JAXA大西卓哉宇宙飛行士に聞く人生相談! #7 宇宙からのANSWER. 人間関係その2
【宇宙からのANSWER.】vol.7 人間関係その2
『anan』でJAXAの連載をしているのだ、というと、約80%の方が「なんで? どんな?」と、まるで想像できないって顔をします。
大西宇宙飛行士が、宇宙ステーションから人生相談に答えてくれるのよー、とざっくりまとめて説明すると、約90%の人が「すごい!」と大きめの声で反応してくれます。
大西さんの撮り下ろしの動画もあるの。それがすごいの! レアなの! 地球も見られて、キレイなの! と、くいつくと、約100%の人が「え、もったいない」と言います。
ねーなんでもったいないの。何がもったいないの。『anan』じゃもったいないっていうの、ねえ! ちょっと!
anan総研のお悩みにこたえる人生相談。第2シーズンは「人間関係」です。
宇宙ステーションってそんなに広くないはず。数か月とはいえ、そこに滞在して各国のスタッフと仕事しろ、と言われたら、それが地上だとしても、ちょっとひるみます。
国をまたぐ大きなプロジェクトを担うので、スタッフの数も莫大だし、自分のひとこと、一挙手一投足に細かく気を遣わなければならないと思うと、かなり萎えます。
そんな中、大西卓哉宇宙飛行士は、どうやって円滑なコミュニケーションを保っているのでしょうか。
ちなみに、今回の記事の目玉は、こちらのレア動画。
大西さんが、宇宙ステーションの中を案内してくださっています。ロシア~アメリカ~日本エリアと、思ったより広いような、とはいえ狭いような。無重力で上下左右がないとすると、実は広いのかな。
大西宇宙飛行士、今回も回答、よろしくお願いします!
Q.
宇宙ステーションやJAXAでは人間関係を良くするために工夫していることはありますか?
組織での工夫でも、大西さん個人の工夫でもかまいません。
参考にしますので、教えていただけると嬉しいです。(31歳・学生)
A.
人間関係、難しいですよね。
私は挨拶をしっかりとするように心がけています。宇宙ステーションで他のメンバーとすれ違う時は、必ず「調子はどう?」とお互い声を掛け合います。
地上では廊下や階段ですれ違う、他の部署の全然知らない人にも、「お疲れ様です」とこちらから挨拶します。お互い元気な挨拶ができると、とても気持ちよいですよ。小学生で習うようなことなんですけどね、それだけ大人になっても大事なことなのだと思います。
挨拶です!
大切なのはわかっているつもりなのに、いつのまにかおざなりになる。それが挨拶です。
「Hi!」や「うぇい」でもなく、ちゃんと「調子はどう?」です。たぶん「How are you?」です。
しかもお互いです。
この意識の高さがすばらしい。
振り返ってみると、会社内でエライヒトに会った時でさえ
「・・・ざいまーす」
職場の上司ですら
「うーす」
同僚なら
「・・・!」
言葉になりません。
いっかーん。いかん。
まずは、挨拶をちゃんとしてみましょう。それから、です。それから新たな地平が見えてくるというわけです。
今週の標語。「挨拶をする」。
anan総研の人生相談、宇宙からのAnswer、まだまだ続きます。
次回をお楽しみに!
※ 大西卓哉宇宙飛行士は無事地球に帰還なさいました。この人生相談は、大西宇宙飛行士が宇宙ステーションにいる期間にお答えいただいたものです。
ananのために撮り下ろしてくださった、宇宙ステーションでの動画はこちら!
大西卓哉(おおにし たくや)
JAXA 有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士。1975年東京都生まれ。全日本空輸株式会社のパイロットを経て2009年4月JAXAに入社。2016年7月から国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーとしてISSに滞在中。
Information
JAXA:http://www.jaxa.jp/index_j.html