2024年の幕開け!『Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2023→2024 PULL UP!』ライブレポート

写真・くさかべまき 取材、文・福田恵子 — 2024.1.9 — Page 1/2
最新アルバム『PULL UP!』を引っ提げ、Hey! Say! JUMPが『Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2023→2024 PULL UP!』を開催。次のステップへの飛躍を目指す彼らのステージより、1月1日(月)東京ドームで行われた公演の模様をお届けします。

アイドルとしてPULL UPして変わらず走り続けることを約束したHey!Say!JUMP

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東京ドームの会場に入ると飛び込んできた光景は、マイナスイオンが漂ってきそうな全長16mの巨大な木のセット。大木の両脇のスクリーンには滝が流れ、小鳥のさえずりが聴こえてくるピースフルな演出が。

今回のツアーは、アルバム『PULL UP!』のコンセプトである“17年目も勢いを加速させるPULL UP!”。大木の枝が、上へ、上へと伸びて行くセットにHey! Say! JUMPをさらに引き上げていく、躍進していくという願いが込められている。

彼らの成長と進化を称えるような巨大な大木から8人が登場すると、1曲目は、ファンからの支持が高い「サンダーソニア」から。

中島裕翔さんが「東京ドーム!! 2024年一発目、行くぞ~! 声出せるか?」と叫ぶと、凄まじい大歓声で応えるファン。木のセットから降りてくると、薮宏太さんが「東京ドーム、新年一発目、騒げるかーい!?」、八乙女光さんが「2024年もよろしくお願いします。Hey! Say! JUMPと一緒に今日は最高の思い出を作りましょう」と会場を見渡し、呼びかける。

メンバーの提案で、事前にファンクラブ会員向けにコール動画を公開していたという今回のコンサート。ペンライトもメンバーカラーだけでなく、楽曲に合せて異なる光り方を楽しむことができるというメンバーこだわりの演出が随処に。観客がHey! Say! JUMPの一員となって、作り上げる演出があるのが楽しいところだ。

「ネガティブファイター」では、メンバーの名前を呼ぶコールで一体感満点。曲の途中で山田涼介さんが、「今年一発目!! 声出せんのかー!?」と男らしさ全開の声で叫んだり、ウインクをキメたり、さまざまな表情で観客を魅了し、熱狂の渦に巻き込んでいく。

今回は、アルバムコンセプトからコンサートの演出まで、有岡大貴さんが中心となって考案。リアルとファンタジーが入り混じる世界観がみどころだ。

ファンタジー映画に出てくるような教会風のセットでは、メンバーがまるでドラキュラか魔法使いのような赤の衣装に身を包む。シャンデリアが煌めく中、椅子に座ってパフォーマンスをするなど、幻想的な世界観を生み出す楽曲も盛りだくさん。どんなシチュエーションでもハマってしまうのは、8人のパフォーマンスの凄み。

好きな人へのあふれる想いを歌うラブソング「あの日の夢を見させてよ」では、伊野尾慧さん発案の、ランタンをイメージした大きなバルーンがドームに浮かぶ。切ない恋心に胸を焦がす曲とリンクするかのように無数のランタンの明かりが灯り、美しい光景を生み出す。いつしかペンライトも一色に染まり、会場は、夕陽のようなオレンジカラーに包まれる。

「ときめくあなた」では、5000枚のフライングハートが空に飛びかう演出も。ファンタジックな世界からノスタルジックな光景まで、いろんな世界に一瞬にして楽曲ごとに連れて行ってくれるのがHey! Say! JUMPワールド! これからもまだ見ぬ景色をたくさん見せてくれそうだ。

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元日のこの日は、令和6年能登半島地震があったことから、MCでは薮さんが「みなさん大丈夫ですか。結構、大きい地震がありましたけど」と心配する言葉から始まる。

そこから、仕切り直して「1月1日から東京ドームでコンサートができてありがたいよね」と薮さんが言うと、髙木雄也さんが「一緒にカウントダウンしてくれた?」と、Hey! Say! JUMPの公式インスタグラムで公開されたカウントダウン映像の話に。中島さんは、「カウントダウンで身が引き締まった」と、いい年越しをすることができたことを報告。

突然、有岡さんが「誰だ!? 俺のコップ(ステージドリンクの水が入ったボトル)に何か知らないやつ入れたのは? 色がおかしいぞ」と叫んだことから、有岡探偵による犯人探しが勃発。薮さんが、「冷麺の汁みたいな色」と笑う中、「匂いが…。りんごジュースかと思ったけど全然違う。山田だろ?」と、山田さんを疑う有岡さん。すると「そんな決めつけよくないよ」と伊野尾さんがなだめる。

「推理しよう。犯人はこの中にいる!!」と、探偵ドラマの主人公のキメ台詞のように有岡さんが声を張り上げるも、「あんま盛り上がんねえなぁ」と、観客の反応がいまいちで残念がる。「知念(侑李)は、加担しているかもしんないけど、手は下してない。伊野尾ちゃんは、楽屋にいる時間が短かったから違う。髙木は、今、首をかゆそうにしているから違うし、薮くんはスタンバイがギリギリすぎて、そんな仕込む余裕はない。裕翔も違う。楽屋でストレッチ入念にしているから、そんな時間ないよな」と、名探偵ぶりを発揮した推理力で、山田さんに「カメラにむかって無実を証明して!」と、じりじり詰め寄る。

それでも山田さんは、「やってるなら、やってるって言う。隠さないタイプじゃん(笑)」と涼しい顔。消去法で残ったもうひとりの犯人候補の八乙女さんは、「アリバイあります。僕もメイクに時間かかっていたし、マッサージを受けたり。インスタ投稿をしてました」と弁明。その結果、「犯人は、あなただ、山田!! 最初の感覚を信じることした」と、ファイナルアンサー。

名乗り出た犯人は、やっぱり山田さんで「犯人は俺。ツアーが始まる日からワクワクしたね」と、いたずらっ子の顔に。爆笑するメンバーに有岡さんは「なんだ、みんな知ってたのかよ」と、無事、一件落着!? また忘れた頃に有岡さんにイタズラを仕掛けようと企むメンバーたち。とことんイジラれキャラの有岡さんに会場は笑顔に。

そして、髙木さんが主演する舞台「東京輪舞」の話や伊野尾さんがチャレンジするブロードウェイミュージカル「ハネムーン・イン・ベガス」の話に。

伊野尾さんは、「ミュージカルやります。皆さん忙しいと思いますけど、休みとって見に来てください」とアピールしつつ、未知の世界でドキドキしていると胸の内を明かす。「初めてだから、やっぱ不安な気持ちがあったわけよ。だけど、マネージャーさんが『曲数もそんなに多くないよ』って。じゃあ、いけるかーと思って髙木に見せたら、『伊野尾くんこれ、めちゃくちゃ曲数多いよ』って(笑)」と初ミュージカルのプレッシャーを語る場面も。何年たっても変わらず、わちゃわちゃトークを繰り広げる姿から仲良しぶりが伝わってくる。

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CDデビューから17年目のHey! Say! JUMP。「White Love」のようなロマンティックな珠玉のラブバラードでは、王道アイドルの煌めきをしっかり見せつける彼ら。一方で「Ready to Jump」や「Tiki Don」のような疾走感たっぷりなダンスナンバーでは、クールな表情で激しく踊り、ガラリと雰囲気を変えて、観客を魅了していく。

8人が息ぴったりに踊る中、レーザー光線が飛びかい、スモークや炎の特効が盛大に次々と吹き上がる。Hey! Say! JUMPをPULL UPさせたダンスブロックなど、ドームだから可能なド派手演出を詰め込み、圧巻のパフォーマンス。強烈な光を放つスケルトンのムービングステージでアリーナの頭上を通過しながら踊る姿に、見る者もPULL UP!

やさしく穏やかな時間が流れたのは、終盤。有岡さんが「これから歌わせていただく曲は、みなさんが僕たちにとっていかに心強い存在であるか、そして、どれだけ背中を押していただけているのかを、再確認できる曲となっております。聞いてください」と、曲紹介をして「キミノミカタ」へ。ピンスポットライトに照らされながら歌ったのは、人生は楽しんだもの勝ちと背中を押す応援歌。ファンがHey! Say! JUMPの心強い味方であるように、Hey! Say! JUMPもファンの最強のパワーの源であり、味方だ。

そんな愛に溢れた空間で八乙女さんが「JUMPと一緒に叫びたいですか? 2024年一発目、叫べますか?」とファンとコール&レスポンスをしてから、「俺たちがHey! Say! JUMP」と叫んでひとつに。ラスト曲の前に山田さんがあいさつ。「みなさん楽しかったですか? 僕たちもすごく楽しかったです。2024年、今日から始まりました。 最高のスタートが切れたんじゃないかなという風に思っています」と前をまっすぐみつめ、胸を張る。

「こうやって一年一発目にみんなと会えて、みんなのその笑顔を見て、みんな感想を聞けて。僕たちはみんなに支えられながら、どんなことがあっても輝き続けることができるんだなと、今日改めて再確認することができました。この調子で僕たちは2024年、そしてその先以降も走り続けていきたいと思っていますので、どうかこれからも僕たちHey! Say! JUMPにマジでついてきてください」と、これからもHey! Say! JUMPは、変わらずに8人揃って前進していくことを山田さんが約束した。

アンコールラストでは、薮さんが「いろんな活動でみんなが笑顔になれるように頑張っていきたいと思います。またこうやってコンサートがある時は、ぜひ会場に足を運んで、一緒に 盛り上がって楽しんでいただければ嬉しいです。また会いましょう」と、ファンと再会を誓う。

16年間、ファンのテンションをPULL UPし続けてきたHey! Say! JUMP。17年目からのHey! Say! JUMPは、最強で無敵のアイドルとして、エンタテインメントを追求し続け、次のステップへ↑↑↑↑↑↑↑↑

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Hey! Say! JUMP 公式