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批判相次ぐ“ふるさと納税” 実は“災害支援”として有効だった?

2018.12.17
意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「ふるさと納税と災害支援」です。
社会のじかん1

ふるさと納税の制度が始まって10年。

近年は、返礼品がしばしば問題になっています。ふるさと納税が作られた背景には、東京を筆頭に大都市に人が集まり、税収も都市に集中したこと。人口減少の進む地方にも税収を分配できる方法をと、故郷や自分の好きな町に納められる制度として創設されました。そして、税を納める代わりに、返礼品として地域の特産物が贈られたのです。やがて数々のクラウドファンディング事業者が参入、ふるさと納税の申込窓口を請け負うようになりました。すると自治体ごとに競争が生まれ、返礼品を競い合うようになり、土地の特産品といえないものまで贈るようになりました。本来の趣旨からかけ離れていったため、総務省が音頭をとり、寄附額の3割を超える返礼品を出す自治体は税優遇から外す方針を掲げました。

しかし、実は今年、ふるさと納税は大活躍しました。豪雨や台風、地震などの災害で被災した自治体が、復興にかける資金を調達するのに、ふるさと納税のしくみが大きく貢献したのです。寄附には、義援金もありますが、被災地に公平に割り当てられますし、届くまでに時間がかかります。ふるさと納税ならば、送りたい町にすぐさま届けられ、救命・復旧活動に使ってもらうことができます。

また、「代理寄附」という制度も生まれました。ふるさと納税は、納税者が税の控除を受けるために、納税証明書の発行が必要になるなど、煩雑な事務処理が発生します。被災直後の自治体にとっては、その作業が負担になってしまう。そこで、別の自治体が事務手続きを代行し、手続きを終えたお金だけを被災地に送るという仕組みが生まれました。これは、熊本地震のときに、その前年に豪雨災害にあった経験を生かし、茨城県境町が名乗り出てスタートしました。2008年の開始当初には想定していなかったことです。

ふるさと納税には批判もあり、見直す必要がある一方で、災害支援としてはとても有効な仕組みです。ネットで検索すれば、各災害ごとに納税先を選ぶこともできます。税額控除にもなりますし、みなさんもぜひ、活用してみてはいかがでしょうか?

堀潤

堀 潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2018年12月19日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)

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