仕事はできたけどモラ夫でした…出産後、女性を待っていた地獄の日々【前編】
出会いは仕事のつながりで
「結婚前、私は食品メーカーで事務の仕事をしていました。小さな会社でしたが、アットホームでとても働きやすかったんですね。ただ、独身の男性がほとんどいなかったため、出会いは期待できなくて…。
そんな中、仕事のつながりで飲み会に誘われ、知り合ったのが夫の昌弘さん(仮名・35歳)です。営業職だった夫は、かなり仕事のできるタイプだったようで、周囲の人たちは『彼はすごい』と口々に褒めていました。
元々周りから人気のある人だったようで、私自身も惹かれるのに時間はかかりませんでしたね」
入籍し、子どもを授かって…
「夫は仕事柄なのか、話が上手かったんですね。次々と言葉が出てきて、頭の回転が速いなと思いました。
何度かデートを重ねる中で、彼の会話を盛り上げようとする健気な姿に魅力を感じ始めました。それに、私自身早く結婚して子どもがほしかった想いもあり、私たちは会って1か月も経たないうちに付き合うことになりました。
でも、夫は仕事が忙しく、あまり会う時間が取れなかったんですね。それならいっそ一緒に暮らしてしまおうということで、同棲が始まりました。
1年後に私が妊娠して、入籍。出産の1か月ほど前から産休に入り、元気な女の子を産みました」
ワンオペ育児が当たり前のように
「出産後も夫は相変わらず忙しく、あまり子どもの面倒を見てくれませんでした。夜遅く帰ってきては、『元気か?』と生存を確認するように寝顔を見るくらい。
ワンオペ育児が続いていたため、片付けが行き届かず、家の中がかなり乱雑になっていました。夫は『家の掃除はお前の仕事だ』と言わんばかりに横目で見るだけ。溜まっているゴミを見て、『ハァ…』と大きくため息をつくだけで、何も手伝ってくれませんでした。
そんな暮らしを見かねて、私の実家から母が身の周りの世話をするために来てくれたんです。でも、片道2時間ほどかかるため、週に1~2回程度。
そのとき食事を作ってくれるんですが、夜にそれを夫に出すと『口に合わない』と言い、コンビニ弁当を買いに出て行ってしまいました」
子どもの一大事でも何も動かない夫
「あるとき、子どもがミルクを飲まないことがありました。体温計で測ると熱があり、夜でしたが急いで救急外来を受診することにしました。
寝ている夫を起こし、『車を出してほしい』とお願いしました。すると、『免許を持ってるんだからお前が運転すればいい』と言うんです。
でも、私はペーパードライバー。大事な子どもをそんな車に乗せるわけにはいきません。そう伝えると今度は、『お前が産んだんだから』と、産んだからには自分で責任を取れというような言葉を投げつけてきて。その言葉にとてもショックを受けましたね。2人の大事な子どもだと思っていたのは私だけなのかと。
結局タクシーで病院に向かい、受診して何ごともなくすみましたが、夫との溝は深まりました」
非協力的な夫に苦しめられ“ワンオペ育児に追われた妻の告白”をご紹介しました。
昌弘さん自身は仕事をすることで、自分の役割は果たしているという意識があったんでしょう。家のことは、妻の仕事だと思っているんですね。ですが、それはまったくの勘違い! 育児は2人ですべきものです。片方だけに負担になるようなことがあってはいけませんよね。
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※ 2021年12月27日作成