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瀬戸内寂聴と66歳年下秘書、どうしてこんなに仲がいい?

2018.3.3
御年95歳の作家・瀬戸内寂聴先生と、その秘書を務める66歳年下の瀬尾まなほさん。「もう一度生まれ変わっても女がいい」と語る寂聴先生が、今を生きるanan世代の女性たちに伝えたいこととは?
寂聴

御年95歳でありながら、現役作家として活躍する瀬戸内寂聴先生。ここ数年、その傍らに優しく寄り添うある一人の女性がいるのをご存じだろうか? 寂聴先生の秘書を7年前から務める瀬尾まなほさんは、アンアン読者世代と同じ、30歳。寂聴先生にその文才を認められ、初めて綴ったエッセイ本『おちゃめに100歳! 寂聴さん』(光文社)が話題に。66歳も年齢の離れた二人の人生に共通する、ある運命的な出来事とは? まるで漫才コンビのような二人の軽快なトークから、女の生き方のヒントを読み解きます。

――二人の出会いは7年前、就職先を探していた瀬尾さんが、お友達の紹介で京都の寂庵に面接に来たことからはじまったと聞きますが。

瀬尾まなほさん(以下、瀬尾):私が大学を卒業する直前だったので、22歳の時です。その時は、恥ずかしながら瀬戸内寂聴先生が小説家であるということも知りませんでした。

瀬戸内寂聴さん(以下、寂聴):この子、本当に何も知らなかったの! 本も読んでいなければ、文学少女でもなかったから、私は一目で「この子に決めよう」と思って。そのほうがかえって気が楽だと思ったのね。

――働きはじめた当初から、瀬尾さんは自分でいつか本を出版したいと思っていたのですか?

瀬尾:小説家志望で入ったわけではないので、まさかそんなこと、考えつきもしませんでした。

寂聴:ただ時々、この子から手紙が届くんです。一緒に暮らしていたら、面と向かって言えないことも増えてくるじゃないですか。ある時、机の上に手紙が置いてあって、それを読んだら「この子は文才があるかもしれない」と思って。あまりに内容と文章が素直で良かったから、自分の小説にもそのまま引用したくらい。

――そこから、瀬尾さんの人生が少しずつ動きだしたわけですね。ちなみに、寂聴先生が22~23歳だった頃はというと…?

寂聴:結婚して子供を産んで、不倫して…いちばん濃い時だったかもしれません。21歳で結婚した夫は古代中国音楽史の学者だったので、「これで学者の妻になるんだ。これからは夫の才能を私が高めよう」とはり切っていたんですが。

瀬尾:その先生が文学を志すようになったのは、23歳の時?

寂聴:最初は「小説家になりたい」なんて口では言っていたけれど、タダでなれるとは思っていなかったの。当時は夫との家を出て、お金もなくて、困っていた時。でもある日、三島由紀夫先生にファンレターを書いてみたら、返事が来たんです。彼は誰にも返事を出さないことで知られているんだけど、「あなたの手紙はあまりにも面白いから」って。そこから文通がはじまった。

――寂聴先生が瀬尾さんの才能を引き上げたのと同じで、当時の三島先生も、寂聴先生の文才を見抜いていたのですね。

寂聴:ただ、いざ小説を書いて送ってみたら「あなたは手紙はあんなに上手いのに、小説は普通だ」と言われましたけど(笑)。でも、人は誰でもその人にしかない才能を持って生まれているんですよ。だけど、自分ではなかなか気づけないものだから、誰かに発見してもらうことがすごく大事になってくるの。それが、この人(瀬尾さん)のように早く発揮できればとても良かったと思うけれど、おばあちゃんになってから芥川賞をとるような人もいますから。だからいくつになっても諦めることはないと思う。

――22歳の時に寂聴先生と出会ったことで、瀬尾さんの人生は大きく加速したわけですが、同時に先生ご自身にも変化の実感はありましたか。

寂聴:二人が出会って、どちらかといえば変わったのは私なんですよ。

瀬尾:いや先生、私のほうが変わりました!

寂聴:まなほが来てくれて、着るものも、食べるものも、すべてが変わりました。今まで、仕事で付き合う人にもここまで若い人はいなかったから、この人といると、毎日が面白くてしかたがないの。

瀬尾:先生、今朝もお味噌汁を噴き出して笑っていましたもんね(笑)。

――逆に瀬尾さんは、先生と出会ってどんな変化の実感がありますか?

瀬尾:先生に出会って、好きなように生きる大切さを私は学びました。95歳になっても、新しいことをどんどん取り入れている人を間近で見ていると、安定志向に入っていては駄目だと思いますし、今までの出会いを大切に、これからの自分の人生を走り続けたいと思うようになりました。だから、人生が大きく変わったのは私のほうだと思います。

寂聴:まあ、私があなたの今の年齢の時は、ひととおりの女の人生をやっていましたよ。だから、まなほは何をやっているんだと思って。もっとたくさん恋愛して、楽しまないともったいないじゃない。

瀬尾:いいんです、私は先生の元で働けて今は幸せなんですから!(笑)

恋愛、結婚と仕事、人間関係、女友達など…多くの人が20代や30代にかけて直面する“女の悩み”。どうすれば今の自分を肯定し、人生をより豊かに楽しむことができるのか。迷える読者のお悩みを、年齢差66歳の二人にぶつけてみました。

女の幸せ=結婚? 出産?

「今の会社に転職して5年、一人で任される仕事も多くなり、毎日に充実感があります。交際2年になる優しい彼もいて、最近、生まれて初めて、今が楽しいと心から思えます。ただ、彼から結婚の話をされると不安になり逃げたくなってしまうのです。正直、結婚して子供を産みたい、という気持ちがわきません。なぜ、私はそう思えないのか、どこか冷たい人間なのでしょうか。今の自分を、いつか後悔する日が来るのでしょうか?」(34歳・PR)

寂聴:このくらいの年頃の女性であれば、結婚して好きな人の子供を産みたいと思うのが自然なこと。健康な若い女性で、その気持ちが全然わからないって、この人ちょっと変わっていると思う。

瀬尾:でも、女性の未婚率は年々高くなっていますし、“結婚できない”のではなく、あえて“結婚しない”人生を選ぶ人も増えていますよね。

寂聴:私が思うに、そういう人は無理に自分に言い聞かそうとしているだけ。例えば、本やなんかの影響でね。でも、一般的な女性なら、誰だって年頃になれば子供は産みたいと思うものなの。たとえ、相手が家庭を持っていたとしても。

瀬尾:もちろん、私もいつか子供は欲しいと思います。とはいえ、今すぐ子供ができたとなったら、ちょっと恐ろしいなと感じる部分もあるんですよ。仕事ができなくなるとか、先生の元から離れないといけないとか、復帰できないかもしれない、とか…。この相談者の方も、彼がいてすごく幸せなんだけど、今すぐ結婚して子供を産むには、きっと心の準備ができていないはず。その気持ち自体は、わからなくもないですね。

寂聴:ただ、好きな男性があなたに子供を産んでもらいたいと思ってくれるのは、すごく幸せなことなのよ。相手の気持ちをそんなふうに考えられたら、少しは前向きになれると思います。

瀬尾:そうですね。それに、この方にもいつか「子供が欲しい」と思うタイミングが来るかもしれません。今は無理に決めなくても、流れに身を任せていいんじゃないでしょうか。仕事が大事な気持ちもわかりますし、子供ができたら自分でも驚くほど、子供が好きになったという人もいるくらい。どちらに転んでも、幸せになれないことなんてないと思います。

せとうち・じゃくちょう 1922年5月15日生まれ。徳島県出身。小説家であり、僧侶。’97年に文化功労者、’06年文化勲章を受章。これまでに発表した著書は400冊以上。

せお・まなほ 1988年2月22日生まれ。兵庫県出身。大学卒業後、瀬戸内寂聴先生の秘書となる。困難を抱えた若い女性や少女を支援する「若草プロジェクト」理事も務める。

『いのち』瀬戸内寂聴 講談社 1400円 ガンの摘出手術と長い入院生活を終えた作家の「私」。脳裏に甦るのは、これまでの人生で出会った男たち、そして筆を競った友の「死に様」だった。瀬戸内さんが95歳の命を燃やして書き上げた、“最後の長編小説”。

『おちゃめに100歳! 寂聴さん』瀬尾まなほ 光文社 1300円 秘書として7年間、瀬戸内寂聴先生の傍らにいる瀬尾さんが、先生の「おちゃめな素顔」と「愛あふれる本音」を赤裸々に綴った初めてのエッセイ本。貴重なプライベート写真と本人直筆食卓レシピイラストも初公開。

※『anan』2018年3月7日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) 取材、文・瀬尾麻美

(by anan編集部)

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