ATEEZが日本でアンコール公演を開催「昨日よりも今日、今日よりも明日、もっと幸せにしてあげる!」

写真 田中聖太郎写真事務所 取材・文 尹 秀姫 — 2023.5.9 — Page 1/2
ATEEZのワールドツアーアンコール公演「THE FELLOWSHIP : BREAK THE WALL ANCHOR IN JAPAN 」が2023年5月2日、3日に東京・有明アリーナで、5月6日、7日に神戸・ワールド記念ホールで開催された。今回は東京公演2日目の5月3日の模様をレポートします。

一緒に歌って! 一体感あふれるステージ


集合②

【ペンになってもいいですか!?】vol. 179

オープニングのVCRが終わると、黒いマントをかぶったメンバーが登場。そのマントを脱ぎ捨てると、「HALAZIA」がスタートする。ライブの始まりから重々しくパワフルなパフォーマンスに、客席も熱く呼応。「今日も東京に錨を下ろします」というHONGJOONGの声で挨拶が始まっても、客席の興奮は止まらない。メンバーが思い思いの挨拶をするなか、MINGIは「世の中には二種類の人しかいない。俺か、俺以外か。だから俺だけを見ろよ。愛してる」と一風変わった挨拶で会場を沸かすと、YUNHOも「らーめん、つけめん、MINGIイケメン!」と囃し立てる。

JONGHOのハイトーンが響く「Paradigm」に続き、「The Ring」ではMINGIがマイクをクルクル回しながら花道を歩きながらラップし、真っ赤に染まったセンターステージにメンバー全員が立つ姿はこれぞATEEZというケレン味を感じさせる。ATINY(ファンの総称)たちの大きなコールから始まった「HALA HALA」は緩やかなスタートから次第に熱を帯びていき、クライマックスではメンバーが倒れる中、WOOYOUNGだけが意味深な笑顔を浮かべるという劇的なパフォーマンスでライブ序盤を盛り上げた。


HONGJOONG

HONGJOONG


白を基調にターコイズのベルベットとオーガンジーを組み合わせた衣装に着替えて現れたATEEZは、「Dazzling Light」でHONGJOONGとMINGIのラップの掛け合いを見せたかと思えば、SANの美しいファルセットから始まる「Mist」ではスタンドマイクで幻想的に歌い上げる。パワフルなパフォーマンスと壮大な演出に目を奪われがちだが、ATEEZの真骨頂はその実力。それをこの2曲でしっかりと証明してみせた。

MCではSANから「好き好きしてみせて」とリクエストされたMINGIに、SEONGHWAとYEOSANGも加わり3人でやって見せたりと、大サービス。SANは「僕たちはATINYと共にする瞬間が本当にありがたいですし、幸せな時間なんです。こうやってストレスを発散して!」と言いながらしゃがみパンチをして見せると、なぜか全員でやることになり、メンバー全員でしゃがみパンチをしてストレス発散。「気分転換できる存在がいること自体が大きな力になるじゃないですか」とライブの醍醐味を語った。


SEONGHWA

SEONGHWA


「ATINY、僕を抱きしめて」とキスを投げたYEOSANGの言葉で始まった「AURORA(Japanese Ver.)」、囁くようなYEOSANGの低い声から始まる「DIAMOND」、始まりから駆け出したくなる「Limitless」と次第に疾走感を増していく構成でライブを駆け抜けると、ここでWOOYOUNGが足の負傷のために椅子に座ってライブに参加することに。申し訳ないと謝罪するメンバーたちに、会場のATINYたちはあたたかい拍手と歓声で理解を示し、WOOYOUNGを励ました。


YUNHO

YUNHO


客席のペンライトが宇宙に浮かぶ星のように瞬いて始まった「ILLUSION」では途中で客席に大きな風船が投げ入れられ、センターステージに移動したメンバーたちも風船を客席に返したり、ATINYとのやりとりが楽しい。その勢いのまま始まった「WAVE」はこれからの季節にぴったりのサマーチューン。椅子に座るWOOYOUNGの元へMINGIが駆けて行き一緒にラップし、HONGJOONGも「WOOYOUNG、愛してるよ!」とWOOYOUNGがさびしさを感じさせないように盛り上げる。そんなところにもATEEZのメンバー愛、絆の強さが感じられる。


YEOSANG

YEOSANG


「ではまた出港しましょうか」というHONGJOONGの言葉でセンターステージに戻ると、そこは海の上。「船員ども、位置につけ!」とキャプテンが号令をかけると、荒々しくしぶきをあげる海を往く船の上で「WIN」が始まる。曲中、カウントから始まる激しすぎるパフォーマンスはATEEZにしかなしえないステージ。最後にはHONGJOONGが黒いフラッグを掲げ、ATEEZの存在感を示した。

「Horizon」ではサンが白鳥のように舞い踊り、YUNHOが花道を駆けて行き大勢のダンサーに掲げられたまま歌ったり、目を奪うようなパフォーマンスが続く。その勢いのまま、会場が燃え盛るように赤くなり、サバイバル番組「KINGDOM」でも披露した「WONDERLAND (KINGDOM ver.)」へ。このバージョンはドヴォルザークの交響曲第九番「新世界より」をサンプリングしたもので、HONGJOONGの吠えるようなラップからソンファの剣技、JONGHOの気迫溢れる4段高音など、まるで映画を観ているような見どころあふれる圧巻のステージに、曲が終わると万雷の拍手が起きた。


SAN

SAN


オールブラックの衣装に着替えて再びステージに登場したATEEZは、「Cyberpunk(Japanewe.Ver)」で椅子を使ったダンスでこれまでの激しいステージから一転して妖艶さを表現。この曲は今回のツアーのために新しく用意していた曲だったが、日本公演では特別に日本語版で歌うことにしたそう。「ATINYはセクシーな服も好き」とSEONGHWAが言うと、SANも「SEONGHWAさんのセクシー見せて!」と煽り、一節を踊ってみせる。そんなSEONGHWAに負けじとHONGJOONGがピースであざとくかわいいポーズをすると、SANは髪をなでつけ、MINGIは黒いキャップをかぶって投げキッスと、ATINYへのアピールが止まらない。


MINGI

MINGI


ライブはいよいよ終盤へ。「Fireworks(I’mThe One)」、「ROCKY(Boxers Ver.)」、そして「Say My Name」まで、凄まじい運動量でステージを駆け抜ける。「『ROCKY』も『Say My Name』も公演するたびにATINYからエネルギーをもらう感じがします」とSEONGHWA。そして「ATINYのエネルギーが必要です」とHONGJOONGがこのツアーのタイトルにもなっている「BREAK THE WALL」をATINYたちに叫ばせると、本編ラスト「Guerrilla」がスタート。ATINYの声に引き上げられるようにATEEZのパフォーマンスにも熱がこもり、彼らのパフォーマンスにあてられたように会場のATINYの声もさらに大きくなっていき、公演の最後の最後まで全力のステージを見せた。


WOOYOUNG

WOOYOUNG


アンコールでは「夜間飛行(Japanese.Ver)」を歌い、カジュアルな私服っぽい服でステージに登場。「僕たちが『BREAK THE WALL』ツアーの間いろんなところを回りながら思ったのは感謝の気持ちでした。今日もこうして同じ空間でこの熱気を肌で感じることができて、ありがとうという気持ちでいっぱいです」とSANが言うと、MINGIは「僕たちがどの方向に進むべきかを深く考える時間でもありました。人生でこんな素晴らしい経験をするなんて、今でも胸がいっぱいです」と語った。

「公演をすればするほどさらに良いステージにするための考えや悩みも多くなるのですが、僕たちのステージを完璧にしてくれるのはやはりATINYです。これからもよろしくお願いします!」とJONGHOも感謝を表現。YEOSANGは「ATINYたちにもっともっと心からやさしく接したいし、そんな僕たちの気持ちがみなさんにたっぷり伝わった日になっていたらいいなと思います」、HONGJOONGも「いつも言うんですが、みなさんが僕たちの今を作ってくださって、また、ここまで共にしてくれました。僕たちの一番大きな原動力であって、ゆっくり過ごしたい場所はATINYであることを忘れないでください」とATINYを褒め称えた。


JONGHO

JONGHO


「一緒に歌ってください」というYUNHOの言葉で始まった「Celebrate」は歌の合間にJONGHOがMINGIのお尻を叩いたり、YUNHOが歌いながらSEONGHWAの肩を抱いたり、くだけた雰囲気の中、ATEEZの仲のよさがわかるステージに。途中、メンバーたちが次々とセンターステージへ移動する中、JONGHOが椅子に座るWOOYOUNGに駆け寄り、おんぶして一緒に連れて行く。センターステージで歌われた「From」ではみんな思い思いに会場のATINYたちへ手を降ったり、ハートを作ったり。そしてWOOYOUNGは再びJONGHOに背負われてメインステージへと戻っていった。

最後の挨拶では「僕が昨日よりも今日、今日よりも明日、もっと幸せにしてあげるよ。本当に本当に本当に本当に愛してるよ」とMINGIが力強く愛を伝えると、JONGHOは「去年からずっと掲げている目標ですが、ここで一つ目標を約束して締めくくりたいと思います。今年も日本語の勉強を一生懸命して、来年のコンサートの時にはクロージングコメントを自由にしゃべれるようにがんばって勉強してきます!」と宣言。

WOOYOUNGは「最後までステージに立てなくて残念です」と言うと、会場からは「大丈夫!」と大きな歓声が返ってきた。そして「あまり深刻ではないので心配しないで。座ってステージにいたのは初めてでしたが、ATEEZのメンバーが本当に頼もしかったです」とメンバーの頼もしさに感動。

HONGJOONGは「僕はこの瞬間のために生きて、この瞬間のために残りの時間を過ごしています。僕の人生の理由になってくださってありがとうございます」とあらためて感謝を口にすると、YEOSANGは「ATINYにとって力になるのであればいつでもがんばりたいと思います。これからも僕ら一緒にいましょう」とATINYの健康を願った。

SANは「嬉しい時も悲しい時も僕はATINYのそばにいますので、これからもずっと一緒に歩きましょう!」、SEONGHWAは「ATINYがいて僕がいます。僕にとって一番輝く星はみなさんです。いつも大好きだよ」、YUNHOは「いつも僕たちを待ってくださってありがとうございます。たくさんの愛をくださって感謝しています。その気持ちに恩返しできるYUNHOになります」とそれぞれの表現でATINYへの愛を語った。


集合①

「僕たちの旅を共にしてくださったみなさん、ありがとうございます」とHONGJOONGが最後の挨拶をして、いよいよ最後の曲「The Real(興Ver.)」へ。本編で見せた完璧なパフォーマンスとは対象的に、アンコールらしくATEEZの茶目っ気が大いに発揮され、YUNHOは歌いながら「WOOYOUNGさん、愛してるよ!」と絶叫。

曲の終わりにはJONGHOが「WONDERLAND」のSEONGHWAのように剣を構え、最小限の動きで近くにいたダンサーたちを斬り倒していく。最後の最後まで大いに会場を沸かせた彼らは、全員一列になって締めくくり。WOOYOUNGが座っていた椅子をJONGHOとSEONGHWAが片付けるところまで、真のカッコよさを知るATEEZらしさを発揮したコンサートだった。

©田中聖太郎写真事務所

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https://ateez-official.jp/