スナック菓子好き、口臭がキツい…「年始にやる気がでない人」の特徴と対策

文・大久保愛 — 2024.1.4 — Page 1/2
2024年がスタートしました。年明けから仕事にプライベートにスタートダッシュといきたいところですが、実際はそううまくいかないもの。仕事始めが憂鬱、正月疲れで体は重いしやる気がでない…。例年のことながら、そんな人が多いと思います。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、正月ボケを吹き飛ばしてくれる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます!

年明けの仕事始めにだるさを感じませんか?

正月ボケ 正月疲れ 正月病 だるい 体が重い やる気がでない 対策 対処法

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 247


2024年が始まりましたね。例年のことですが、やはり長期休暇明けは、仕事に行くのが嫌になるという人がほとんどではないでしょうか。年末の慌ただしい日々で交感神経が優位になり、休暇に入ったとたんに人が変わったようにのんびり過ごすというリズムの方も多いと思います。

ただ、こうなると再び日常に戻るときに「嫌だな」と思うのは普通の感情ですよね。一年の始まりといえば、今年の抱負を考えたり、ポジティブな発言が増える人も多いですが、発言とは裏腹に行動としては、横になり外出も仕事もしたくないと引きこもりがちになることもあるかもしれません。ということで、今週は、2024年のスタートを応援する食薬習慣を紹介していきます。

今週は、正月疲れ対策となる食薬習慣 

やる気がない、疲れる、動きたくない、体が重い、肌荒れが気になり始めたというかた、鏡をもって舌を見てみてください。舌の真ん中に苔が多くついていたり、口臭が気になったりしないでしょうか?

漢方医学では、体の状態を把握するために舌の状態を把握することがあります。舌苔がふえているときには、消化に負担がかかるほどに食べていたり、お酒や偏食によって肝臓に負担がかかっていたりすることがあります。漢方医学ではこれを『痰湿・湿熱』が生じている状態と考えます。

私たちの体は、食事から栄養を吸収し、老廃物や有害物質を解毒し排泄することで元気を保つというシンプルな仕組みをもっています。しかし、リズムが乱れがちな年末年始で、この仕組みがダメージを受けることとなり、その結果として疲れが抜けなくなったり、やる気がなくなったり、肌トラブルも出てきてしまいます。そのため、消化の働きを助ける『脾』と解毒の働きを助ける『肝』をサポートし、『痰湿・湿熱』を除去していきましょう。

そこで、今週食べるとよい食薬は【ブロッコリースプラウトの即席スープ】です。逆にNGな習慣は、正月ボケを満喫すべくゴロゴロしながら食べる【ポテトチップスなどスナック菓子】です。

食薬ごはん【ブロッコリースプラウトの即席スープ】

何をするのも面倒に感じていたとしても簡単に作れるスープです。消化を助け、腸内環境を整え、ミネラルを補い、解毒を促す食材を集めました。

<材料>
ブロッコリースプラウト 山盛り
鰹節          10g
とろろ昆布       2つかみ
梅干し         1個(包丁でたたくか、容器に入れ箸でつぶす)
醤油・みりん      各小さじ1くらい(調整)
お湯          200ml

<作り方>
材料を容器にすべて入れてよく混ぜたら完成。

NG行動【横になりながらのスナック菓子】

だるいし、やる気がないし、相当気合を入れないとテキパキ動くことができないというとき、人はどんどん手軽に食べられるものを食べるようになっていきます。その結果、横になりながらポテトチップスなどのスナック菓子を袋ごとペロッと食べてしまうということもあるかもしれません。ですが、今必要なやる気をだすための栄養を摂取できるものではなく、お腹をいっぱいにしてしまう恐れがあるため、3度の食事内容も少なくしてしまう傾向があります。その結果、質的な栄養失調に近づいてしまいます。

1年の中でも食べ癖が付きやすい時です。暇だから食べる、疲れるから食べる、イライラするから食べるといったように習慣化してしまっている人は注意しましょうね。

正月明けは、新年への期待、正月ボケで何もしたくない気持ち、気が引き締まったり、怠けたくなったりと心が忙しくなると思います。心の不調を感じた時には、根性論ではなく、まずは食事の見直しなど現実的な問題を解決していきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

29da7aba42636f3ec47ee8cc1f4c6813

<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
心と体を整えるCROWDSALON

book

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
購入はこちら

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


©Vanz Studio/Adobe Stock