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マンガ家で魔術師!? 意志強ナツ子の『アマゾネス・キス』がヤバい…

2019.4.3
これはヤバい……と思いながら、読み進めずにはいられない。意志強ナツ子さんの『アマゾネス・キス』は、占いでも、アイドルでも、何かしらに心酔しているような人ほど、刺さるところがあるはずだ。

人間力を高めて成功をつかむ禁断の世界へようこそ……。

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「私もメンターといえるようなカリスマ性のある人にハマりがちなのですが、オカルトビジネスや怪しい宗教の構造とそんなに遠くない気がして。そういったものを取り巻く人間関係の縮図を描きたかったのです」

大手菓子メーカーに勤めながら、副業で占い師をしている岡本はづきは、自社のヒット商品「ボタニカチョコ」を手がけた憧れの天野純子と、ついに会うチャンスに恵まれる。しかし天野は会社を辞めて、超感覚知覚力を磨く会員制のトレーニングジムを始めるのだという。天野に認められたいはづきは、勧誘してほしくてたまらないのだが、凡庸に見える同僚に先を越されてしまう……。

「はづきは私の精神的な部分の自画像なんです。自分の居場所はこんなところではないと思って、周りを見下していた結果、しっぺ返しがくるようなところとか。私自身、そういう経験を人一倍しているので、ほかのマンガ家よりもイタい人とか恥ずかしい人を描ける自信があります」

はづきの必死さは滑稽だが、無邪気に笑えないようなザラリとした感覚が残る。はづきだけでなく、彼女の占いに依存する気弱そうな青年や、アイドル志望だけどトレーナーとして働き始める女子など、登場人物の選択がいちいち危うく、行く末が気になってしかたないのだ。

「私としては、どの登場人物にとっても正しい道だと信じて描いています。間違ってると思われるだろうなっていうことぐらいはわかっているんですよ。けど、よく考えたらあながち間違いじゃないし、一理あるでしょ? っていう気持ちで」

一見、無茶苦茶な設定や展開だが、おのずと引き込まれてしまうのは、緻密に練られているからこそ。

「日頃の行いが悪いのに、なぜかうまくいっちゃうような人っていますけど、人の運や成功は因果応報などではなく、もっと別の次元で成り立っていると思うんです。その理不尽さを、極端な人生や極端なマンガで描いていきたいですね」

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超感覚知覚力を高めたい人々の欲望が渦巻く、オカルトあり、エロあり、サスペンスありの異次元ドラマ。トーチweb(to-ti.in)にて好評連載中。リイド社 719円

いしつよ・なつこ マンガ家、魔術師。チェコ国立芸術アカデミー(AVU)インターメディア学科修了。’14年「女神」(トーチweb)でデビュー。著書に短編集『魔術師A』など。

※『anan』2019年4月10日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子

(by anan編集部)

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