「熱る」は「あつる」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない漢字3選

田代わこ — 2023.12.9
見慣れた文字なのに、意外に読めない漢字をご紹介する漢字クイズ。今回は、「熱る」と「弁える」、「慮る」の読み方に迫ります!

【漢字クイズ】vol. 20

正しく読めたらスゴイ!

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「熱いお茶」、「体が熱い」など、誰もが読める漢字「熱」。でも、「熱る」は正しく読めますか?

「熱る」は「あつる」ではありません!

正解は…


「ほてる」、「ほとぼる」、「ほとおる」、「いきる」でした! 

こんなに読み方があるとは、びっくりですね。全部の読み方を知っていたかたは、スゴイです!

では、簡単にそれぞれの意味をご紹介。

「ほてる」は、火照るとも書きます。意味は、「体や顔が熱くなる」。使い方は、「恥ずかしくて顔が熱る」など。

「ほとぼる」と「ほとおる」の意味は、「熱気を発する、熱くなる、感情が高まる、かっとなる」など。みなさん、「ほとぼりが冷める」という表現を聞いたことがあると思いますが、この「ほとぼり」を漢字で表すと「熱」になります。

「いきる」の意味は、「あつくなる、ほてる、激しく怒る、元気づく」など。最近よく使われている言葉「イキる」「イキっている」の語源かと思いましたが、調べてみるとこちらの「イキ」は「粋がっている」が由来でした。

「熱(いき)る」の読み方では、例えば「熱(いき)り立つ」がよく使われる言葉のひとつです。「いきりたつ」の意味は、「激しく怒って興奮する」。「不当な判決に熱り立つ」などのように使います。

「弁える」は「べんえる」ではありません!

正解は、


「わきまえる」でした! 「弁護士」や「弁解」などで見慣れているので、つい「べんえる」と答えたくなりますよね。正しく読めたかたは、すばらしいです!

「弁える」の意味は、「物事の違いを見分ける、識別する、弁別する」など。「礼儀をわきまえる」などと使います。よく使う言葉なので、意味を知っている人は多かったと思います。ついでに漢字も覚えておきましょう!

「慮る」は「りょる」ではありません!

正解は、


「おもんぱかる」でした! 「配慮」や「考慮」はよく使うので、「りょる」と思ってしまうかもしれませんが、まったく違う読み方です。

辞書によると、もともとは「おもひはかる」が変化した言葉。「おもんはかる・おもんばかる」ともいうそうです。意味は「深く考える、思いめぐらす」など。「相手の事情を慮る」などが用例で、おもに文章で使われる言葉です。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。正解できなかったかたは、ぜひ正しい読み方を覚えてくださいね!


参考資料:
『日本国語大辞典』(小学館)
『デジタル大辞泉』(小学館)
『現代用語の基礎知識』(自由国民社)