NCTが総勢19名で初スタジアムツアー完走。花火を打ち上げ圧巻のパフォーマンスも!

取材、文・尹秀姫 — 2023.9.30 — Page 1/2
NCTが史上最大規模のツアー『NCT STADIUM LIVE ‘NCT NATION : To The World-in JAPAN’』を、9月9、10日に大阪・ヤンマースタジアム長居、9月16、17日に東京・味の素スタジアムの2都市4公演で開催。総勢19名で夏の終わりを盛大に盛り上げた9月17日の味の素スタジアムでのツアーレポ!

NCTから誕生する、最後の新ユニットからスタート!

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上段左から、クン、テヨン、マーク。2段目左から、ウィンウィン、ジェヒョン、ジェミン、ユウタ。3段目左から、ロンジュン、ジョンウ、テン、チソン、ドヨン。下段左から、ジャニー、シャオジュン、ヘチャン、ジェノ、ヤンヤン、チョンロ、ヘンドリー。


【ペンになってもいいですか!?】vol. 189

NCTは固定ユニットであるNCT 127、NCT DREAM、WayVのほか、活動ユニットとメンバーの数に限りを設けない“無限開放✕無限拡張”をコンセプトに掲げ、曲によってメンバーを自在に構成する自由度の高い活動を行ってきた。そして2023年、リアリティ番組「NCT Universe : LASTART」から誕生し、これからデビューを飾るNCT NEW TEAM(仮)をもってNCT最後のグループとすることが告知された。

そんな中開催された『NCT STADIUM LIVE ‘NCT NATION : To The World-in JAPAN’』では、そのNCT NEW TEAMがオープニング・アクトとして登場。初舞台がスタジアムという重圧にも負けず、終始笑顔でパフォーマンスと自己紹介を終え、フレッシュな魅力を振りまいた。10月8日を皮切りに全国でプレデビューイベント『NCT Universe : LASTART PRE-DEBUT TOUR』を開催することを発表しつつ、「NCTとして正式グループ名をもらって、1日も早くみなさんと会いたいです!」とリーダーのシオンが高らかに宣言すると、会場からはあたたかい拍手が送られた。

NCT 127、NCT DREAM、WayVそしてNCT U。それぞれの個性が花開いたステージ。

そしていよいよ本編がスタート。1曲目は、ネオ・カルチャー・テクノロジーを標榜するNCTがこの世界に現れた最初の曲「The 7th Sense」から。2016年4月にリリースされたこの曲からおよそ7年という時を経て、NCTはスタジアムにたどり着いたのだということを強く印象づける始まりだった。

NCT 127の「Limitless」、WayVの「Take Off」、NCT DREAMの「BOOM」と、それぞれのユニットが1曲ずつメインステージでパフォーマンスを見せていく。根っこは同じNCTの3ユニットだが、こうして見るとその魅力はずいぶん違って見える。あらゆるジャンルに果敢に挑戦し、歌唱にもボーカルにも一本ぶっとい芯が通っているNCT 127、王子様然としたヴィジュアルと耽美的な世界観、色気を感じさせるパフォーマンスで魅せるが素顔とのギャップが一番激しいWayV、トークもステージも自由度が高いけれどパフォーマンスは不思議と一番まとまって見えるNCT DREAMと、ユニットごとの個性が際立つのが全体コンサートの面白さだ。

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NCTには曲ごとにメンバー構成が変わるNCT Uというユニットがあり、今回のコンサートでもNCT Uのステージが大半を占めるほど、NCTの中でも大きな存在感を示している。異なる個性を持つ3ユニットのメンバーが曲ごとにシャッフルされて起こる化学反応は、その曲でしか見られないパフォーマンスとして昇華され、さらなる熱狂を生んだ。

まだ明るい空に向けて高らかに歌われた「WITHOUT YOU」(NCT U ・ジェヒョン/ドヨン/クン)、カンガルーを真似たかわいらしい振り付けで愛嬌を振りまいた「Kangaroo」(NCT U ・チョンロ/チソン/クン/ロンジュン/ヤンヤン)、NCT DREAMとWayVのボーカルが甘い歌声をスタジアムに響かせた「My Everything」(NCT U ・ロンジュン/シャオジュン)など、かわいいもカッコいいも、甘いラブソングもバラードも、あらゆるジャンルをNCTカラーに染め上げる。

TAEYONGのソロ曲「SHALALA」は、NCT 127ではあまり見られないお茶目でキュートな魅力を全面に打ち出し、最後には指で大きなハートを描いたと思ったらそこにチュッとキスを贈るファンサービスも。最新ユニットのNCT DOJAEJUNG (ドヨン/ジェヒョン/ジョンウ)の「Perfume」のステージでは曲前にジェヒョンがイヤモニを外し、客席を促すとスタジアムが揺れるほどの歓声が湧き上がり、素肌の上に羽織ったジャケットがはためくたびにどよめきが起きた。

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コンサート中盤には再び固定ユニットのステージへ。NCT DREAMは「Broken Melodies」でミュージカルのように壮大なステージを見せ、最新曲「ISTJ」では一転してテンポの早い楽曲を華麗なステップで難なく踊りこなしてみせる。かと思えばMCではくるっと一回転しながら「僕はかわいいロンちゃんです!」、両手で頭の上でうさ耳を作りながら「僕はみんなのうさぎちゃんです」(ジェミン)、「僕はモチモチちーちゃんです」(チソン)、「みなさんの猫ちゃんです」(チョンロ)と自己紹介して、かわいさをアピール。チソンはさらに「今日は月がきれいですね」と愛の告白をするものの、この日はあいにく曇り空で月が見えず。「みなさんが僕の月です!」と見えない月の代理を買って出て、最後は「がんばるます」と大好きな「SPY×FAMILY」のアーニャのセリフで締めくくった。

ラストは日本デビュー曲「Best Friend Ever」を会場のCzennie(NCTのファンネーム)と大合唱。NCT DREAMの自由な雰囲気とステージを楽しむ心が伝わるステージだった。

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続いて登場したのはWayV。今年5月に日本で初めての単独イベントを開催し、日本でも人気を拡大中の彼ら。このスタジアムでは、イベントでは叶わなかった全員揃ってのステージでファンを魅了した。真っ赤に染まるステージの中で始まった「Kick Back」では、途中にシャオジュンがクンの襟元をたぐり寄せるシーンでスタジアムが揺れるほど歓声が沸いた。続く「Love Talk」では一転してしっとりとした魅力で迫り、メンバーがカメラに抜かれ、首のタイを緩めるたびに大きな歓声が。

そんなセクシーなステージ後のMCでは、「僕はウィン子、ウィンウィンです」と日本でのニックネームで自己紹介したり、「みなさん力を惜しまず全部使ってください。でもペンライトを振る時、前の人と後ろの人に気をつけて。叩いたら気絶!」とヘンドリーがユニークに注意を促したり、「僕はみなさんの羊、ヤンヤンです」と名前をもじったアピールをするメンバーも。ヤンヤンは言うことを手にメモしていたのがバレてしまい、「さっきたくさん練習したんだけど、間違えちゃうかもと思って、ウィンウィンお兄さんを思い出して書きました!」と弁明していた。さらに「みなさんにプレゼントを持ってきました」と言ってウィンウィンが赤いハートを取り出すと、「僕もあります」とクンは胸から指ハートを出し、テンは顔に両手をかざしてお花のポーズ、シャオジュンは「恋」(ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」主題歌)の一節を歌いながら踊ってみせ、WayZenNi(WayVのファンネーム)を歓喜させる。最後にパフォーマンスした「Phantom」はクンが編曲したものだそう。サウンドに民族楽器の笛の音が加わり、重厚感がプラスされたアレンジでWayVの存在感を存分に見せつけた。

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続いて登場したNCT 127は「英雄; Kick It」のイントロからすでに大歓声。テヨンからマークへと続くラップとジャンプで盛り上がりは最高潮に。続く「Chain」は日本デビューを飾った思い出の曲。かつて豊洲PITで日本デビューをお祝いした彼らが5万5000人の歓声を受けながら同じ曲を歌う姿に感動もひとしお。

MCではユウタがこのツアーに参加できなかったテイルのために、「テイル兄さんに届くように拍手お願いします!」と呼びかけ、大きな拍手が沸き起こった。MCではトップバッターのジャニーが「トウ」と言うと会場が「キョウ」と返す「東京コール」で会場を盛り上げると、ヘチャンが完璧なボウアンドスクレープからの「みなさんの天才アイドル、可愛いヘチャンです!」で会場のCzennieはさらに大喜び。テヨンは「ライブ来てよん、好きになってよん、テヨンです」と、dTVで以前配信されていた「NCT 127 おしえてJAPAN! 」でオジンオズボーン篠宮暁さんに授けてもらった挨拶をすると、ジョンウは「私はひき肉です」と最新の流行語を振りつきで披露。

ドヨンから10月6日にNCT 127がカムバックすることが発表されると、会場は一気にお祝いムードに。さらにユウタからは「近々日本でコンサートできたらいいな、なんて思ってるのでみなさん楽しみにしていてください」というコメントもあり、これからの活動がますます楽しみに。コール&レスポンスの練習を経て、ユウタのシャウトで始まった「2 Baddies」では、直前の練習の成果か大きなコーレスが会場を包み込んだ。この日は不在のテイルの穴を埋めるようにドヨンが大活躍を見せたが、この曲でもドヨンのハイトーンからの畳み掛けるようなパフォーマンスで、最後の最後まで会場を熱く盛り上げた。

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「New Axis」(NCT U ・テヨン/マーク/ヤンヤン)で再びNCT Uのステージへ。「New Axis」ではラッパー3人が攻撃力の高いラップの応酬を見せると、続く「The BAT」(NCT U・ジャニー/ユウタ/チソン/ジョンウ/ジェノ/ヘンドリー) ではジェノの速射砲ラップとチソンの重低音ラップ、ジョンウの高音とジャニーの低音ボーカルという対比がNCTの層の厚さを感じさせる。

トロッコに乗りながら歌われた「Alley Oop」(NCT U・ジェミン/チソン/ウィンウィン/ユウタ/ヤンヤン/ヘンドリー/ジェノ)では気合の入ったユウタがトロッコの上でヘドバンしながら曲の世界に没入していたのが印象的。NCT Uの最新曲「Baggy Jeans」はデビュー曲「The 7th Sense」以来、7年ぶりにテヨン、ジェヒョン、ドヨン、マーク、テンの5人が集った曲で、「『The 7th Sense』も『Baggy Jeans』もスタジアムで披露できてうれしいです。こんな貴重な機会をくれたCzennieのみなさんに感謝します」とマークも感慨深げ。「Baby Don’t Stop」はテンとテヨンというNCTが誇るパフォーマンス2大巨頭による人気曲で、この日も楽しそうに目を合わせながら、頭をくっつけ合いながら恍惚としたダンスを見せた。

19人がずらりと揃った、圧巻のフィナーレ!

4時間に及ぶコンサートのフィナーレは、NCT 2020による「RESONANCE」。19人全員がずらりと揃ったステージはそれだけで圧巻。マークの英語のアジテーションで始まり、緩急あるメロディにピタリと沿うような大人数によるパワフルでキレのある群舞、そこにシャオジュン、ドヨン、ジェヒョン、ロンジュンらのブレないボーカルとハーモニー、さらにラッパー勢の畳み掛けるラップが交互に重なり合い、最後にはスタジアムの上空に大きな花火が連続して打ち上がり、スタジアムの大歓声がそのすべてを飲み込んでいった。

アンコールも全員揃って登場。「Beautiful」(NCT 2021)ではトロッコに乗ってスタジアムを回りながらサイン入りフリスビーを投げ入れ、ファンとの交流を楽しんだ。この日、アンコールの最後に歌われたのはNCTの最新曲「Golden Age」(NCT 2023)。この曲は「この永遠の夢の中に刻まれるNew page」と締めくくられている。NCTの“無限開放✕無限拡張”には一旦の終止符が打たれたけれど、ここからまた新しいページが始まることを予感させるようなラストだった。

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ユウタのメッセージ
「みんな楽しかった? 最高の時間でした。最後、(トロッコで)回ってる時にみんなの笑顔があまりにもきれいすぎて、がんばれよって、負けんなよって言ってくれてる気がして、すごく励まされました。ありがとうございます。NCTがデビューしてもう7年以上経つんですけど、NCT 127、NCT DREAM、WayV、いろんなことがありながら止まらずに走ってきた、その行動がこのステージにつながったと思います。だから今日はこのメンバーと、そして今まで支えてくれたスタッフのみなさんに拍手お願いしていいですか。最後に、今日ここに来れなかったテイル兄さんを含めて、NCTという名前で今まで活動してくれていたすべてのメンバーと、そして今日来てくれたCzennieのみんなに感謝したいと思います。ありがとうございました!」

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活動グループ、メンバー数の制限がない、新たな概念をもった次世代グローバルグループ。日本・韓国・アメリカ・カナダ・中国・タイなど多国籍なメンバーで構成され、抜群のパフォーマンス力と表現力、そしてセンスの高い楽曲が各所で評価されている。

Information

https://nct-jp.net/