貯金を使い果たし、借金まみれ… プライドが高い女友だちが迎えた「衝撃の結末」【後編】
仕事を辞めたと聞いて
「涼子と絶縁関係になり1年ほどが経った頃。共通の知り合いからSNSを通じて涼子の近況を聞き、そこで彼女が仕事を辞めたことを知りました。
涼子は大手化粧品会社に勤めていて、それが彼女にとっては自慢だったんです。それなのに辞めてしまうなんて、よっぽどのことがあったのではないかと思いました。
涼子ことが心配になった私は、詳しく話を聞くために、まずはその友人に会ってみることにしたんです」
貯金を使い果たし、借金まみれに…
「友人から聞いた話では、涼子には彼氏ができており、この彼が仕事を辞めた理由ではないかとのことでした。
彼は投資で生計を立てている人で、涼子にもその話を持ちかけたらしいんです。涼子も最初は趣味程度に始めたようなんですが、どんどんハマっていって、ついに貯金が底をついてしまったそう。
すると、職場の同僚からもお金を借りるようになって、それが上司の耳にも入り、注意を受けたらしいんですね。
ただ涼子は謝るのが苦手なので、そこで謝ることができず、職場の人間関係が崩れ、居場所がなくなり、退社に至ったとのことでした。
話を聞いて、ますます心配になった私は、久しぶりに涼子と連絡を取り、食事をすることにしたんです」
電話で謝罪する姿を見て
「当日は私の彼氏の上西くんにも来てもらい、三人で食事をしました。
涼子は、少しやつれたような顔をしていましたね。口調は以前のように強かったのですが、覇気がないようにも感じました。
そして“大丈夫なの?”と尋ねると、“平気だよ”と言うのですが、どこか強がっているような、虚勢を張っている雰囲気がありましたね。
すると、途中で涼子に電話が掛かってきたんです。おそらく彼氏からだったのでしょう。涼子は立ちあがり、少し離れたところで話をしていたんですが、“ごめんなさい”という言葉が聞こえました。
涼子の口から謝罪の言葉が出るのは珍しいので驚いたのですが、それよりも少し怯えた口調だったことが気になりましたね。そんな涼子を見て、精神的にかなり落ちている状態だと思った私は、“私がなんとかしてあげなきゃ”と思ったんです」
彼が「美弘から離れちゃだめだよ」と…
「それから週に1回ぐらい、三人で食事をするようになったんですね。
そこで、私は涼子に彼氏と別れるようにすすめました。しかし、“彼のことを何も知らないのに、よくそんなこと言えるね”と言い返されてしまって…。
私が何も言えなくなったところで、口を開いたのは上西くんでした。
“彼のことは知らないけど、美弘は涼子ちゃんのことはよく知っているよ。涼子ちゃんのためにも、美弘の言うことにはもう少し耳を傾けてあげて欲しいな”と、涼子に言ってくれたんです。
すると、涼子も納得したようで、そこから二人で少し話をして、最後に上西くんが言いました。“涼子ちゃんは美弘から離れちゃだめだよ”と。
そのとき、涼子も私も言葉が出なくなりました。そして、それはお互いに“相手をもう少し思いやろう”と感じた瞬間だったと思います。
しばらくして、涼子は彼氏と別れ、再就職先も見つけて働き始めました。
以前のような強気な態度も戻りましたが、私の話を前よりも聞いてくれるようになり、関係も随分よくなりましたね」
“友人とのトラブルを抱えた女性の告白”をご紹介しました。
「雨降って地固まる」とはこのことなのかもしれません。困っているときに救いの手を差し伸べてくれた友人とは、きっとこれからも良い関係を続けていけることでしょう。
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