不動産会社の女性経営者が教える! 冬は要注意「予想外に暖房費がかかる間取り&NG特徴」

文・市岡彩香 — 2023.12.2 — Page 1/2
寒くなってきた今の時期、物件を探している人にとって“冬の住環境”はとくに気になるところですよね。今回は、女性がひとり暮らしを始めるうえで知っておくべき「冷えやすい間取り&NG特徴」について、女性に特化した不動産会社を経営する 平出雅美さんに教えてもらいました。

不動産会社の女性経営者が教える! 冬は要注意「予想外に暖房費がかかる間取り&NG特徴」

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【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.34
※主に東京都内、近郊のワンルーム程度の賃貸物件が対象です。

――冬に物件探しをする際、気をつけたほうがいいことはありますか?

平出さん 冬は日が落ちるのが早いので、できるだけ夕方より前の時間帯に内見に行ったほうがいいです。物件によっては、内見時に照明器具がないために電気がつかなかったり、そもそも電気が通っていないケースがあるため「部屋が暗くてよくわからなかった」と後悔される方も。せっかく内見に行ったとしても、住んだ後のイメージが湧きづらかったり、見落としてしまう箇所があったらもったいないですよね。できるだけ明るい時間帯に内見するほうが、日当たりや周囲環境の雰囲気もわかります。

――冬に”冷えやすい物件”はあるのでしょうか? 選ばないほうがいい「冷えやすい間取りや物件、NG特徴」について教えてください!

NG1. 「ドアや窓にわずかな隙間がある物件」

平出さん ドアや窓にわずかな隙間があると、冷気が入ってしまい部屋が冷えやすくなります。とくに多いのは、築年数の経った木造住宅。玄関やガラス1枚の窓に隙間ができてしまって、冷気が入ってしまうことがあるんです。キッチンやトイレによくある、ハンドルをくるくる回すとガラスが動いて隙間が空き換気できる、ルーバー窓も注意! 隙間ができやすいため部屋を冷やす原因になります。また、日当たりが悪い物件ですと、気温が上がりづらく部屋が冷えやすい原因になってしまうことも。

NG2. 「玄関から部屋まで仕切りのないワンルームタイプの間取り」

平出さん 玄関と部屋に仕切りがない間取りですと、玄関の冷気が直接部屋に入ってしまい、暖房をつけて部屋を暖かくしても暖かい空気がすぐに外へ逃げてしまいます。玄関はとくに冷えた空気が集まりやすいため、ワンルームよりも部屋の入り口にドアのある1Kタイプのほうが暖まります。また、窓が二重サッシや複層ガラスになっていても、玄関は断熱性能の低いドアということはよくありますので要注意です。

NG3. 「エアコンの位置によって死角ができて暖まらない間取り」

平出さん 部屋のカタチとエアコンの位置によって死角ができてしまい、部屋の一部分が暖まらないことがあります。ロフトの下にエアコンがあるためにロフトが暖まらなかったり、ロフトやメゾネットタイプで天井が高い間取りは、暖かい空気が上に逃げてしまい部屋全体に暖房が効きづらいケースも。そのため内見時には、エアコンの位置と空気の通り道をあらかじめ確認しておくようにしてください。

――冷えやすい物件に住んでしまった場合、どんな対策をすべきですか?

平出さん 冷気は窓やドアから入ってくるため、まずはそこから対策をしましょう。

・窓やドアの隙間にすきまテープを貼る
・窓ガラスに断熱シートを貼る
・厚手のカーテンを選ぶ

こうした対策をすることで、部屋の暖かい空気を保つ効果が期待できます。窓だけでなく、保温効果を高めるためにはカーペットの下に断熱シートやコルクのマットを敷くのも効果的です。また、湿度が上がると体感温度も上がるので、加湿器や濡れたタオルを干しておくのもオススメ。毛布は2枚掛けるよりも、1枚は下に敷いて1枚は掛けるほうが暖かいですよ。

――冬でも日当たりのいい方角はありますか?

平出さん やはり南向きは1年を通して日当たりがいいため、冬も暖かいです。2面採光や窓が広い部屋を選んだり、部屋のなかに鏡を置くことでも光を多く取り込むことができます。西向きは午後に太陽が当たり暖かいですが、夏は強い西日が入り暑さを感じやすいです。また朝は暗いため、冬の朝方は寒くなります。冬に物件探しをした場合、夏のことはなかなか想像できないもの。冬でも暖かく日当たりがいいということは、夏は暑く空気がこもりやすいのだと頭に入れておいてください。


快適に暮らすために、賢い物件探しを

いかがでしたか。12月になり、これからさらに寒くなる時期。女性のひとり暮らしは、慎重に丁寧に。引っ越しを検討している人は、今回のポイントをぜひ参考にしてみてください。


教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 平出雅美さん

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宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい! 電子書籍「宅建の教科書」がKindleにて好評発売中。


東京女性不動産HP


文・市岡彩香
ananを中心に活動するwebライター。カルディ、シャトレーゼなどに詳しく、週7で自炊をするグルメ女子。また、これまでに取材した人数はタレントや経営者を含め500名以上。取材ライターとしても活動中。


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