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【12星座連載小説~双子座1話~】若きの女子アナの野望#4

文・脇田尚揮 — 2017.1.26
12人の女性たちの生き方を、12星座になぞらえて紹介していくショートクロスストーリー『12星座 女たちの人生』。 キャリア、恋愛、不倫、育児……。男性とはまた異なる、色とりどりの生活の中で彼女たちは自己実現を果たしていく。 この物語を読み進めていく中で、自身の星座に与えられた“宿命”のようなものを感じられるのではないでしょうか。

【12星座 女たちの人生】第4話 ~双子座-1~

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せっかく掴んだチャンスを、最大限に活かす――――

私は江崎友梨。新人アナウンサー。
幼い頃から憧れていた女子アナの世界だけど、私もついにスタートラインに立ったのよね。

コネクション、根回し……私はいつだって他の人よりも要領がよく、優秀で、器用だと言われてきたわ。でもその裏で人一倍努力してきたのを、人は知らない。

この業界で必ず成功して、誰もが羨む幸せを手に入れるの。そのためなら、どんなことだってやるわ。

たとえ“色恋”を使ってでも……。

私は今、制作会社に来ている。普段あまり来ることはないのだけれど今日は特別。ちょっとした挨拶回りみたいなものね。私はまだニュース番組を任されるほど立派な立場じゃないから、少しでも顔を売っておかなくちゃ。

普通の人が面倒だと避けがちなこういう些細なことを疎かにしないのが私のやり方。どこにチャンスがあるか分からないもの。

メイクもナチュラル、服装も髪型も清楚でバッチリね。なんとしても好印象を残さなくちゃ。身だしなみの最終チェックを終え、今回私が担当する番組の制作スタッフルームに向かった。

ドアを開け中に入ると、みんな自分の仕事に集中しており、私には目もくれない。まぁ当然か。制作現場はいつも大変だもの。

「私はアナウンサーで良かった……」

心底そう思う。


周りを見渡し、一番偉そうな中年男性に声をかける。

『はじめまして。御社で制作頂いている番組『木曜日の快談』でお世話になります江崎友梨と申します。どうぞよろしくお願い致します。』

そう言って、私は銀座のアマンジュールで買ってきた焼き菓子を差し出した。ふふ、このお菓子なら間違いないわ。

「あー、どうもね。」

彼はチラリとこちらを見て、面倒くさそうに菓子受け取りまたデスクに向かう。
おいおい。すかさず私は名刺を差し出す。

『今後ともよろしくお願い致します』

満面の笑みをつくってみせる。

「あい、よろしく」

そんだけ? わざわざ女子アナが挨拶に出向いてやったってのに! なんだか拍子抜け。

大学時代からこうやって気さくに挨拶をし、教授たちに気に入られてきたわ。ゼミでも私だけ特別扱い。どこに行ってもチヤホヤされていた。それなのに今は……。ふん、知性のない人ってイヤね。

私はその場の空気に耐えられず、スタッフルームを後にした。

その途中、騒々しい二人が私のほうに向かってきた。……確かあの人は木田さん、だったかしら。
独身でなかなか優秀なディレクターだと聞いたことがあるわ。それと、隣にいる女は……誰だろう。いかにもテレビウーマンって感じだけど、ADかしら? まぁいいわ、私は女子アナ。堂々としていればいいんだから。

柔らかな微笑をたたえ、ほんの少しだけ会釈した。ADらしき女と一瞬だけ目が合った気がした。いずれ私はニュース番組を担当するようになる。そしたらきっと向こうから声をかけてくるようになるわね。

そんなことを考えながら、私は制作会社を後にした。

次回、“第5話 「「完璧な男」との不倫に溺れ始める」”は1月27日(金)配信予定。


【これまでのお話♡】
【牡羊座1話】チャンスを手にした「女ディレクター」
【牡羊座2話】今、明かされる私のキャリアの原点
【牡羊座3話】私を惑わせる…年下ダメ彼氏

【今回の主役】
江崎友梨 双子座25歳 アナウンサー
23歳の時にアナウンサーとしてTV局に入社。有名大学出身だが1年浪人している。ハイソサエティな世界に憧れを抱いており、自分を磨く努力も怠らない。現在、同じアナウンサーでもあり、上司である新垣義久と不倫関係にある。当初は踏み台にしようと考えていたが、だんだんと彼に惹かれキャリアと恋の間で、悩み揺れる。

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