肩こり、倦怠感、冷え…“プチ不調”を改善! プロ直伝の「肩甲骨ほぐし」

2023.10.29
誰もが一つは抱えるプチ不調…。その改善の鍵を握るのは肩甲骨。ガッチガチな肩甲骨をほぐすと、体の動きはスムーズになり、血流も改善して全身スッキリ! “ほぐし”テクをマスターしよう。

自分ではケアしにくい、肩甲骨にアプローチ。

肩こりや倦怠感に冷えなど、多くの人が悩む不調改善には、肩甲骨に注目するのが最も効果的だと鍼灸マッサージ師の石垣英俊さん。

「肩甲骨は背中側の肋骨上に乗っかるようにあり、上下、左右、回転と自由に動きます。ただ、常に四方から筋肉に引っ張られて不安定になりやすく、筋肉が固まると影響を受けやすい骨なのです」

悪い姿勢や緊張などの影響で肩甲骨まわりの筋肉が固まると、血液やリンパ液の流れも悪化し、様々な不調を招く。そこで考案したのが“肩甲骨ほぐし”。自分ではアプローチしにくい肩甲骨を、手ぬぐいで包んだボールで刺激する。

「肩甲骨をツボでほぐすのは、東洋医学的な観点に、筋肉や骨格に関わる解剖学的な観点を融合させたメソッドです。これだけでも十分効果を感じられますが、肩甲骨をほぐしてからさらに異なるケアを加えると、不調改善効果が上がります。気になる不調に合わせて取り入れてみてください」

◎使うのはコレ!

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手ぬぐいを横長に広げ、真ん中にテニスボールを置き、手ぬぐいの上下を折りたたむ。ボールをしっかり包み込むように手ぬぐいを結べば完成。

ほぐす場所

ツボを目印にボールを当て、自分がイタ気持ちよく感じるポイントを探そう。強すぎる刺激は禁物。加減しながら行う。

肩甲骨の内側「膏肓(こうこう)」

肩甲骨のまん中あたりの高さで、骨の外側のキワ。胸の前で腕を組み、肩甲骨を広げるようにすると見つけやすい。胃腸をはじめ様々な不調に効果を発揮する万能なツボ。

肩甲骨のまん中「天宗(てんそう)」

肩甲骨のほぼ中央、やや上寄り。強く押すと腕にかけてズーンと響くような刺激がある場所。背中全体の筋肉をゆるめてくれ、姿勢改善に特に効果的なツボ。

基本の“肩甲骨ほぐし”

肩こりやダルさ、背中の張り、胃腸不良などの解消に、マルチな効果を期待できる2種類のメソッド。続けて行っても、所要時間はわずか1~2分。不調を悪化させないためにも、1日最低1回は行いたい。

肩甲骨の内側ほぐし(左右のツボを上下に各5回刺激する)

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1、壁とかかとの間を10~50cmほど空けて立つ。最初は壁に背中からお尻と両手をつけ、両手で体を支えながら自分にちょうどいい距離を見つけよう。右手で手ぬぐいの両端を持ち、ボールを左肩甲骨の膏肓に当て、自重をボールにかける。左手は壁につけて。

2、ボールに自重をかけたまま、ゆっくり呼吸をしながら、軽く膝を曲げ伸ばし。膏肓周辺の上下約4cmあたりを上下に刺激してほぐす。上下繰り返し5回。手ぬぐいを左手に持ち替えて右の肩甲骨も同様に。刺激が強すぎる場合は壁とかかとの距離を近くし、ほぐれてきたら壁から離れるなど、刺激の強さは調節して。

肩甲骨のまん中ほぐし(左右のツボを左右に各5回刺激する)

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1、壁から10cmほど離れた位置で壁を右にして横向きに立つ。右足は壁に平行に、左足のかかとを壁に垂直に向ける。左手で手ぬぐいの両端を持ち、右側の肩甲骨の天宗にボールを当てる。右手で左肘を抱えるようにし、ツボを刺激しやすいよう肩甲骨を開く。

2、天宗にボールをはめるイメージで自重をかける。右膝を少し曲げたり伸ばしたりして、ツボ周辺を左右に5回刺激してほぐす。体の向きを変え、手ぬぐいを右手に持ち替えて左側の肩甲骨も同様に。張りを強く感じる方は刺激する回数を増やすといい。

石垣英俊さん 鍼灸マッサージ師、「神楽坂ホリスティック・クーラ」代表。プロの手技を再現するセルフケアアイテムの開発にも注力。『呼吸と自律神経が整う 最強デコルテほぐし』(大和書房)、『鍼灸マッサージ師が本気で考えた ツボ押し手裏剣BOOK』(宝島社)など著書多数。

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※『anan』2023年11月1日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・中嶋杏里沙 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)