「結婚は?」と聞く暴力、触れない暴力。

2016.1.23 — Page 1/2
「結婚しないの?」なんて責め立てられたらウザいけど、「それなら触れません」という空気もまたキツい。だけど最近感じる恋愛話をあえてスルーする既婚女子達の空気…私たち独身って、いつからそんなに腫れ物になったのだろう…

anan_bana 仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。


「結婚しないの?」なんて責め立てられたらウザいけど、「それなら触れません」という空気もまたキツい。だけど最近感じる恋愛話をあえてスルーする既婚女子達の空気…私たち独身って、いつからそんなに腫れ物になったのだろう…


【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.23

独身への“気遣い”という名の暴力がたまらない。

30歳、独身。結婚適齢期。最近とっても気になることがある。それは久しぶりに会う人や、初対面の人から感じる、「気遣いという暴力」だ。

たとえば先日、彼氏と横浜中華街をデートしていたときのこと。時間が空いたから記念に占いショップで2016年の運勢を占ってもらおうか〜となり、気の良さそうなオッサンに、ちょちょっと手相を見てもらうことにした。「来年の仕事運とかどうですかね〜」から話は始まっていったのだが、気付けばなぜか内容は二人の相性とか、今後の話へ…ちょっと大雑把なオジさん占い師は、手の平を厳しい目で睨みつけながら、しきりに話しかける。

「で、二人は結婚する気あるの?」

ちょ、ちょ、ちょ! 30代のカップルに対して、なんという豪速球を!

「まあ…そのうちですかねぇ…ゆっくり考えます」

と、二人がやんわり「その話は触れないで」的な雰囲気を醸し出したのに、

「30代で付き合ってりゃさ、そういう気持ちにもなるでしょ? ん?」
「覚悟きめたら」
「あんたは正直どうなのよ?」

と、おっさんのキツい詰めは止まらない。もはや占いではなく人生への説教を延々15分も聞かされながら、ハタと気付いた。

「この人、デリケートな質問をあえて突っ込むことを、優しさだと思ってるんだ」

そう。当事者同士がぼんやり考えていて切り出せない話を、占いというツールに乗せてハッキリさせることを使命だと思っているのだ。もちろん占いの後、私たちに微妙な空気が流れたことは言うまでもない。しかも占い料金は手相990円と聞いていたのに、「相性を見るから」「易もやったから」と説明もナシにガンガン追加料金を発生させて合計約5,000円! プチぼったくりに合い、デリケートな問題にも触れられてぐったりしてしまった。

よく親に「結婚はいつするの?」的な問いつめにあってゲンナリすることはあるが、オジさんもそんな親の? 気持ちだったのか。ただ、そんな“気遣いという名の暴力”は、逆のタイプもあると思う。