「私のお金、大丈夫…?」お金の教科書Vol.1 #リアルボイス

2022.8.24
下げ止まらない円安にジワりと忍び寄る物価高…。私たちの暮らしにこの先どんな影響を及ぼすのか、お金への不安は高まるばかり。新連載「お金の教科書」では、「今、お金のこれが知りたい!」に答えます。今回のテーマは「私のお金、大丈夫…?」です。

“わかったつもり”で実はよく知らないお金のこと。

貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 年収は手取りで約450万円。都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。

地道奈子(じみち・なこ/28歳・派遣社員) 年収は手取りで約350万円。既婚、子なしのDINKS。独身時代からの貯金は約200万円。つみたてNISAは2年前にスタート。

散財好美(さんざい・よしみ/31歳・フリーランス) 年収は手取りで約300万円。推し活とちょこちょこ散財する癖が抜けず、気づくと残高減。貯金はこの3年で約150万円。

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未知子:近頃、ザワついてない? 

好美:何が?

未知子:お金まわりのハナシ! 円安とか物価上昇とか…さぁ。

奈子:確かに「約24年ぶりの円安水準」って、ニュースで聞いたなぁ。でも、それがどういう状況を招くのか、ぶっちゃけ言うとピンときてない(苦笑)。そんなこと、ここでしか言えないけど(笑)。

好美:物価も「上がります」の一点張りだもんねぇ。ガス代も電気代も上がるって噂は聞いたよ。今は数字で実感してないけれど、夏の終わり頃にゾッとするのかな…。

未知子:今年は猛暑っていわれているもんね。でもクーラーつけなきゃ熱中症で命が危ないといわれたら、背に腹は代えられぬ(笑)。

奈子:色んな意味で、実感というものはないけれど、未来に対して楽観的でいられる状況じゃないことだけは、なんとなくわかるわ。

好美:うん、将来へのお金の不安はあるね。岸田総理大臣が「貯蓄から投資へ」って言ってるけど、今さら何から始めていいか…さっぱり。数年前からやたら耳にするNISAやiDeCoにだって、まったく手つけてないもん。テヘ。

未知子:わかる~。私も貯蓄っていえるのは、新入社員当時からやってる会社の財形のみ~。

奈子:え、ホント!? 私は2年前からつみたてNISA始めたよ。

未知子:えっ! 聞いてないし!

奈子:いやいや、報告するような話じゃないし(笑)。でも正直なところ、つみたてNISAがなんなのかはしっかり把握してないのよ。夫に「やれ」って言われたから始めたようなもので…任せきり。

未知子:そうだよね。私、「やりなさい」って言う人が身近にいないし、一生やらなそう…。

好美:私も~。推し活含め、好きなことにお金を使える自由、サイコー! 1か月の収支がトントンで合ってれば、問題ないでしょ。

未知子:そもそも、銀行預金のままで、何がマズいんだろうって思うよね。安心・安全なのは今も銀行預金でしょ?

奈子:いや、それが、なんかそうでもないらしいよ。私もちゃんとは説明できないんだけどね(苦笑)。

好美:あ、ふるさと納税、あれは気になってる。なんかお得に美味しいものが届くんだよね!?

奈子:それも合ってるように聞こえるけど、本質は違う気が…。ちゃんとは説明できないけど(汗)。

未知子:いや~自分で言うのもなんだけど、私たちのマネーリテラシー、だいぶ低いねぇ(笑)。

好美:こうやって3人で話していると笑い話だけど、私、一生独身かもしれないし、家で1人でいると突然、不安になるよ…。

奈子:結婚してたって同じだよ…。

未知子:そろそろ、お金とちゃんと向き合うべき時期なのかも…ね。

好美:よし! これからひとつひとつ、一緒に勉強していこう!

奈子:“わからない”を解決すれば、不安もクリアになるはず!

未知子:頑張ろう!

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Q. お金に関して、何か不安はありますか?

不安がある…80.5%

お金への不安は、「今、100万円あったら何に使う?(複数回答)」という質問に対する答えが、「貯金」79.5%、「投資」16.5%という回答からも明らか。旅行などのレジャー、服やバッグ、美容関係に使いたい人は、いずれも3割未満。消費よりも貯蓄、という傾向は若い世代であればあるほど、顕著のよう。

Q. お金の備え、何かしていますか?

備えている…48.2%

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具体的には?(複数回答)
銀行預金…77.2%、ふるさと納税で節約…25.3%、NISA、つみたてNISA…25.3%、株式投資、投資信託…18.1%

お金に関して、「備えている」と回答した人のうち、未知子同様、「銀行預金」と回答した人は77.2%。「ふるさと納税」は“備え”というよりは節約ですが、約4分の1がしているよう。ちなみに「副業」という回答は8.8%。副業OKの会社が増えていけば、この数字は今後さらに上がるはず。

Q. 自分が1か月生活するのに必要な金額は把握していますか?

正確に把握している…15.7%、ざっくり把握している…55.5%、把握していない…28.8%

お金への意識を高める第一歩ともいわれる収支の把握。でもみんなのリアルはあくまでも「ざっくり把握」。そのままずっとそれでは、好美同様、お金はずっと貯まらないままかも? 

※『anan』2022年8月10日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝

(by anan編集部)