リーガルリリー、最近ビートルズを熱心に聴くように その理由は?

2021.4.19
初のEP『the World』は、轟音ギターが響く、ヘビーで痛快なオルタナロックバンドとしてのリーガルリリーが全開になっている。

ルーツは洋楽だけどJポップを作る意識がある。

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「音源を出した高校2年生からライブをしていて、ライブをするために曲を作っていたところがあったんです。でもコロナによってライブができなくなって、ここで爆発させるしかないなと思いました(笑)。音源にたくさん熱意を注ぐのもすごくおもしろかったです」(たかはし)

「アルバムの『bedtime story』を聴いてた人からすると、今回のEPはすごくロックに聞こえるってうちのお姉ちゃんが言ってました(笑)。これまでライブで出してた側面に集中したような作品だと思います」(ゆきやま)

以前は寓話的な表現が印象的だった歌詞も、とても生々しくなった。

「『東京』の歌詞は、生田緑地に行って、山頂から東京の夜景を見た後すぐに書きました。エネルギーがここに集まってくる感じに感動して。前は余裕があったからかっこつけられてたんです。でもライブがなくて客観視できる場も肩の力を抜ける場もなくなってしまった。でも、外にいても中にいても、自分のエネルギーを信じて自信を持とうって思ったんです。あと、前は現実味のない言い回しが好きだったんですけど、今回はひらめいたまま書いちゃおうって思って。良い意味でも悪い意味でも私のそのままの人間味が歌詞に出てきました」(たかはし)

「今までは自分について考える歌詞が多かったけど、今回外に踏み出したのかなって感じてます」(海)

「今回のEPの歌詞は、すごく力が湧いてくる感じがして好きです。(たかはしの)歌い方も変わったと思います」(ゆきやま)

「人に伝えようとし始めました(笑)。ずっと家にいると、“私のこと知ってほしい”と思い、より想像力が豊かになって。その変化が歌や歌詞に出てるのかもしれないです。無力な自分にすごくイライラして。元々私はグランジがすごく好きで救われてきたんです。最低限のバンド人数でぶち壊すみたいなのがかっこよくて。だんだん自分たちもそういうふうになってきました(笑)」(たかはし)

「バンドを聴く人が少なくなった時代だからこそ3人で音をぶつけ合いたい。『バンドこれからじゃん』ってすごく思います」(海)

「ルーツは親が聴いてたニルヴァーナやウィーザーで。高校の時にSEKAI NO OWARIや神聖かまってちゃんやクリープハイプを知って、日本にもバンドがいるんだって思ったんです。だから洋楽がルーツではあるけど、Jポップを作るっていう意識が強くありますね」(たかはし)

20代前半の3人。最近ビートルズを熱心に聴くようになったという。

「『みんなビートルズに影響されてた』ってことがわかって、その出合いがすごく嬉しかったんです。そこから、より自由に楽しみながら曲を作れるようになって。良いものは色褪せないので、’60年代の曲でも“これめっちゃ新しい!”って思えるのが楽しい。そういう感覚を自分たちの曲に落とし込むとまた新しい音楽になる。そうやってこれからも曲を作っていきたいと思ってます」(たかはし)

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1st EP『the World』。新曲「東京」「地獄」「天国」に加え、SEKAI NO OWARIの「天使と悪魔」のカバーを収録。全4曲。【初回生産限定盤(CD+DVD)】¥2,750 【通常盤(CD)】¥1,430(Sony Music Labels)

リーガルリリー 左から、海(Ba)、ゆきやま(Dr)、たかはしほのか(Vo&Gt)。2014年結成。高校在学時より注目を集め、国内大型フェスや海外でもライブ出演を果たす。映画『惡の華』主題歌「ハナヒカリ」含む1stフルアルバム『bedtime story』を’20年2月にリリース。

※『anan』2021年4月21日号より。写真・内山めぐみ ヘア&メイク・URI 取材、文・小松香里

(by anan編集部)