志村 昌美

ハリポタ好きの小関裕太「使う言語がファンタジーと言われます」ファンタビ愛を語る

2022.4.5
この春、大注目の1本といえば、ハリー・ポッター魔法ワールドとして人気を博している『ファンタスティック・ビースト』シリーズの最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』。そこで、魔法ワールドに魅了されているこちらの方にお話をうかがってきました。

小関裕太さん

【映画、ときどき私】 vol. 470

熱狂的なポッタリアンとして知られ、過去にはニューヨークで行われた『ファンタスティック・ビースト』ファンイベントに日本代表として参加したこともある小関さん。今回は、マニアならではの注目ポイントや魔法ワールドが自身に与えた影響、そしてこれから叶えたい夢などについて語っていただきました。

―まずは、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの魅力について教えてください。

小関さん 役者的な目線でいうと、ひとつひとつの構成が素晴らしいところ。そして、ファンからすると、原作者のJ.K.ローリングさんが脚本を書かれているので、物語にブレがなく『ハリー・ポッター』のいろいろな伏線を回収してくれるのも面白いところですよね。あとは、舞台となっている1920年代の歴史と重ね合わせているところもあるので、ファンタジー好き以外にも刺さる部分が多い作品だと思います。

―ご覧になる前でかなり想像は膨らんでいると思いますが、最新作で注目しているポイントは?

小関さん ダンブルドアといえば、数々の偉業を成し遂げていて、誰からも尊敬されている偉大な魔法使いですが、影を感じるところもあるので、強さの裏にある苦悩などはぜひ知りたいですね。そのほかに気になっているのは、弟であるアバーフォースとの間で起きた事件や、本作で敵対するグリンデルバルドとの関係について。

これまでも触れられてはいましたが、アバウトな情報だけでそのときの心情までは描かれていないので、それがわかれば『ハリー・ポッター』シリーズも含めてもっと楽しめるんじゃないかと思っています。

日本が舞台になる日を夢見ている

―ほかにも、このシリーズで今後期待していることはありますか?

小関さん イベントでお会いしたプロデューサーさんがかなり日本についてお話されていたので、「もしかしたら次は日本に来ちゃうんじゃないの?」と。いままでも河童のような日本の生物がキャラクターとして出てきたこともありますが、それはこれからたどる国の動物たちを意味しているのではないかと予想しています。

そんなこともあって、この魔法ワールドがいつか日本を舞台に描かれる日が来たらいいなと夢見ているところです。僕は少しでも情報がほしくて、数年前からロケ地に関する情報をいろいろなところから集めていますが、すでに日本だったらどこがいいかなというのも考えています。日本らしい景色なら京都や金沢ですが、個性的な沖縄や九州もよさそうですし、でもこのシリーズに関西弁が出てきた面白いだろうなとか、想像が膨らんでいるところです。

―考えるだけでも楽しいですね。そもそも、魔法ワールドにハマったきっかけは何ですか?

小関さん 最初は、『ハリー・ポッター』の映画ですが、魔法が使えるかもしれないというワクワク感と次の展開が気になる緻密な物語に惹かれました。当時はまだ幼稚園の年長くらいだったので、ひとりで本は読めませんでしたが、本を読む子になってほしいと考えた親が本の漢字すべてにふりがなを振ってくれたことも。そんなふうに、どんどんこの世界観に引き込まれていきました。

大人になってこんな経験ができるとは思わなかった

―『ハリー・ポッター』の1作目に至っては、映画館で11回もご覧になったそうですね。ほかには、どんなオタ活をされていたのでしょうか。

小関さん 自分のことをオタクとは思っていなかったですが、そう言われると確かにオタクですね(笑)。たとえば、ファンなら誰もが知っている掲示板のようなサイトがあるんですが、そこでどこがロケ地になっているかとか、作品に関係する人たちの誕生日がいつかとか、試写会についてなどの最新情報をゲットしていました。

あとは、原作と映画とゲームでは違う呪文が使われていることもあるので、それをいろいろなサイトで調べて、ノートに書き写しては呪文を唱えて遊んでみたことも。とにかく、あちこちから情報収集していました。

―そのなかでも、一番の思い出といえば?

小関さん たくさんありますが、やっぱりJ.K.ローリングさんとお会いできたことですね。この方からすべてが生まれていると考えると、その実感はすごかったですね。「本当に実在しているんだな」と思ってしまったほどでした(笑)。

もうひとつは、子どもの頃に『ハリー・ポッター』のジャパンプレミアに当選したときのこと。子役として出演していた生放送とちょうど重なってしまい、仕事に穴を開けてはいけないと思ったので諦めたんです。でも、せめて残り香だけでも感じたくて、生放送終わりに片づけられているレッドカーペットを見に行きました(笑)。あのときは人生1回きりのチャンスを逃したと本当に悔しかったですが、大人になってこんな素晴らしい経験ができるなんて、当時の僕に教えてあげたいです。

ハリポタで鍛えられた想像力が武器になった

―ちなみに、ハリポタ友達とかもいましたか?

小関さん 誰もいなかったので、ひとりで遊んでいましたね。なので、幼少期の友達に当時のことを聞くと、僕に関しては『ハリー・ポッター』の話ばっかりです(笑)。実際、学校帰りに枝を集めては呪文を唱えてみたり、画用紙で大きな杖を作ってキャラクターの真似をしたりしていました。

でも、まだ大人の概念みたいなものがない時期で、想像力が豊かだったので、僕には魔法が見えていたんですよね。物理的に何かが起きるわけではないですが、持っている枝から光線が出ているように見えたり、物が浮いているように見えたりしていたので、自分の世界のなかでは魔法が使える気にはなっていました。

―そういった想像力や呪文を覚える記憶力が、役者として活かされているところもあるのでは?

小関さん それはありますね。たとえば、僕は初主演舞台でカエルの役を演じたんですが、本来ならカエルの気持ちってイメージしにくいですよね? でも、役を膨らませていく過程で、カエルの目線を想像できたのは、『ハリー・ポッター』を観ていたことによって鍛えられた想像力が役者としての武器になったからだと思います。

―もし魔法が使えるとしたら、どんな魔法がいいですか?

小関さん 部屋を掃除してくれる魔法がいいですね。『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のなかで、散らかった部屋がサーッとキレイになるシーンがあって、そのときからいいなと思っていたので。特に忙しくなると心の乱れが部屋に表れるときがありますが、そういうときこそパッとできたら助かりますよね。

今後叶えたい夢は、シリーズに出演すること

―とはいえ、魔法の世界に憑りつかれすぎて、悪影響が出たことはないですか?

小関さん 実は、小さい頃から「使う言語がファンタジーだね」とよく言われます(笑)。僕としては、自分の言葉を信じて発しているだけですが、ファンタジーな人でつかみどころのない性格だと思われることが多いかもしれないですね。でも、自分が好きな世界のことなので、そう言われるのはうれしいです。

―そんな小関さんに癒されている人は多いと思いますが、小関さんを癒してくれる存在について教えてください。

小関さん それは音楽です。僕は音を浴びて、体を動かすことが好きなので、音楽に触れる時間はかなりリフレッシュできています。

―『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』を好きになったことで、いろいろな夢も叶えられたと思いますが、今後叶えたい夢は?

小関さん やっぱりこのシリーズに出たいですね。ニューヨークでJ.K.ローリングさんやキャストの方々とお会いできたのは最高の経験でしたが、いままで遠い夢だったものを目の前にしたことで「もしかしたら届くのかもしれない」と感じることができたからです。努力して叶うものならばがんばりたいですし、結果に関わらずチャレンジしたいと思っています。

―もし演じるならどんな役?

小関さん シリーズのなかでも僕が好きなのは戦っているシーンですが、戦いに強いとされているのは闇の魔術に対する防衛術に特化した人たちなので、そういうキャラクターだったらワクワクしますね。もし日本にも魔法学校がある設定だとすれば、どんな寮があるのかなとか、どんどん想像してしまいます。

言葉巧みに人を操る役に挑戦してみたい

―3年前にananwebでお話をうかがった際、「いつか猿人類のアウストラロピテクスを演じてみたい」とおっしゃっていたのが印象に残っていますが、その後演じてみたい役に変化はありましたか?

小関さん アウストラロピテクスは、社会科の勉強をがんばっていた中学生のときに名前とエピソードを覚えるだけじゃなくて、写実までしたこともあったので思い入れが強かったんですよね(笑)。いまは、グリンデルバルドみたいに言葉巧みに人を操ったりするような役にチャレンジしてみたいなと。あとは、先生役も一度はやってみたいですね。

―それでは最後に、最新作のオススメの見方を教えてください。

小関さん 僕は最低でも3回は観ようと思っています。最初は何も考えずに純粋に楽しむためで、2回目は人に良さを伝える言葉を探すため、そして3回目で見逃している部分がないかを探せたらと。『ファンタスティック・ビースト』になってから緻密さがより増しているので、いろいろな伏線を回収して楽しみたいです。

インタビューを終えてみて……。

次から次へとエピソードが飛び出し、ハリポタ愛とファンタビ愛が止まらない小関さん。好きだという思いが溢れ出ているとともに、子どものようなキラキラした目で熱く話をされている姿がとても素敵でした。魔法ワールドで活躍する小関さんが見られる日を楽しみにしたいと思います。

興奮とワクワク感に包まれる!

魔法も舞台も映像も、すべてがスケールアップした最新作で、おなじみの仲間とともに繰り出すのは世界を股にかけた大冒険。新しい魔法の扉を開けた先で明かされるダンブルドアの“秘密の作戦”とは?


写真・山本嵩(小関裕太) 取材、文・志村昌美 

ストーリー

魔法動物を愛するシャイでおっちょこちょいな魔法使いニュートが、ダンブルドア先生や魔法使いの仲間たち、そしてなんとマグルと寄せ集めのデコボコチームを結成! 魔法界と人間界の支配を企む黒い魔法使い、グリンデルバルドに5つのトランクで立ち向かう! ダンブルドアの“秘密の作戦“とはいったい!?

心が躍る予告編はこちら!

作品情報

『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
4月8日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
https://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/
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