JAXA大西卓哉宇宙飛行士に聞く人生相談! #2 宇宙からのANSWER. 仕事関係その2
【宇宙からのANSWER.】vol. 2
始まって早々、各所で話題とギモンが渦巻くこの連載。
「なぜananで?」「本当に宇宙とやりとりしてるの?」「なぜananなんだよ!」「もっと科学的な質問じゃなくていいのか」
いいじゃないか! ananだって!
anan総研のメンバーは、普段しんどく抱えている質問を投げかけつつ、わくわくしながら回答を待っております。
JAXAのみなさん、大西さん、ご協力ありがとうございます!
さて、第1回に続いて、仕事関係のお悩みが来ております。(ラジオ相談風)
anan総研メンバーはアラサーをコアとした働く女性たち。明るく元気ではありますが、仕事のやり方、転職についてなど、振ればどっかり悩みが噴出します。
大西卓哉宇宙飛行士も、全日空パイロットを辞して宇宙飛行士としてJAXAに入社した、転職組です。
パイロットと宇宙飛行士、似ているようで仕事内容は相当違います。
転職の悩みも、わがことのように受け止めて、答えてくれるんじゃないでしょうか。
大西さん、今回もよろしくお願いします!
Q.
以前、好きなことを仕事にしたいと思って、思い切って華やかな職種に転職しました。ところが、想像していた世界とは違い、とても地味な作業が多く、ギャップに驚いたことがあります。
大西さんは、宇宙飛行士になってみて、想像と違う仕事内容など、ギャップに驚いたことはありましたか。(30歳・営業)
A.
外の世界から見た時とのギャップってありますよね~。そういうギャップには、パイロットとして働いていた頃から慣れていたので、幸い驚きはなかったですね。大体、想像していた通りというか、先輩宇宙飛行士から聞いていた通りでした。
宇宙飛行士という職業は一見するとカッコいいイメージをお持ちかもしれませんが、実際はとても地道な訓練の繰り返しです。
宇宙に来て約3ヶ月になりますが、JAXAに入ってからここまで7年半が経っています。そう考えると、宇宙飛行士が宇宙で実際に働いている時間は、キャリア全体の中ではほんの一握りの時間なんです。どんなに華やかに見える仕事でも、その裏にはたくさんの地味な作業があると思います。その仕事の良い部分だけしか、外の世界からは見えないものなのかもしれませんね。
隣の芝生は何とやら、です。
どんな仕事でも、イメージと実際のギャップはあるんですね。特に宇宙飛行士のように、華やかだったり、注目される仕事の場合、それが大きいのかもしれません。
宇宙に行くまで7年半というと、新卒で会社に入って、30歳過ぎてやっとプロジェクトに入れるって感じでしょうか。見えない部分で膨大な訓練や準備が必要なんですね。氷山のようです。
裏にあるたくさんの地味な作業については、想像が追いつかない。仕事って、なにごともそういうものなのかもしれません。
じわっと染み入るお答えです。
anan総研の人生相談、宇宙からのAnswer、まだまだ続きます。
次回をお楽しみに!
ananのために撮り下ろしてくださった、宇宙ステーションでの動画はこちら!
大西卓哉(おおにし たくや)
JAXA 有人宇宙技術部門宇宙飛行士運用技術ユニット 宇宙飛行士。1975年東京都生まれ。全日本空輸株式会社のパイロットを経て2009年4月JAXAに入社。2016年7月から国際宇宙ステーション(ISS)第48次/第49次長期滞在クルーとしてISSに滞在中。
Information
JAXA:http://www.jaxa.jp/index_j.html