上半身のもたつき、バストの下垂…本気で解決したいなら“リブトレ”にトライ!

2023.12.8
上半身のもたつきやバストまわりの悩みを本気で解決したいときに取り組みたいのが、肋骨=リブにアプローチする通称“リブトレ”。2週間毎日続ければ、アンダーバストすっきり&バストアップ効果も。今日から肋骨にアプローチ!

2週間の肋骨トレで上半身全体を整える。

「リブ」とは「肋骨」のこと。実は上半身のシルエットのカギを握っているのがこの肋骨、と言うのはトレーナーの森拓郎さん。

「肋骨を中心に上に頭、下に骨盤、横に肩と腕があります。しかも肋骨は息を吸えば広がり、吐けば閉じる、アコーディオンのように動かすことができる部位。つまり、上半身のスタイルを整えるには肋骨の柔軟性を養ってしっかり動かすことがポイントです」

長時間のデスクワークで肋骨が固まってしまうと、反り腰や猫背の原因に。反り腰はバストトップより肋骨が前にせり出すのでアンダーバストが広がり、猫背は背中が丸まることでバストが下垂。見た目だけでなく、不良姿勢は肩こりや腰痛などの不調の原因にも。

「今回は前半をストレッチ、後半はトレーニング中心の2週間の肋骨トレ=リブトレで上半身全体を整えていきます。1週間で呼吸が深くなり、2週間でバストアップなどの効果が期待できます」

【TARGET】

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・肋骨(ろっこつ)
鎖骨下からへそあたりまで広範囲にわたっている肋骨。胸の高さにある12個の背骨に左右一対で連なっている。鳥カゴのような構造で骨の間は筋肉が繋いでいる。

POINT

  1. 肋骨をしっかり動かすことで姿勢が改善。
  2. 1週間続けると呼吸が深くなり、肩こり・腰痛が楽に。
  3. 2週間後にはウエストが引き締まり、バストアップ。

まずはセルフチェック。

まずは頭、肋骨、骨盤の3つの“だんご”で姿勢をチェック。次に両手を真上に伸ばして“美リブ”なのかをチェック!

CHECK1【姿勢】

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正しい姿勢は頭、肋骨、骨盤の3つの“だんご”が地面に対してまっすぐ串に刺さっている状態。前から見ても上半身が引き上がって、ウエストのくびれがある。

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骨盤が前に出て、肋骨が後ろにズレている猫背姿勢。デコルテの部分に骨が浮かんでバストが下垂しやすくなる。くびれもほとんど見られない。

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骨盤が前に傾いているため、一番下の“だんご”が後ろにズレている。肋骨が前に飛び出すのでアンダーバストが広がり、くびれがなくなる。

CHECK2【リブ】

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今度は自分の肋骨の状態をチェック。部屋の角に立って柱にお尻の割れ目、頭と背中をつける。両手でバンザイして手がまっすぐ上がったら、“美リブ”の証拠。

NG

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腰と柱の空間が広く、手が頭より後ろに行く場合は反り腰、肩が前に出て両手がまっすぐ上がらない場合は猫背。どちらもリブが硬いということ。

リブトレ呼吸

息を大きく吸って大きく吐き、呼吸と肋骨を連動させる。
呼吸をしているとき、肋骨は無意識に動いている。ただし、日常生活の呼吸は横隔膜が上下するだけの小さな呼吸。一方、運動をするときは肋骨の間の筋肉などが使われて、より大きく肋骨が動く、いわば“リブトレ呼吸”。

「リブトレ呼吸では息を吸ったときに肋骨の上部が上に、下部が横に膨らみ、吐くときに肋骨が閉じます。肋骨の柔軟性が高まれば、この動きが自然にできるようになります」

リブトレの前にまずは呼吸で肋骨を動かし、ウォーミングアップを。

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1、息をめいっぱい吸う。
左右の手をバストの下のわき腹部分にある肋骨の上に置く。鼻から思い切り息を吸い込み、限界まで吸い続ける。このとき肋骨が横に膨らむはず。

2、息をすべて吐き出す。
手の位置はそのまま今度は口から息を限界まで吐き続ける。膨らんでいた肋骨が元に戻ったら最後は腹筋の力を使って残りの空気を絞り出す。

リブトレ 前半1週間

デスクワークで固まった肋骨まわりをほぐす。
リブトレ前半は、肋骨の間やその周辺にある筋肉をほぐす、ストレッチメインの5種目を毎日行う。おすすめのタイミングは朝。その日一日の始まりに姿勢を整えると効果がよりアップ。

壁押しストレッチ

長時間のパソコンやスマホ操作で前かがみの姿勢がクセになると胸の前側の肋骨まわりの筋肉が縮み、呼吸も浅くなりがち。壁を使ったストレッチで胸の前を伸ばし、深い呼吸を。

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1、壁に手をつき、逆の手で鎖骨を押さえる。
両足を揃え、壁と平行に立ち、片手を壁につける。小指だけ壁についていればOK。ひじが肩と同じ高さになるように。逆の手を壁側の鎖骨の上に置く。

2、肩を後ろに引き、胸を前に出して胸の筋肉を伸ばす。
足の位置はそのまま、上半身を壁と逆側に捻り、肩を後ろに引く。同時に鎖骨の上に置いた手で皮膚を引っ張りながら胸を前につき出す。30秒キープ(反対側も同様に)。

背中スライド

わきと背中の筋肉が固まっていると肋骨の動きが制限されて脂肪が溜まり、ブラの上にハミ肉が。わきから背中にかけてしっかりストレッチをし、肋骨をダイナミックに動かそう。

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1、よつばいの姿勢で片腕を斜め前方に伸ばす。
床によつばいになり、片手をカラダの斜め前方に伸ばして床につける。手の小指側が床につけばOK。反対側の手は最初の位置のままで。

2、上半身を外側にスライドさせてキープ。
床についたひざと手の位置はそのまま、上半身を外側にスライドさせる。伸ばしたほうの腕の下に頭を潜り込ませるようなつもりで姿勢を30秒キープ(反対側も同様に)。

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頭が腕の上に乗ると、わきが伸びない。

背中丸めストレッチ

肋骨の柔軟性を高め肋骨の下側をすぼめれば、自然にくびれが作れる。背中を丸め左右の肩甲骨を離すことで肋骨の下部が引き締まり、アンダーバストからお腹のラインがすっきり。

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1、床に座って片手で反対側の足をつかむ。
床に座って片方のひざを曲げ、逆の手でひざを曲げたほうの足をつかむ。このとき手は逆手にしてクロスさせるように外側からつかむこと。

2、足を上げて前に押し出し、背中を丸めて引っ張り合う。
ひざを曲げたまま足を上げ背中を丸める。上げた足は前に押し出し、丸めた背中と引っ張り合うようにして背中をストレッチ。左右の肩甲骨が離れるのを感じよう。30秒キープ(反対側も同様に)。

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肩が上がると左右の肩甲骨が離れない。

横向き肩まわし

リブチェックで手が上がらなかった人は、肋骨まわりだけでなく肩の筋肉も縮こまっていることが原因。デコルテのたるみも起こりやすいので、肩まわしでリセットを。

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1、床に横向きに寝て骨盤をしっかり立てる。
床に横向きに寝て、骨盤が床に対して垂直になるよう立てる。上側の脚を前に出してひざを曲げ、床につける。両腕は肩の高さで重ねて前に伸ばす。

2、手のひらで床をこすりながら手を頭の上まですべらせる。
上側の手のひらで床をこするようにして頭上まですべらせる。骨盤位置はそのまま、ひざが床から浮かないように。2秒キープし床をこすりながら元の姿勢に。2秒キープ×10回(反対側も同様に)。

あご引きエクササイズ

前半のプログラムの最後の種目は、ストレッチではなくエクササイズ。きれいな首のS字カーブが手に入れば上半身のシルエット作りにも役立つ。首のたるみの改善にも。

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1、背すじを伸ばして立ち、前方を見る。
後頭部から首の後ろにかけての凹んだ曲線が首のS字カーブ。この曲線を意識して背すじを伸ばして立ち、視線をまっすぐ前に向ける。肩に力を入れないこと。

2、あごを手前に引いてあえて二重あごにする。
背すじを伸ばし、視線をまっすぐ前に向けたまま、あごをできるだけ手前に引く。どんなに痩せていてもほぼ全員二重あごになるはず。

3、首の後ろを縮めながら視線を真上に向ける。
首の後ろの筋肉を縮めて首の前側を伸ばすつもりで顔と視線を真上に向ける。あごを引いて二重あごに戻したら、元の姿勢に。10回繰り返す。

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カラダごと後ろに倒したり、顔をしっかり真上に向けないと首の前側が伸びない。

森 拓郎さん 運動指導者、フィットネストレーナー、ピラティス指導者、整体師、美容矯正師。主宰するスタジオ「rinato」でボディメイクやダイエットを指導。的確かつきめ細かい指導でモデルや俳優などから厚い信頼を得る。

トップス¥10,450 レギンス¥13,200(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256)

※『anan』2023年12月13日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ イラスト・中川原 透 モデル・中嶋杏里沙 取材、文・石飛カノ

(by anan編集部)