フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『caillou(カイユ)』のアラカルト料理です。
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ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション、アサヒナガストロノーム、フランスの国際料理コンクールでの優勝経験。そんな輝かしき経歴の料理人が満を持して店を開く。ならばどれだけハードルが高くとも異論を唱える者はいないだろう。しかし、シェフの安達晃一さんは、開かれた店の在り方を選んだ。西小山『caillou』の食体験はどこまでも自由だ。店に着くなり「メニュー選びはこちらで」と促され、キッチン前のオープンショーケースに案内される。パテ・アン・クルートにフォアグラのテリーヌ、牡蠣にトリッパ……。マルシェで感じるような幸福な目移りが止まらない中、テリーヌは50gからでも、トリッパはトマト煮でもソテーでも、と提案してくださる。ポーションも仕立てさえも自由自在。そんなわがままいいんですか。「いいんです。僕はフレンチの難しさを取り払いたい。知らない料理でもおいしそうだと思ったらトライしてほしい。フレンチの楽しさを伝えたいんです」。

フォーマットは軽やかながら、ひとたび食せば技術に裏打ちされた強靭なおいしさが胃袋を貫く。これがフランス料理の喜びか。安達さんが伝えるフレンチの豊かさと底力には、食べ慣れた人もそうでない人も、誰しもハッとさせられるのだろう。『caillou』、それは大いなる食文化の入り口。その先に進んでみたくて、きっとこの店に何度だって足が向く。

写真右上から逆時計回りに、玉ねぎのキャラメリゼにじゃがいもが活きた、じゃがいものタルト(1切れ1/4サイズ¥1,650)。リ・ド・ヴォーのムニエル(100g¥3,080)の貫禄。グラスワインは¥990~。仔牛のレバーや豚肉の喉肉、キノコのソテー等で作るパテ・アン・クルート(100g¥1,848)。身近な食材を技術でおいしくしてこそ料理。

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caillou 東京都目黒区原町1‐7‐9 ドゥーエ西小山1F TEL:03・6452・2985 17:00~23:00(22:00LO) 日・月曜休 詳細はインスタグラム(caillou_nishikoyama)で。

※『anan』2023年2月15日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子

(by anan編集部)

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