萩原利久「今までの中でもトップレベルの難しさ」 新ドラマで初のラブストーリーに挑む

2023.10.23
第1話の放送を直前に控えた新ドラマ『たとえあなたを忘れても』で、堀田真由さんと4回目の共演をすることになった萩原利久さん。
TV

「堀田さんとご一緒したドラマ『3年A組―今から皆さんは、人質です―』は、すごく生徒ファーストな現場で、自分たちでどこまで突き詰めて芝居ができるかみたいなチャレンジをしたりして、たくさん学べたんです。その撮影期間3か月を一緒に戦った役者たちは、まさに戦友だし、そのやり方を知っている堀田さんとまた一緒にできるというのを聞いた時はすごく安心感がありました。ただ、1周回って緊張なんてしないと思ったけど、ラブストーリーを演じるのは初めて。変に知っているだけあって、2周回って変な緊張をしちゃってます(笑)」

脚本を手掛けたのはラブストーリーの名手・浅野妙子さん。堀田さん演じる、夢を失い生活苦に陥ってしまった河野美璃(みり)と、萩原さん演じる、“解離性健忘”という障害を抱えた青木空(そら)。何度も記憶を失い続けながらも懸命に生きる空に、美璃は惹かれていく。

「台本を読んでいる段階で、情景や二人のやりとりが温度を持って想像できたほど、あったかい気持ちになりました。これを視聴者の皆さんにどう届けるかは大きな課題の一つですが、空を通じてこの作品の厚みを出せたらいいなと思っています。空はやわらかい人で、ものすごく心が澄んでいる青年。これまで、純真無垢な若い年齢の役を演じたことはありましたが…ここまで透明感のある同世代の役は初めてかも。でも、この世界にちゃんと存在するような、リアルな人物にしたいです」

今までにない難しさもあるという。

「これまでいろんな役をやらせてもらってきましたが、キャラは違ってもシーンを積み重ねながらその人物を作り上げてゴールに向かっていくのが当たり前でした。ところがこの作品は、空が記憶を失うごとに周りの環境や前後の関係性までもリセットされてしまう。丁寧に積み重ねたものをまたゼロから演じるというのは初めてなので、今までの中でもトップレベルの難しさを感じています。また、リセットされることで、二人の関係値を美璃に委ねることになり、そういう比重のバランスが大きく変わる作品というのも特殊。そのあたりは、堀田さんと話しながら作り上げていきたいと思っています」

以前のインタビューでは「目立ちたくてこの世界に飛び込んだ」と話していた萩原さんだが、年々出演作を増やしながらスポットライトを浴びている今、当時の自分に言ってあげたいこととは。

「『意外と続いてるよ』かな(笑)。ありがたいことにお声かけいただく機会が増えたことで、経験とともに技術面の向上はあるはず。でも基本的なスタンスは10年前と何も変わっていないので成長の実感はあまりなくて。役者として本質的部分を含め、周りから評価していただくことで成長を実感できるのかもしれません」

TV

『たとえあなたを忘れても』 浅野妙子のオリジナル脚本で描くヒューマンラブストーリー。大切なものを失いながらも懸命に生きる男女の切なくも美しい純愛を堀田真由×萩原利久で描く。10月22日より毎週日曜22:00~、朝日放送テレビ・テレビ朝日系にて放送。©ABCテレビ

はぎわら・りく 1999年2月28日生まれ、埼玉県出身。近年の主な出演作に、ドラマ『美しい彼』『月読くんの禁断お夜食』『真夏のシンデレラ』など。現在は、出演する映画『ミステリと言う勿れ』が公開中。

シャツ¥99,000 タンクトップ¥39,050 パンツ¥126,500(以上アミ パリス/アミ パリス ジャパン TEL:03・3470・0505) その他はスタイリスト私物

※『anan』2023年10月25日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・Shinya Tokita ヘア&メイク・カスヤユウスケ(ADDICT_CASE) インタビュー、文・若山あや

(by anan編集部)