ダルくて疲れが取れず、夜は眠れず、疲れは蓄積していくばかり。アメリカで暮らし、夏に一時帰国したスタンフォード大学教授の西野精治先生も、日本の夏の過酷さには改めて驚いたそう。
いい眠り

「高温多湿の中で活動する夏は、疲労が普段以上に溜まります。加えて、熱帯夜には熱放射で下がるはずの体温システムも上手く働かないためスムーズに入眠できず、溜まった疲れが取れにくい環境です。良質な睡眠で一日ごとに日中の疲れをリセットしましょう」

寝苦しくて起きてしまえば、睡眠不足が借金のように積み重なる“睡眠負債”が加速度的に増え、脳やカラダの疲れは一向に取れないという悪循環に。

「睡眠負債を週末の寝溜めで返そうとしても、睡眠のリズムが崩れるため解決になりません。脳とカラダの疲れを正しくリセットするには、睡眠を“量”の問題だけで考えてはいけません。睡眠の“質”を上げることで、毎日、少しずつ負債を返済していきましょう」

いい眠りができると、脳の中では、こんないいことが!

免疫力を高めて、病気や不調を遠ざける。

免疫と睡眠の関係はとても深い。睡眠の質が落ちると、ホルモンバランスが崩れ、免疫力もダウン…。「睡眠が乱れていると、インフルエンザの予防接種を受けても、免疫が確立せず効果が認められないという報告があります。アレルギーが悪化することも」。裏を返せば、良質な睡眠で免疫力をアップできれば、健康に!

成長ホルモンを分泌し、細胞の再生を促進する。

脳の下垂体から分泌する成長ホルモンは、子供の時だけのように思いがちだが、実はそうではない。「睡眠はホルモンの正常な分泌を助けます。なかでも成長ホルモンは細胞の新陳代謝を促し、大人になってからも、骨や筋肉を強くするという働きがあります。肌の保水量など美容面にも大きな関わりがあるんですよ」

自律神経を整え、脳とカラダを「休息」させる。

いい眠り

私たちの意思とは無関係に働き、体温維持やホルモン分泌、代謝調整などをしている自律神経。「ノンレム睡眠中は副交感神経が高まり、リラックスモードに導きます。そうして、睡眠中の脳やカラダは休息状態に入るのです。深い睡眠でしっかり副交感神経を優位に転換させることが、疲れを取る上で大切になります」

西野精治先生 睡眠研究の最高峰と称されるスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)所長。医師。睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから研究している。

最高の睡眠

睡眠医学の最先端をわかりやすく解説した西野先生の著書『スタンフォード式 最高の睡眠』。20代の働く女性を主人公にしたコミック版が、8/27発売。サンマーク出版。

※『anan』2018年8月29日号より。イラスト・加納徳博 取材・文・小泉咲子

(by anan編集部)


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