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カードが暗示「彼女は復縁できるのか?」|12星座連載小説#17~魚座2話~

文・脇田尚揮 — 2017.2.14
12人の女性たちの生き方を、12星座になぞらえて紹介していくショートクロスストーリー『12星座 女たちの人生』。 キャリア、恋愛、不倫、育児……。男性とはまた異なる、色とりどりの生活の中で彼女たちは自己実現を果たしていく。 この物語を読み進めていく中で、自身の星座に与えられた“宿命”のようなものを感じられるのではないでしょうか。

【12星座 女たちの人生】第17話 ~魚座-2~

前回までのお話はコチラ


展開されたタロットカードを読み解いていく。

彼の気持ちは―――“節制”の逆位置か。けっこう参ってるわね、彼。今後の二人は、ん! “女帝”の正位置。悪くないわ。彼女次第か。そして、対策は……“正義”の正位置。バランスか。分かったわ。

『あのね、彼は今周囲の環境に変化があって、仕事や人間関係で手一杯みたい。自分で自分をコントロールできていないみたいなの。そして、彼と復縁したいなら、あなたが女として強くならなくちゃダメ。いつまでもメソメソして、彼の反応を伺っていたら“重たい女”と思われて、プレッシャーになるだけ。自分自身の時間を充実させて、彼と対等に付き合っていける精神状態になれば、彼の方から連絡がくるはずよ』

「……良かった、……グスッ」

辛いよね。よく分かるわ。

『大丈夫。彼は今、大変な時期なのよ。あなたがしっかりと自分を持っていれば、大丈夫。そして、彼の悩みを聞いてあげて。そしたら、状況は好転するはずよ』

「ううっ……グスッ、先生ありがとうございます」

笑顔になって……。見ると、時間のタイマーがもうすぐ終わりを告げようとしている。そろそろまとめに入らないと。

『安心して。あなた次第で未来はどんなふうにでも変わっていくから』

そう言って、並べられたタロットを一つにまとめる。私なりの終わりのサインだ。

「有難うございました。また、何かあったらよろしくお願いします」

そう言って、彼女は席を立った。

……もうこんな時間。私も急いで帰らないと。

身支度を終え、藤本さんに挨拶し、帰路につく。

家族はいたって普通で、パパ、そして息子と娘が一人ずつ。
パパであるてっちゃんは真面目で優しい公務員。上の男の子は小学3年生、下の女の子は幼稚園の年長さんだ。

この仕事をすると言った時に、パパはビックリしていたわね。でも、子供たちが「ママ、魔法使いみたいでカッコイイ~」と言ってくれたっけ。家族みんなの協力のおかげで、ママは“占い師”やれてます!

『ただいまぁ~』

帰宅すると、長輝がバタバタ走ってきた。

「おかえり! おかえり!」

抱きついてくる。今日は学校でいいことあったみたいね。リビングに行くと、てっちゃんパパと夢叶がテレビを観ながらくつろいでいた。

「おつかれさん、今日は帰り遅かったね。ご飯はやっといたよ」

んもう! パパはなんてデキる“スーパーダーリン”なの!

『ごめんね、ラストにお客様が1人入っちゃって……ご飯、ありがとうね。夢ちゃんはお利口さんにしてたかな?』

「うん、パパと買い物して、おかし買ってもらった~」

満面の笑みだ。いろいろと悩みを聞く立場の私だけど、こんな幸せな家庭があることに心から感謝する。家族みんなの理解のお陰で、占いの仕事ができるのだから。

少し遅めの夕食をとり、家族としばし団らん。

『長輝くんは、今日何か学校で良いことあった?』

「うん、体育の時間にドッヂボールで勝ったんだよ! いつもは負けてたチームに」

『そう、良かったね』

そうして少しずつ夜が更けていく。

私はお風呂に入って、朝ごはんの支度を簡単に済ませ、子供たちを寝かしつける。私も子供の横で添い寝だ。そしてその向こうにはてっちゃんが。

「花ちゃん。仕事の方はどう?」

『てっちゃんのお陰で、うまくいってるよ。いつもごめんね』

「お金のことなら、僕が働いてるから心配しないでね」

『うん、私もそんなに稼ごうというつもりはないから、大丈夫。……そう言えば、もうすぐ夢叶もスイミングに通わせないとね』

「うんそうだね……」

『おやすみ、てっちゃん……』

平和な一日が終わる。

……と、そうだ! 1週間前に来てくれた、銀座の若いママさんに、明日ケアメッセージを送ってあげなくちゃ。
あの人、なんだろう。表情には出さないけど、すごく重たくて深い悩みを抱えている気がする……。占いの結果も、環境に“悪魔”のカードが正位置で出てたし……心配ね。放っておけない人……。

そう思いながら微睡みの中に落ちていった。


ジリリリリリリリリ!!

『うぅ~ん』

朝の始まりの合図。けたたましく鳴る目覚ましを止める。

主婦しなきゃ! 我が家の朝は、とにかくバタバタなのだ。
家族の朝ご飯の支度に、長輝のお弁当作り。パパを見送ったあとは、ぐずる夢叶を幼稚園バスに乗せなきゃいけない。

世間のママたちも、ほぼ毎日こんな感じなのだろう。本当すごいわ。

しばし、自分が占い師であることを忘れる。そう、私は和辻家の“ママ”なのだ。

「いただきま~す!」

今朝は、カリカリベーコンエッグにきつね色の食パン、トマトサラダ。パパはコーヒー、長輝は牛乳。夢叶はトマト抜きっ、と。子どもたちと食事をしながらパパを見送る。

「ママ、行ってくるね」

『いってらっしゃ~い! 今日は早めに帰るね』

愛してるわ、てっちゃん。

『長輝くん、お弁当持った?』

「うん、行ってきます! 今日は図工でママの似顔絵描いてくるね~」

なんて愛しい我が子。手を振って見送る。

そして、いつもこの時間になるとぐずり出す、うちのプチ・モンスター。

『夢ちゃん、今日幼稚園頑張ったら、ママがゼリー買ってあげる!』

「やだ、ゆめか行きたくない~」

そんないつもと同じやり取りをしながら、時間ギリギリにバスまで連れて行く。
長輝は毎日楽しそうに通っていたのに……誰に似たんだか。苦笑しながら夢叶にバイバイする。帰ってくると上機嫌なんだけどなぁ……。

『ふ~っ!』

家に戻り一息。朝のお勤めおしまいっ! ここからは家事をこなしつつ、『フレイア華』の時間となる。

気になるお客様のケアをするの。あまりお客様と仲良くなりすぎると面倒くさいと聞いてはいるけど、私は自分が鑑定した人たちには、みんな本気で幸せになってもらいたいと考えている。

『そう、確か……須藤さんだったわね』

気になる彼女に、ケアのメッセージを送る。

……届いてね、私の祈り。

今日は12時から16時まで『フォーチュン・ハウス』で鑑定だ。


次回、“第18話 「「私、結婚できますか?」ある看護師の悩み」”は2月15日(水)配信予定。

【これまでのお話一覧はコチラ♡】

【今回の主役】
和辻花子(フレイア華) 魚座33歳 占い師
既婚者であり、夫に和辻哲夫、子供に和辻長輝(9歳)と和辻夢叶(5歳)がいる。家庭と仕事の兼ね合いで悩みつつも、占い師としてそこそこの人気を得ている。しかし、あるお客の鑑定をきっかけに、占いの限界を感じて心理カウンセラーの資格を取ろうと考える。

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