「マスカラ」本当の意味、知ってる? 【意外と知らないカタカナ語雑学】

文・田代わこ — 2023.12.16
いつものアイメイクに欠かせない「マスカラ」。美しい目元づくりの強~い味方ですが、そもそもどんな由来があるのか、知っていますか? ちょっと意外なマスカラ雑学をご紹介!

【意外と知らない雑学】

「マスカラ」雑学クイズ!

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日本ではじめてマスカラが発売されたのは、1937年。ハリウッド化粧品が販売したもので、当時の販売価格は200円だったそうです。でも、マスカラには、もっと長~い歴史がありました! 詳しく解説する前に、まずは雑学クイズ!

「マスカラ」の本当の意味は…?

正解は、


英語のmascaraからきた外来語。意味は、ご存じのとおり、まつ毛を長く濃く見せるための化粧品のことです。意外なのは、マスカラの語源。あの「マスク」でした!

「マスカラ」の長~い歴史

マスカラのようなまつ毛を黒くするメイクについて、最古の記録が残っているのは、古代エジプト。化粧品というよりも、眼病予防や宗教的・文化的な意味から、「コール」という墨を目の周りに塗っていたそうです。

もちろん、昔からマスカラは美容目的でも使われていました。古代ペルシャの美容学校では、女性にまつ毛を濃くする方法を教えていたという話があり、また、古代ローマでもまつ毛を長く見せる化粧法が使われていたそうです。

今、私たちが使っているようなマスカラが発明されたのは19世紀後半。英国のコスメ「リンメル」の創始者ユージン・リンメルが、世界ではじめて“無毒”のマスカラを発明しました。

英和辞典によると、マスカラの語源はスペイン語で「仮面・マスク」を意味する言葉máscara。マスクは顔を覆い隠すものですが、リンメルは、まつ毛の欠陥を隠してくれる化粧品ということで、マスカラと名づけたそうです。(諸説あります)

なお、日本では「マスカラ」という呼び名が一般的ですが、イタリア語やスペイン語など他言語では「リンメル」という言葉がマスカラの意味でも使われています。

1900年代になると、アメリカのトーマス・L・ウィリアムスが妹のメイベルのためにワセリンと石灰粉を混ぜたマスカラを開発し、メイベリン社として創業。あの有名な「メイベリン・ニューヨーク」ですが、最初はマスカラからはじまったんですね。

昔はかなり高価だった…

ちなみに、冒頭で日本初のマスカラは200円だったと書きましたが、当時の貨幣価値ではかなり高級品でした。

また、19世紀にヨーロッパで使われていたマスカラ風の化粧品も大変高価だったようです。そのため、一般人は買うことができず、女性たちはランプの炎に皿をあてて「すす」を集め、それを筆にとって、まつ毛に塗っていたそうです。

手ごろな価格で、使いやすいマスカラがある今の時代はありがたいですね。

以上、ちょっと意外な「マスカラ」雑学でした!

参考資料
『世界大百科事典 第2版』(平凡社)
『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)

https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english/mascara
https://www.avance-cosme.co.jp/concept/
https://www.rimmellondon.jp/history/
https://cosmeticobs.com/en/articles/products-38/le-mascaranbsp-lhistoire-2611
https://www.lashstarbeauty.com/blogs/visionaire/mascara-through-the-ages-a-brief-history-of-this-iconic-beauty-product
https://www.makeup.com/makeup-tutorials/expert-tips/makeup-history-of-mascara
https://www.maybelline-me.com/en-gcc/about-maybelline