JAXA大西卓哉宇宙飛行士に聞く人生相談! #12 宇宙からのANSWER. 健康について その4
【宇宙からのANSWER.】vol.12 健康について その4
ロシアモジュールの最終試験に臨む大西卓哉宇宙飛行士ら / アナトーリ・イヴァニシン(Roscosmos)、大西卓哉、キャスリーン・ルビンズ(NASA)宇宙飛行士(C)JAXA
この写真は、大西卓哉宇宙飛行士が宇宙ステーションにともに行き、ともに帰還したメンバーと写っています。みなさん大役を終えて、各国で年末を過ごしているに違いないです。
今年1年、すばらしい年でしたね。お疲れ様です。
とはいえ24時間365日、粛々と時間は刻まれる。正月なんか関係なく朝が来て夜になる。
このところ不眠の悩みをよくいただきます。冬場は特にカラダを温めてからお布団に入るのがよいそうですが。
宇宙では体が浮かないように固定して眠るのですよね。・・・熟睡できますか?
大西宇宙飛行士、今回も回答、よろしくお願いします!
Q.
眠れない時はどうしていますか?
宇宙で睡眠は十分にとれるのですか?(30歳・営業)
A.
羊を数えます。
でも、毎日仕事で疲れているので、夜はバタンキューが多いですね。
宇宙では地上よりも少ない時間で疲れが取れるような気がします。無重力で身体が本当に休まっているからかもしれません。
私は地上では8時間くらい寝たい人なのですが、6時間でも朝にはしっかりと疲れが取れているから便利ですよ。
あー、同じ同じ! わたしも8時間寝たい派です! わーい。そうは問屋が卸しませんけどね。
でも、「寝るのがもったいない」っていうヒトもいますよね。わからないでもない、が。
そんな寝る派の大西さん、宇宙ステーションでは毎日お忙しく働いて、カラダもアタマも疲れるのでしょう。うらやましいほどの寝落ち熟睡らしい。カラダ固定してるのに。すごいな。
そして、大西仮説の誕生です。
無重力だとカラダが本当に休まる
カラダに負担がかからない状態で眠るのが理想的だとすると、確かに無重力は理想的な睡眠環境です。地上のベッドマットは、低反発だったりブロックで支えたり、いかにカラダの体重負担を分散させるかを競って研究してますもんね。
でもその一方で、宇宙飛行士の方たちが宇宙空間で睡眠不足に悩まれることが多いというデータもあるのだとか。おやあ?
多分、大西さんを徹底研究すると、無重力空間での睡眠の謎がほぐれていくような気がします。
どうでしょう、JAXAさん!
というわけで、私たちは熟睡のために羊を数えることにしましょう。
相当修行しないと、宙に浮けないだろうから。
グンナイ!
みなさまどうぞよいお年をお迎えくださいませ。
来年2017年松の内から、連載は更新されますよー!
anan総研の人生相談、宇宙からのAnswer、壮大な企画はまだまだ続きます。
次回をお楽しみに!
※ 大西卓哉宇宙飛行士は無事地球に帰還なさいました。この人生相談は、大西宇宙飛行士が宇宙ステーションにいる期間にお答えいただいたものです。
ananのために撮り下ろしてくださった、宇宙ステーションでの動画はこちら!
そして、エンドロールのお楽しみのように、もうひとつ。
2016年12月26日発売の『anan』ありがとう2016特集に、大西さんの特別インタビューが掲載されています。大西さんの直筆メッセージもあります。ぜひご確認ください!
大西卓哉(おおにし たくや)
JAXA 有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士。1975年東京都生まれ。全日本空輸株式会社のパイロットを経て2009年4月JAXAに入社。2016年7月から国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーとしてISSに滞在中。
Information
JAXA:http://www.jaxa.jp/index_j.html