音楽より気になる!…飼い主がヒヤッとしてしまう猫さまたちが鋭く反応する音とは

取材、文・Manabu Matsunaga — 2024.2.11
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第208回目はヨーロピアンのハナオ(Hanao)さまとロシアンブルー風キジ猫のシャウ(Chatu)さま。

元迷い猫の猫さまたちの物語

【フレンチ猫さま】vol.208
猫さまの話をもっと聞かせて!
ハナオさまは年齢不詳で多分8歳、シャウさまは推定1歳、共に男性猫さまです。


猫2匹

<ハナオさまさまが語ります>
僕たちはベルギーのナミュールというとてもかわいい街に住んでいます。フランス国境まではすぐなので僕たちはフランス語を話します。朝6時半ごろ飼い主を起こしに行き、7時ごろ朝ごはん、その後少し遊びます。シャウはまだ若いので活発ですが、僕は気が乗った時しか遊ばず、食後のゴロゴロタイムになります。飼い主が仕事に行った留守番中はふたりでよく遊んでいます。


あくびをする猫

飼い主の仕事は骨董店、アンティークバイヤーとラーメン店と、とても忙しくしています。そして午後に飼い主が戻ってきたら3時過ぎごろおやつとご飯を食べ、夜は30分ぐらい遊びの時間がやってきます。
猫2匹

最近のお気に入りは、ベルギー産の『MjAMjAM』というブランドの缶詰と『LlLY’S Organic』パテ。おやつも『LlLY’S』のカリカリチーズ入りです。カリカリの試食は、獣医さんから勧められている『Virbac adult』でおいしいですね。
猫

毎週火曜日は特別で、鶏肉の日です。鶏肉を軽く煮たものが出てきます。なぜかというと、火曜日は飼い主のラーメン屋さんに鶏肉が届いてそれをさばく日で、猫がいる人には鶏肉の端切れをプレゼントされるらしいです。

好きな居場所は棚の上と、もちろん外が見渡せる窓際! ここにいると飼い主が帰ってくるのが見られるのです。シャウはフワフワのネコベットがお気に入りです。僕は脱走が特技! すばしっこいのです。僕を捕まえるのは大変ですよ。シャウは、盗みが上手! 夕食にと洗っておいたキャベツとか金タワシなどをくわえ、廊下で遊んでいます。夕食のお皿にのせてあったソーセージを口にくわえて逃亡したこともありますが、その時は現行犯逮捕となりました(笑)。


<飼い主から見たハナオさまとシャウさまとは>
私の猫歴はかれこれ30年になります。ベルギーに来てからは、パリで夫が見つけた雌猫のシュルーブと飼い主さんが高齢で飼えなくなって薬局に張り紙がしてあった雄で黒猫のバギラ、リリと名付けた黒猫の後にハナオそしてその後はシャウで現在に至ります。
猫

もう25年も前、私が沖縄に住んでいた頃に出会った迷い猫で、飛行機で東京に連れて帰った猫はハナちゃんと名付けました。雌猫で柄がハナオそっくりなんです。ハナオは雄なのでハナちゃんの名前をもらいハナオと名付けました。
シャウは初めにシャドウという名前をつけていたのですが、そのうちシャウになりました。ハナオもそうなのですが、沖縄から連れてきた猫にそっくりで、シャウも昔飼っていたチャウという猫になぜか似ているのです。それもあって、Chatuは当て字です。フランス語ではシャ(Chat)ですもんね。前に飼っていたバリで見つけた猫シュールプ(chouloupe)もそうです。フランス語でかわいい表現“シュシュ”がループするみたいな。フランス語をかけた名前なんです。
猫

以前住んでいた家にはたくさんの野良猫が出入りしてました。ハナオは、ある日ひょこっと現れた迷い猫さんで、家に出入りするようになり家族になりました。シャウもまた迷い猫さん。大雨の日にニャーニャーと鳴く声が聞こえたので、娘がたどって探すと大きなトラックのタイヤの上に乗って雨宿りをするまだ小さい赤ちゃん猫を発見して、連れて帰る事にしました。
猫

ハナオはとても頭が良いネコで、部屋のドアノブをジャンプして開けてしまうのでちょっと困っています。外に出していた時は、他の猫とケンカして歯が欠けてしまったり、脱走して屋根から落ちて骨折したこともあります。やんちゃな猫ですがとても優しい猫なんです。シャウは、とても甘えっ子で、すぐ肩に乗って来ます。まだまだ若いので元気いっぱいです。

愛猫をこれまで8匹見送りました。別れは辛いという事もわかっているし、もう絶対次の猫は迎えないと思うのですが、不思議な事に次の猫との出会いがやってくる。ねこ縁とでもいうのでしょうか? 今まで色々な状況での猫とのお別れがありましたが、飼い主とその猫によってそれぞれに違うお別れ方があるんだなと思います。悲しい別れを想像するより、今現在一緒に過ごす猫たちとの生活を楽しみたいです。
だって猫たちは毎日ささやかなる幸せな贈り物を与えてくれから。


ーー飼い主は音楽好きで、家ではいつも音楽が流れています。でもハナオさまとシャウさまは音楽より、同居しているセキセイインコの声に反応しているとの事! セキセイインコは別の部屋にいるのですが、一度ハナオさまがドアノブを開けたとたん驚いたセキセイインコが飛び出てしまいキッチンのトマトの枝に避難してなんとか事件が解決したことがあるそうです。猫さまと鳥はなかなか共存が難しいですね。
著者情報松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!