自分から誘う女性は30%弱? セックスに関するアンケート結果を識者が分析

2023.8.17
25~39歳の働く女性300人、男性100人を対象に、「パートナーとはどのような話をする?」や「セックスについて互いに同意していると、どう判断しますか?」など、セックスに関するアンケートを実施。その結果について、2人の識者が分析します。

関係を深めることが目的ゆえ“相手のしたいこと”も思いやる。

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ここではセックスについて、パートナーと言葉などでの具体的なやり取りがあるか否かをリサーチ。

「セックスに誘われて嬉しい男性は半数以上いるものの、自分から誘う女性は30%弱。女性にはもしかしたら昔ながらの貞操観念がまだ残っているのかも。一方、誘われて『嬉しい』と答えた男性は、女性がしたいタイミングに断らず応えられるのか。その真偽の検証は必要かも(笑)」(石巻専修大学准教授・高橋幸さん)

セックスに関して「パートナーとどのような話をするか」については、僅差ではあるが女性は「相手がしたいこと」、男性は「自分がしたいこと」が最多に。

「“男性中心的なセックス”と読み解くこともでき、その場合は批判すべきですが、もう少し俯瞰で捉えると、パートナーと長期的にいいセックスをしたいなら、相手のしたいことを聞くのは至極真っ当。もちろん自分のしたいことも話せたほうがいいので、お互いにしたいこと、してほしいことを言えるのがベスト」(高橋さん)

「男性の1位と2位が僅差であることを考えても、自分のしたいことだけ言う男は今やメインではない気がします。性の冒険に貪欲な男も少数派でしょう」(漫画家・山田玲司さん)

Q、パートナーとはどのような話をする?(複数回答)

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【女性】
相手がしたいこと、してほしいこと…34人、自分がしたいこと、してほしいこと…33人、したい、という意思表示…30人、やめてほしいと思っていること…20人

【男性】
相手がしたいこと、してほしいこと…10人、自分がしたいこと、してほしいこと…13人、したい、という意思表示…4人、やめてほしいと思っていること…1人

「自分のしたいこと」と「相手にしてほしいこと」が、男女では逆転しているが、その差はわずか。「お互いの願望をフランクに話せるようになれば、セックスはより良くなるはず。男の許容量が広がることがカギ」(山田さん)

Q、女性に聞きました。自分からセックスに誘うことがありますか?

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よくある…7%、時々ある…22%、ほとんどない…31%、全くない…40%

自分から誘うことがある女性は、30%弱と少数。「女性はもちろん男性にも言えることですが、これはどちらがリスクを取るかという問題。女性は断られて傷つきたくないという気持ちが、より強く働くのかも」(山田さん)

【女性からの誘い方】

  • 目線を合わせる。(香川県/35歳)
  • しようって言う。(千葉県/25歳)
  • エッチしたい時LINEで決めたスタンプを送る。(愛知県/30歳)
  • ボディタッチを増やす。それとなく伝える。(長野県/31歳)
  • スキンシップを自分からする。(神奈川県/27歳)
  • 後ろから抱きついて、体を密着させる。(東京都/30歳)
  • お酒を飲んで甘えてみる。(東京都/30歳)

Q、男性に聞きました。相手からセックスに誘われることをどう思う?

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嬉しい…53%、なんとも思わない…13%、どちらでもいい…15%、驚く、引いてしまう、その他…19%

「嬉しい」男性が約半数に。「相手の好意を実感できる。それは嬉しいと思いますよ」(山田さん)。「’90年代に男性誌で流行った『女性から誘われるのは嬉しいこと』という言説が刷り込まれている可能性も」(高橋さん)

Q、セックスについて互いに同意していると、どう判断しますか?

【女性】
なんとなく雰囲気で…62%、言葉を交わして…30%、同意なしにされている、同意なしにしている…8%

【男性】
なんとなく雰囲気で…53%、言葉を交わして…44%、同意なしにされている、同意なしにしている…3%

近年、注目されている「性的同意」。男女とも「なんとなく雰囲気で」が最多に。「文化として浸透するまでには、時間がかかるのかも。でもこれが定着すれば、断る時の気持ちの負担も減ると思います」(高橋さん)

Q、女性に聞きました。セックスや性について友達やパートナーと話すことに抵抗はありますか?(複数回答)

心を許した人なら話せる…110人、全く話したくない…65人、女同士なら話せる…62人、パートナーとは話せる…60人、あまり話したくない…46人、誰とでも抵抗なく話せる…21人、お酒に酔った時は話せる…20人、知らない人なら話せる…12人、パートナーとは話せない…10人、異性になら話せる…7人

「パートナーとは話せる」人が60人で、逆にパートナーはもとより、そもそも話したくない人が多くいる。「他者との性知識の共有がないと、セックスが怖いものに思えてしまうので、誰かと話せるといいのですが…」(高橋さん)

高橋 幸さん 石巻専修大学准教授。専門はジェンダー理論、社会学理論。著書に『フェミニズムはもういらない、と彼女は言うけれど』(晃洋書房)、共著に『離れていても家族』(亜紀書房)がある。

山田玲司さん 漫画家。代表作に『Bバージン』(小学館)など。また、さまざまなカルチャーについて語るYouTube 番組『山田玲司のヤングサンデー』を配信。幅広い年齢層の恋愛相談にも答えている。

※アンケートは2023年7月、インターネット上にて日本全国の25~39歳の働く女性300人、男性100人を対象に行いました。

※『anan』2023年8月16日‐23日合併号より。写真・田村昌裕(FREAKS) スタイリスト・白男川清美 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・小湊よつ葉 保志健斗 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)