chelmico・Mamiko「一番デカいダンゴムシをその子にあげてた」 初恋の思い出

2023.12.25
chelmicoによる連載「chelmicoのちいさなにっき」。Vol.13はMamikoによる「初恋のお話の巻。〈前編〉」です。
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やぁ! 恋の話をしてるって聞いてやってきたけど、ここかい? chelmicoの交換日記が、第二章に入ったようだね。恋バナって本当いくつになっても、あがってくる話題だよね。レイチェルの恋スタイルが、おまじないで実らせるタイプだったのめっちゃいいね。ピュアだし、バレちゃうのもかわいい。レイチェルってめっちゃ占い好きだなーって思ってたけど、筋金入りだったんだね。一応聞いておくけど、今の旦那さんは消しゴムに名前を書いて実らせたわけではないよね???

ここ最近の私はレイチェルに「恋がしたいんだけど、どうしたらいいかな?」と相談するくらい何も甘い話がないんだけど、過去の話を思い出して頬を赤らめようと思うよ。私の初恋はね、なんと年長さんなのよ。おませよねえ。6年しか生きてないってのに。恋は突然だよね。私は泣き虫で人見知りだったから登園拒否をしがちだったんだけど、そんな臆病な私にも優しく話しかけてくれた男の子がいてさ。すごいかっこよくみえて好きになっちゃったわけ。「私と仲良くしてくれるの!?」的な。朧げな記憶の中では、その子がいるから徐々に通うことができたと思うんだよね。それからというもの、“泥だんごをどれだけピカピカにするか”とか、“雑草を石ですりつぶして新しいお茶を作る”とか、外遊びをエンジョイできるくらい幼稚園に馴染んでいきつつ、密かにその子をハートの目で追ってたんだよね。でもいまいちアピールの仕方が分からなくてさ。リトルマミコは一生懸命考えた末、私が飼ってる一番デカいダンゴムシをその子にあげてた。これって、あまりよくないよね。私のことを気にしてほしかったんだと思うんだけど、気になり方が変わってきちゃうし、今考えると、絵を描いたりとか鬼ごっこで、遊びに誘えばよかったと思うよ。かわいいね。

でもね、ずっと一途に想ってて、バレンタインの時に勇気を出してお菓子をあげたのよ。母親に用意してもらって、ドキドキしながら渡してさ。そしたらその想いは伝わったみたいで、お返しに赤いハートの髪ゴムとカラフルなビーズの髪ゴムをくれたの。もう嬉しくて嬉しくて。毎日交互にその髪ゴムをつけて登園して、ニッコニコで一緒に庭の土を掘ってたよ。めでたく初恋は成就ってわけ! ダンゴムシもお菓子で帳消しにできたみたいで本当によかったよ。だけど人見知りという性格からきてるのか、当時は写真を撮られることがすごく嫌で、その子と一緒に写ってる写真は、ほぼしかめっ面なんだよね、ハハ。うそでも笑っときゃあよかったよ。それからというもの、卒園してからは一切会うこともなく、小中高とそれぞれ過ごし、なんやかんやで私はラッパーになるわけなんだけども……。この話、まだまだ続きがあるんですわ。それはまた次回のお楽しみに!!

チェルミコ 左・Rachel(レイチェル) 1993年生まれ、神奈川県出身。右・Mamiko(マミコ) 1996年生まれ、東京都出身。2014年に

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を結成。ドラマ『恋愛のすゝめ』のオープニングテーマ・デジタルシングル「Question」が発売中。

※『anan』2023年12月27日号より。写真・幸喜ひかり ヘア&メイク・ナリタミサト

(by anan編集部)