山田裕貴「『ONE PIECE』は僕の人生の教科書」 新作映画のゲスト出演に感無量!?

2022.8.28
自身のSNSでは度々『ONE PIECE』について触れ、本誌撮影時にはルフィの身体強化技“ギア2”ポーズもキメてくれた俳優の山田裕貴さん。自他ともに認める『ONE PIECE』ファンで、今回は念願だった『ONE PIECE』のゲストとして、映画『ONE PIECE FILM RED』オリジナルキャラクターのアフレコに挑戦。役柄の必殺技も考案するほどの熱の入れようだったそう。

山田裕貴asエボシ

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――『ONE PIECE』をこよなく愛する山田さんにとって、映画に参加できることはどれほどの喜びなのでしょうか?

『ONE PIECE』は僕の人生の教科書で、ルフィの生き方を指針に、これまでずっと生きてきて…。いつか、映画にゲストとして出演することを夢見てがんばってきたので、もう言葉にならないぐらいうれしいです。感謝しかない! それこそ僕のデビュー作は『海賊戦隊ゴーカイジャー』という海賊モチーフの戦隊ヒーローもので。同作にはサンジ役の平田広明さんも声で出演されていて。今回のアフレコ前に、平田さんからは「台本に名前見つけたぞ。がんばれよ」とDMをいただき、いっそう気合が入りました。

――演じた役柄はクラゲ海賊団の船長・エボシ。映画の冒頭、ウタのライブで暴れる海賊ですが、キャラクターに対する思いは?

お話を聞いたとき、たぶん最初のほうでルフィたちにぶん殴られるんだろうなーと思って。過去の映画もすべて観ているので、「ちょっとでもがんばって生き残れよ」という思いでした(笑)。でも、グランドラインを越えて新世界にいる海賊だから、それなりに強くて、覇気も使えて、特殊な技とかも出せるかもしれない。そう思い、勝手に“カツオノエボシ”という必殺技を考えて、アフレコ時、戦闘シーンで「カツオノエボシ!」とか「武装色!」と叫んでみたんです。そしたら監督から、「エボシは覇気、出せませんから。やめてください」と冷静に止められちゃいました(笑)。

――並々ならぬ憧れを抱いていた作品のアフレコでも、ノビノビと自由に臨まれていたんですね。

いやー、緊張しましたよ。でも、ルフィから生き方を学んできた僕としては、そこで怖じ気づいたらダメだと思って。大好きな作品で自分の力を出し切れずに終わったら、自分を許せなくなるから。ルフィのように怖じ気づくことなく進んでいかなければと思って演じていました。

――今作は『ONE PIECE』では初めて音楽を題材にした映画で、楽曲は錚々たるアーティストの方々が提供されていますよね。

本当に豪華で驚きました。まるで“音楽のバスターコール”をくらってるみたい(笑)。島ごと吹き飛ぶ攻撃力ですよ。もちろん物語も素晴らしく、『ONE PIECE』らしい命をかけた熱い戦いや思いを描きながら、今の世相も映し出している。ウタは信じる気持ちが強すぎて、それ以外の考えは悪だと決めつけて行動してしまった。その結果、悲劇が起こる。それは現代社会にも通じることで、例えば、SNSに載っている情報だけを見て、“あの人がそう言ってるなら正しいんだ”と信じて疑わない人が多い。僕は信じる気持ちより、何かを受け入れたり、受け止める気持ちのほうが強い力だと思っていて。そういうこともメッセージとして謳っているところが素敵だなと思いました。

――さらに今作では、別次元ではあるけれど、ルフィとシャンクスの共闘も。激アツな展開ですよね。

二人の「うぉー!!」という叫び声が重なっているだけでも「ありがとう」しかないし、ウソップと、ウソップの父であるヤソップの親子共闘もたまらない。僕の父も仕事で家を空けることが多く、あまり一緒にいられなかったので、自分とウソップを重ねたりして…。本当に泣けます。

――山田さんがこれほどまでに『ONE PIECE』を愛する理由はどこにあるのでしょう?

僕には大好きな言葉があって。「支配なんかしねェよ。この海で一番自由な奴が海賊王だ!!!」というルフィの台詞なんですが、それは人間が一番望むことなんじゃないかなって。何にも縛られず、自分のやりたいことをやり、仲間と生きていけるなんて最高ですよね。僕も誰になんと言われようと気にせず、自分らしく生きていきたい。そしたら最期を迎えるときも笑っていられる気がする。ルフィがローグタウンの処刑台で笑っていたように。そんな理想の生き方や教えが『ONE PIECE』には詰まっているんです。

やまだ・ゆうき 1990年9月18日生まれ、愛知県出身。2011年、俳優デビュー。現在、連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演中。公開待機作に主演映画『夜、鳥たちが啼く』、映画『耳をすませば』など。

ニットTシャツ¥24,200(ウェルノード/アルファ PR TEL:03・5413・3546) パンツ¥36,300(ニート/にしのや TEL:03・6434・0983) サンダル¥19,800(ルッカ TEL:050・5218・3859) その他はスタイリスト私物

『ONE PIECE FILM RED』 音楽の島エレジアで開催される歌姫・ウタのライブを訪れた、ルフィ率いる麦わらの一味。大勢のファンが埋め尽くす会場には、よからぬ思惑を持った者もいて…。原作・総合プロデューサー/尾田栄一郎 監督/谷口悟朗 脚本/黒岩勉 音楽/中田ヤスタカ 公開中。

『ONE PIECE』 1997年、『週刊少年ジャンプ』にて連載スタート。主人公のルフィが海賊王を目指して、仲間と共に戦い、成長していく冒険活劇。現在、103巻まで発売中。

※『anan』2022年8月31日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・森田晃嘉 ヘア&メイク・小林純子 インタビュー、文・関川直子

(by anan編集部)