だと思う共用設備の項目を選択して検索することができるため便利です。ただ、サイト上ではすべての情報が載っていなかったり、共用設備の詳細がわからないこともあるため、そういった場合は不動産会社に問い合わせることでスムーズに知ることができます。

――初めての女性のひとり暮らし、選ばない方がいい共用設備の物件はありますか?

平出さん 女性のひとり暮らしの場合、

・オートロックではない物件
・宅配ボックスがついていない物件
・モニター付きインターホンがついていない物件

不審者の侵入や対面を防ぐためにもセキュリティ面で安心するためにも、オートロック、宅配ボックス、モニター付きインターホンがない物件はできれば選ばない方がいいです。防犯カメラやセンサーライトも不審者に対して抑止力になるため、共用設備としてあると防犯面でプラスになります。また、捨てたゴミから個人情報を盗まれることもあるため、マンション内にゴミ置き場があるとなおいいです。働いているかたは部屋にいる時間が少ないですから、ゴミを決まった日時に出せないことがあると不便。そのため24時間ゴミが捨てられるタイプの物件を選ぶことで快適に過ごせます。

――共用設備にこだわると、家賃が上がってしまうものなのでしょうか?

平出さん 共用設備が充実している物件は人気のため、充実していればしているほどマンションの家賃は上がります。また、共用設備が充実しているということは、設置費用や維持費、管理コストや人件費もかかるため、家賃だけでなく管理費と共益費も必然的に上がるものだと覚えておいてください。

――お客様のなかで「この共用設備があってよかった!」など、具体的な実例はありますか?

平出さん カーシェアリングや電動自転車シェアサービスがマンション内についていて便利だったと、お客様から何度か聞いたことがあります。特に都心は限られたスペースに建物が建っているため、駐車場や駐輪場のないマンションも多いですからね。他にも「コインランドリーがマンション内にあり、ガス乾燥機もありすぐ乾いて便利だった」という声も。自分の洗濯機に乾燥機がついていなくても、マンション内にコインランドリーがあれば洗濯物が乾かなくて困ったときなど不便なく過ごせます。

また、特殊な事例かもしれませんが、私が以前住んでいたシェアハウスには共用設備としてカラオケルームがついていました。防音室になっていたため、趣味の楽器演奏をしたり、オンライン会議なども周りを気にせずできてよかったです。シェアハウスであれば通常のマンションに比べて価格も抑えられるため「リーズナブルに充実した共用設備を使いたい!」という方はシェアハウスを1つの選択肢に入れてみてもいいと思います。


賢くひとり暮らしをするために知識を貯めておこう

いかがでしたか。初めての物件探しは慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、自分に必要な共用設備は何なのか、必要ないものは何なのか、今回のポイントを参考にして検討してみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。


東京女性不動産HP


文・市岡彩香
anan web、anan Beauty+を中心に活動するフリーライター。KALDIやシャトレーゼなどに詳しく、週7で自炊をするグルメ女子。これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。フード、取材記事をメインに執筆中。


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